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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第134話・わたし達の収容所襲撃作戦

 前回のトリップからあっと言う間に10日間が経った。

また前回と同じように、駅前駐車場の地下3階の一角にわたし達は集まった。


❝ヴオーン!ヴオーン!❞

バイクのエンジン音が鳴り響き、3人の白バイ女子が颯爽と現れた。


「こんにちは~!」

わたしが挨拶すると彼女達も軽く会釈してくれた。

「この前は、わたし少し弱気になってました。」

「でも、今日は頑張ります!」

と力強い言葉が正美の口から飛び出した。

それを聞いて安心するわたし。

「そうよ!今日は前回以上の冒険になるんだから。」

とわたしが応えていると、彼女達は早速ジーパンに履き替えるためにトイレに向かった。

今日は街破壊ではないから、あえてジーパンに履き替える必要はないのだが、ジーパン&ブーツインスタイルはジーパンレディーの基本である。


「準備オッケーですよ!」と正美達が戻って来た。

「宜しくお願いしま~す!」と2人の後輩、奈美江と美由紀がペコリと頭を下げた。

わたしはすぐに手鏡を取り出して呪文を唱える。

緑色の閃光と共に扉が出現し、みんな中に入った。

そして、わたしは6ヶ月前のドイツの強制収容所を強くイメージした。

次の扉を開けると、そこは暗い森の中だった。


いつもと違って木々も普通のサイズである。

でもわたし達的には少し大きさを感じた。

うっそうとした森の向こうに明かりが見える。

「ここってどこなんですかね?」と美由紀が不安そうに尋ねる。

「ドイツ国内のはずなんだけど・・。」とわたし。

暫く明かりの方に向かって進んでいくと、いきなり有刺鉄線の柵に行き当たった。

「何よこれ?」

正美がそう言いながら木製の支柱に足を掛ける。


この有刺鉄線の柵は高さがわたし達の胸位だった。

恐らくこの世界では2m位あって、囚人が逃げ出さない程度の高さだったようだ。


「こんなもの、エイッ!」

❝グイッ!❞

正美が力任せに杭を蹴り倒した。

奈美江と美由紀もそれぞれ1本づつ杭を足で押し倒して邪魔な柵を取り除いた。

そして、そのまま進んでいくといきなり開けた場所になった。

その先には更に高いフェンスが設けられていて、その敷地内にはバラックのようなトタン板の小屋が幾つも並んでいた。

100m近いフェンスの両サイドには機関銃を備えた監視塔があり、警備兵が辺りを監視していた。


「やっぱり、ここって収容所みたい。」

「ここに囚われている人達を救い出すのよ。」とわたしが今回のミッションを説明する。

わたしの言葉に大きくうなずく3人だった。


「どうやって中に入ります?」と美由紀が尋ねる。

「せっかくだから、正面から行こうかしら。」と応えるわたし。

下手にここからフェンスを壊して入ろうとすれば大騒ぎになるから、むしろ見慣れない制服姿の女子3人組が正面ゲートからアプローチした方が面白そうだと感じた。


「撃ち殺されたりしないから大丈夫よ。」

と念を押すわたし。

そこでわたし達は森の中を迂回して正面ゲートに向かう事にした。

しばらく森の中を進むと、監視小屋と機銃陣地が設置された正面ゲートが見えてきた。

すると突然❝ガサガサッ❞という物音がした。

何やら話し声が聞こえてくる。

どうやらパトロールの兵士がこちらに向かってやって来るようだった。

茂みに隠れて見ていると2人の若いドイツ兵が森の中の小道を歩いてくる。


「とりあえず、アイツらを始末しなきゃ。」

わたしがそういうと、3人が身をかがめた。

2人がちょうどわたし達の前を通過した瞬間だった。

❝バサバサバサッ!❞

2人の背後に躍り出たわたし達4人は、いきなり彼らに襲い掛かった。

正美と美由紀が1人づつ彼らを羽交い絞めにする。

シルバー手袋をはめた右手で顔を押さえつけて背中に膝蹴りを加えた。

一瞬のことで声も立てずに気絶する2人。


「うわァ、ちっちゃな子達!」と思わず奈美江がつぶやく。

それもそのはずで、彼らの身長はわたし達のおへそより少し上位だった。

だから文字通り赤子の手をひねるくらい簡単に倒せた。


「わたし、男の人を倒したのって初めてェ~!」と興奮気味の美由紀。

「わたしも、なんかドキドキしてる。」と正美も顔が紅潮している。


わたしと違って普段から武道で鍛えている彼女達だ。

後ろから襲い掛かる動作も非常に自然で美しい。

「トドメを刺さなきゃ!」

と言って美由紀が片方の男の顔を踏みつけようとした。

すると正美が制止する。

「ダメよ!殺しちゃ。」

「わたし達のこのサイズで踏みつけたら、この人達本当に死んじゃうかも。」

と以前の優しい彼女に戻っていた。

「分かりました、じゃあ起きないようにもう一発。」

「えいっ!」

❝ヴァスッ!❞

残念そうな表情で美由紀が顔を踏み潰そうとしていた足で、この男の腹部に一発ストンピングを喰らわした。

「ウッ!」とわずかに声を上げた男だったが完全に気を失った。

「それじゃあ、わたしも。」

❝ドスッ!❞

そういって奈美江がもう一人の男の脇腹に一発、ブーツ蹴りを打ち込んだ。


気絶した2人が所持していたオートマチックの自動小銃を奪い取るリリンズ。

正美と美由紀がそれぞれマシンガンを構えて歩き出した。

いよいよ収容所襲撃作戦の開始である。















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