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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第139話・わたし達全員で脱出よ!

 通信室を襲った正美が平然とした表情で出てきた。

顔色一つ変えないで、容赦なく敵を撃ち殺していく彼女。

わたし達の中で一番怒っているのは彼女だったのかもしれない。


入口から連なる各部屋をまんべんなく破壊してきたわたし達。

わたし達が通った後には哀れな親衛隊員達の多くの死体が累々と横たわっていた。

そして廊下の突き当りには更に頑丈な鉄扉があった。

さすがに蹴破るのは無理そうだった。

ドアノブの下に暗証番号用のボタンパネルがあった。


❝バババババッ!❞

❝ブシュッ!ガチャン!❞

いきなり正美がドアパネルに銃弾を撃ち込んだ。

火花が散ってショートした瞬間にロックが外れてドアが開いた。

ドアをゆっくり開けると右手に制御室があった。

その中には驚いた表情の警備兵が4名いた。


❝ババババババッ!❞

❝バババババッ!❞

わたし達4人が一斉に怒りの銃撃を加える。

ガラス越しに銃撃された彼らはその場でなぎ倒された。


制御室の向こうには、両サイドに独居房が並んでいた。

鉄格子の独房内には多くの囚人が囚われていた。

制御室に入ったわたし達、奈美江が手前に倒れている男の顔を思いっきり踏みにじった。

「コイツ~!」

❝ズリッ!ズリッ!❞

40cm近い巨大な奈美江のブーツが男の顔をにじり潰した。

「ホントいい感じ!」と冷たく笑う彼女。

更に制御盤に銃口を向けると遠慮なく引き金を引いた。

❝ババババババババッ!❞

❝ヴォーン!バチバチッ!❞

計器類や制御盤が爆発し、火花が飛んだ。


❝ガッチャ~ン!❞

重々しい音と共に独居房のロックが外れて鉄格子の扉が開いた。

すると中から囚人達が出てきた。

独房は左右に15部屋づつあって、40人位が廊下に出てきた。

そんな彼らを見て驚いたわたし達。

「エぇ~!マジで?」と美由紀。


房内から出てきたのは全員女性だった。

年齢は20代から30代前半位でブロンド系の白人や中東系やアジア系の女性も数人混じっていた。

大半はヨーロッパ系の白人女性だった。

わたし達が驚かされたのは彼女達の服装である。

全員がジーンズにロングブーツインスタイルだったのである。

一見すると皆バラバラな私服を着ているし、シャツやブラウスは色とりどりのカラフルな色調なのだが、全員が履き込んだジーパンに黒や茶色のロングブーツを履いていた。


「みんなわたし達と同じジーパンレディーってこと?」

と思わず美由紀がつぶやいた。

そんな中、正美が彼らに問い掛けてみる。

「この中に、日本語のできる人はいますか?」

すると奥の方で手が挙がった。


「わたし、日本語大丈夫です!」

女囚達の中から165cm位のブロンドヘアーの女の子がこちらに向かって歩いてくる。

スラッとした体形でブルーのブラウスに紺色のデニムを履いて黒いロングブーツを履いていた。

ロングヘアーでとても可愛らしい顔をしている。

アメリカのドラマ ❝スーパーナチュラル❞ に出演していたYasmeene・Ballによく似ていた。


「わたしの名前はリリアって言います。」

「わたしは16歳でリトアニア出身なんです。」

「わたし達、やらなければならない事があります。」

「この建物の奥に収容所の司令室があるんです。」

「そこを破壊しなければなりません?」

とまだティーンエイジャーの割には落ち着いた口調で過激な事を言う彼女。


「あっちに武器庫があったわ。」と美由紀が言った。

「じゃあ、みんなで武器を取りに行きましょう!」と言いながらリリアが英語で他のジーパンレディース達に指示を出した。

40人のジーパンレディース達は一斉に武器庫に向かって走り出した。

そんな彼女達を待つわたし達。

暫くすると、マシンガンやライフルで武装した彼女達が戻って来た。

胸元には筒型の手榴弾を幾つも差し込んでいる。

皆、つい先ほどまで囚人だったとは思えない迫力があった。

さしずめ現代版のアマゾネスと言った感じだった。

リリアの指示で180cm近い大柄な女性4人が先頭に立って歩き出した。

勝手のわからないわたし達はリリアの両脇を固めた。


独房の集まった部屋を出て進むと隣の建物に通じる廊下に出た。

すると向こう側の扉が開き、武装親衛隊の兵士達が出てきた。

❝パパパパパパパパッ!❞

❝バババババババッ!❞


先頭の4名のジーパンレディースがいきなり彼らに銃撃を加えた。

瞬く間に4名の兵士がバタバタと倒れた。

更に建物内に退却しようとした4名の兵士の背中を狙い撃ちにする彼女達。

❝パパパパパパパパッ!❞


背中を撃ち抜かれた兵士達は折り重なるようになぎ倒された。

それを見て親指を立てるジーパンレディース達。

どうも彼女達は戦闘に慣れているようだった。

もしかしたら、このジーパンレディース達はホンモノのテロリストなのかもしれないと悟ったわたし。

❝これは面白くなってきた。❞と思った。


建物入口に累々と築かれた死体の山を踏み越えながら、わたし達は司令室内へと突入した。

❝ババババババババッ!❞

❝ズドドドドドドドッ!❞

❝パパパパパパッ!❞

❝ズッヴォーン!ドゥッカーン!❞

凄まじい銃撃と爆発によってカオスの状態になった。

そんな中、冷静なリリアがマシンガンを構えてやって来た。








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