第131話・これがわたしの総仕上げよ!
正美が握りしめている潜水艦バットの威力は絶大だった。
渾身の力で叩き付けられた水雷艇は爆発炎上して瞬く間に沈んでいった。
「もう一発!」
「それっ!」
❝ヴォッカーン!❞
❝ジュボジュボジュボジュボ!❞
更にもう一隻の水雷艇を血祭りに上げる彼女。
もはや猛り狂った巨大女を止める術は無かった。
残った6隻の水雷艇は反転して離脱しようとしていた。
「待ちなさい!」
「逃がさないからね!」
❝ヴォヴォーン!❞
手前にいた水雷艇に両手の潜水艦バットで思いっきり殴りつけた正美。
艦首と艦尾に直撃を受けた船は真ん中から真っ二つに割れて火柱を上げた。
「やったね!」
顔を海水で濡らしながら微笑みかける彼女。
正義感の強い彼女にとって、敵となった相手には悲惨な結末が待っていた。
それが交通違反の相手だろうが、小人サイズのナチスドイツ軍だろうが徹底的に痛めつけないと気が済まない性格が露わになってきていた。
彼女が手にしていた2隻のUボートは艦中央部で折れ曲がり、艦体はベコベコの状態になっていた。
「何よこれ、使えなくなっちゃったじゃない!」
そういうと逃げ出そうしていた水雷艇群に向かって、まるでブーメランのように2隻同時に投げつけた。
❝バシャーン!ヴォッカーン!❞
❝ズヴォズヴォズヴォズヴォ!❞
並んで航行していた水雷艇の内3隻に命中すると大量の魚雷が爆発を起こし、一瞬で海面上が火の海となった。
「いい気味だわ!」
❝ジャヴォーン!ジャヴォーン!ジャヴォーン!❞
不敵な笑みを浮かべながら、火の粉が飛び散る海面をお構いなしに大股で進んでいく正美。
あっと言う間に生き残った水雷艇に追いつくと、そのまま跨いでしゃがみ込み、艦首を握りしめたまま股間に挟み込んだ。
「わたしのジーパンで押し潰してやる!」
❝ギュリギュリギュリ!❞
ジーパンに包まれたムッチリとした彼女の太ももが、艇中央部を覆い尽くし容赦なく締めつけ始めた。
艦橋に煙突に機銃座に魚雷発射管に、あらゆる構造物が粗いジーパン生地をこすり付けられてグチャグチャにこそげ落とされていく。
そこに乗り組んでいる乗組員もろとも海中に散り散りになって砕け散っていった。
「わたしをオンナだと思って舐めないでよね。」
散々股間でシゴキまくってグシュグシュになった船体はブクブクと音を立てて沈んでいく。
わずか5分程の間に7隻の水雷艇が海のもくずと消えた。
残りの1隻も正美に捕まるのは時間の問題だった。
「わたしから逃げられると思ってんのかよ!」
そう吐き捨てながら更に大股で歩き、わざと足を高々と持ち上げては思いっきり踏み下ろす彼女。
❝ヴォッシャーン!ヴォッシャーン!❞
凄まじい波とうねりが起こり水雷艇は航行不能に陥った。
❝ジャボーン、ジャボーン、ジャボーン!❞
海面のうねりで揺れる艇まで追いつくと、右手で軽々と持ち上げた彼女。
忌々しさと怒りで艇を握りしめた彼女の巨大な手が煙突をグシャリと握り潰していた。
わずか50cm程の小振りな船体を右手に握りしめたままブンカーの方に向かって歩き出す。
❝ジャヴォーン!ジャヴォーン!ジャヴォーン!❞
「君たちにお土産を持ってきたわ!」
「それっ!」
❝ジュヴォッ、ヴォッカーン!❞
❝ジュヴォ~!❞
まだ無傷で残っていたブンカーの1つに無理やりへしゃげた水雷艇の船体を押し込んだ彼女。
中に係留されていたUボートの船体を押し潰しながら魚雷が誘爆し炎が噴き出してきた。
「こんな基地、2度と使えないようにしてやる!」
❝ヴォコッ!ヴォゴッ!ヴォゴッ!❞
そう叫びながら、足元の残ったブンカーにシルバーブーツのソールを打ち込む彼女。
ガッチリとした巨大なヒールがブンカーのコンクリートを粉々に踏み砕き、崩れ落ちてきた土砂が中の潜水艦を埋め尽くした。
潜水艦基地のある要塞化された山は変形して土肌がむき出しになり、山中にボコボコと無数の靴跡が残されていた。
そして海面は撃沈された多くの艦艇の残骸と重油とで火の海と化し、潜水艦基地ブンカーは徹底的に踏み潰された上に踏み固められていた。
「わたしをオンナだと思って馬鹿にしてると、こうなるんだから。」
「いいこと!よ~く覚えておきなさい!」
破壊の限りを尽くした正美は満足そうな笑みを浮かべながら後輩達の方に振り返った。
彼女達はちょうど倉庫群を破壊したところだった。
「そっちはど~お?」
「わたしの方は片付いたわ!」
正美が呼びかけると後輩の2人もニッコリとしながら振り向いた。
「わたし達の方も大分やっつけましたよ。」
「あとは、街をぶっ壊すだけです。」と奈美江が応えた。
「わたしも随分たくさん殺しちゃった。」
「犠牲者を出さないで任務を果たすのはやっぱり無理かも。」と正美。
「そうですよ、先輩の言う通りです。」
「わたし達もかなり殺しちゃいました。」と美由紀が応えた。
「それじゃあ、街に行ってみんなでもうひと暴れしなくちゃね!」と言いながらこちらに向かって歩き出した正美だった。
既に焦土と化した港湾施設一帯と山間部を背に、4人の巨大お姉さんが街を見下ろしていた。
「ここは律子さんも手伝ってくださいね。」と正美が言った。
わたしも、もちろんそのつもりだった。