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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第13話・わたしの破壊力

 ドイツ軍部隊を蹴散らしたわたし。

今度はこの大都市の破壊を始めようとしていた。

わたしにとってはこんなにビルが数多く建ち並んでいる所で暴れるのは初体験だ。

なので思わず舌なめずりをしてしまう。

「どのビルからぶっ壊そうか迷っちゃうな・・。」

そういえばわたしの足元に並んでいるビルにナチスの旗が掲げてある。

「とにかく、ナチの建物は全部壊さなくちゃ。」

そしてちょうどわたしの正面に細長いナチスの旗が3本掲げられた大きめのビルがあった。

高さはちょうど1mくらい、彼らの尺度だと100m以上はある25階建ての高層ビルだ。

「よ~し、まずはこのビルからぶっ壊してやろう。」

見たところビルの中にはまだ大勢の人がいる。

しかしそんな事はお構い無しにこの建物の破壊を決心したわたし。

そしてわたしはこのビルに向かって優しい口調で話しかけてみる。

「このビルのみなさ~ん!」

「今からわたしのブーツがお邪魔しますねぇ!」

そういうとわたしは両手でビルの天井をしっかりと押さえつけた。

そしていきなり右足のブーツのつま先を20階の一番左端の窓のあたりに狙いをつけて突き刺した。

「えい!」

❝ズブッ!❞

更にわたしは無理矢理ブーツをめり込ませていく。

「ほらほら~!」

❝ズボズボズボッ!❞

窓とその周りの外壁を突き破ったわたしのブーツのつま先が、10mほどフロア内にめり込んだ状態で止まった。

「わたしのブーツがこんにちは!・・みたいな。」

次の瞬間、わたしは思いっきりブーツを右方向になぎ払うように滑らせた。

「それ~!」

❝ズズズズズズッボーン!❞

わたしのブーツがビルの窓や外壁をメチャメチャに粉砕しながら反対方向に突き抜けた。

わたしがあまりにも凄まじいスピードでブーツを滑らせたから掲げられていた3本のハーケンクロイツ旗は真ん中から引きちぎれて吹き飛んだ。

ベージュ色の綺麗な高層ビルは20階のフロアの外壁が剥ぎ取られたような無残な状態になっていた。

「またまたお邪魔しますねぇ~!」

そういうと今度は15階の右端の窓付近にブーツを突き刺した。

そしてさっきと同じように反対方向になぎ払うように滑らせる。更に10階付近に突き刺し、その次は5階付近に突き刺して各フロアの外壁を窓もろともメチャクチャに破壊しながらブーツを滑らせた。

ビルをただ壊すだけではつまらない。

なので、わたしは面白半分にブーツで何度もこのビルを切り裂いてやった。

そしてこうつぶやくわたし。

「そろそろトドメを刺さなくちゃネ。」

そういうとわたしは1階の正面玄関に再びブーツを突き刺した。

「えい!」

❝ズボッ!❞

そしてそのまま思いっきり蹴り上げた。

「それ!」

❝ズッボーン!❞

わたしのブーツが各フロアを打ち砕きながらビルを縦に切り裂いて天井を突き破った。

そして蹴り上げた足を今度は残ったビルの天井に渾身の力を込めて打ち付けた。

「えーい!」

❝ボッヴァーン!❞

わたしのブーツのヒールが天井を直撃し、凄まじい轟音と共にこのビルを倒壊させた。

追い討ちをかけるようにわたしは残ったビルの残骸を踏み砕く。

「これでもかっ!これでもかっ!」

❝ザクッ!ザクッ!ザクッ!❞

モクモクと凄まじい粉塵の煙が巻き起こり、わたしの黒いロングブーツはホコリで真っ白になった。

「やったネッ!」と両手でガッツポーズするわたし。

「ビルの壊し方っていろいろありま~す!」と得意げに叫ぶ。

更に腰のあたりに手を当てながらため息まじりにこうつぶやく。

「わたし、ちょっと疲れちゃったかも・・。」

そういうとわたしは後ろに建っていた15階建てのビルにゆっくりと腰掛けてみる。

「ちょっと、ごめんなさ~い!」

わたしのジーパンがビルの天井を覆い尽くした。

❝ズズズズズズッヴォーン!❞

「きゃあ!いやだっ、もう!」

さすがにわたしの体重に耐えられなかったみたい。

わたしはこのビルを押し潰しながら更にその後ろに建っていたビルをも巻き添えにしながら尻餅をつくようにして倒れこんだ。

もの凄い煙が立ち上りわたしは粉塵まみれになった。

「ビル街で暴れるのって、マジで楽しいかも!」

いつものように戦車隊を踏み潰すのとは違って、ビルの破壊は全身で体感できるからわたし的には気分爽快だ。

「わたし、まだまだ壊し足りないみたい!」

「なので~、わたしの気が済むまで、もうひと暴れさせて頂きま~す!」

「いいこと!とにかく、ナチのビルはわたしがみ~んなぶっ壊すんだから!」

そう叫んだわたしはナチの旗が掲げてあるビルに狙いをつけては強烈なブーツ蹴りを打ち込んだ。

❝ジュヴォッ!!❞

ビルの真ん中を思いっきり蹴りつけたり、天井に一旦足をのせてから一気に踏み潰したり、ブーツの靴底を見せながら蹴り崩したり、もうやりたい放題のわたし。

細身の高層ビルには回し蹴りを喰らわせてやった。

「え~い!」

❝ドゥッカーン!❞

わたしはあっと言う間に7棟のビルを粉々に破壊した。

「次にわたしに壊してもらいのはどのビルかなぁ~?」

「これかな!」

そういうとわたしは足元の10階建てのビルに両手を広げて抱きついた。

そしてビルを丸ごと抱え込むようにして引き抜いた。

「そ~れっと!」

❝バリバリバリバッゴ~ン!❞

ビルを抱え込んだわたしはそのまま頭の上まで持ち上げた。

そしてあたりを見渡しながらこう叫んだ。

「これは~、わたしりんりん律子からのプレゼントで~す!」

「そ~れっ!」

❝ドゥッガ~ン!ヴォヴォ~ン!❞

わたしは持ち上げたビルを手前のビル郡に向かって投げつけた。

直撃を受けた3棟のビルが完全に崩壊した。

「よし!」と再びガッツポーズを決めるわたし。

わたしの足元はメチャメチャに破壊されたビルの瓦礫と立ち上る粉塵の煙とで凄まじい有り様になっていた。

その惨状を見つめながら満足そうに微笑むわたし。

すると右手のビルの最上階から閃光が走るのが見えた。

「何かしら?」と覗き込むわたし。

どうやらわたしが壊しそびれたナチスのビルから、わたしに向けて機銃を撃ってきているようだった。

そんな彼らをちょっとイジメてみたくなったわたしだった。



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