第124話・わたし達、白バイ女子だってツバくらい吐きます!
正美がドックの方で任務を果たそうとしているわずか十数分の間に、停泊していた艦船の半数以上が巨大白バイ女子の2人によってへし折られ、踏み千切られた無残な姿で軍港内に沈められた。
更に桟橋の倉庫群の前にはペシャンコに踏み潰された駆逐艦が横たわっている。
もはや艦橋や煙突は押し潰されて原型をとどめず手すりや機銃、砲塔は全てそぎ落とされていた。
船体中央部にはグシャリと踏みつけた靴跡が残り、靴底の細かい互い違いのライン模様がくっきりと刻みつけられていた。
「あと3つだけになったわね。」と残った3隻の駆逐艦を指さす奈美江。
「じゃあ、まずはコイツからいきますか!」
そういって美由紀が1隻の駆逐艦に手を掛けて持ち上げた。
長さは1m程である。
そして2人はまじまじと艦橋の中を覗き込んだ。
甲板や銃座に居た水兵達は慌てて艦橋内や船体の中に逃げ込んだ。
そんな光景を見ながら、わたしはすかさず彼女達にささやきかける。
「司令塔にツバでも引っ掛けてやんなよォ!」
わたしの言葉を聞いて思わず笑いをこらえながら顔を見合わせる2人。
「それじゃあ、わたしからいきま~す!」
そういうと奈美江が艦橋の窓の部分に直接唇をぴったりと押し付けた。
窓ガラスに彼女のピンク色の唇がベッタリとひっつき、やがてパリパリと音を立てて割れ始めた。
すると彼女は口の中に溜めていた唾を窓越しに艦橋内に流し込んだ。
❝チュルチュルジュルジュル~!❞
艦橋内はたちまち白く濁った泡状のツバ液で満たされた。
「うわァ~、わたしのツバで中の人が溺れそう。」
とニヤつきながら船体を揺らす彼女。
「次はわたしの番よ!」と美由紀が艦橋に巨大な顔を近づける。
そして泡でヌメッた艦橋窓手前で唇を尖らせたかと思ったら勢いよく唾を吐き掛けた。
「べッ!!」
美由紀の口から吐き出された白濁色の唾の塊が、艦橋にもろに命中し艦橋の根元に向かってドロ~リと滑り落ちていった。
更に口の中に残留した唾を洗いざらい追加で吐き掛ける彼女。
「ペッぺッぺッ!」
「やったねェ~!わたし達の唾が中でミックスしてるよォ。」
と嬉しそうな表情をする美由紀。
奈美江は面白がって船体を左右に揺らす。
すると艦橋内に流し込まれ、吐き掛けられた大量の女子唾が船体内に流れ落ちていった。
そんな阿鼻叫喚の船内に向かって追い打ちをかけるように息を吹き掛け始める2人。
「フゥ~!フゥ~!」
「あァ~、わたし達のツバが乾き始めたみたい。」
「もっと息を掛けなきゃ。」
と美由紀が一生懸命に息を吐き掛ける。
更に奈美江も負けじと艦橋窓にできるだけ顔を近づけては息を吐きだす。
「ハァ~!ハァ~!」
生温かい女子唾で満たされた艦橋内に生臭い強烈な白バイ女子の息が吹き込まれた。
ネットリとしたツバはたちまち泡状に乾燥しはじめて“ツ~ン”とした凄まじい唾臭を放ち始めた。
艦橋内に逃げ込んだ十数名の兵士達と艦長らは巨大女子の唾臭と口臭によるダブル責めをたっぷり味わうハメになった。
「なんか、だんだん臭くなってきたみたい。」
「わたし達のミックス唾が臭ってるのかなァ?」と奈美江がつぶやいた。
「中の人達って、かなりカワイソ~って感じかも。」と美由紀が答える。
「そろそろイジメるのもこのくらいで止めてあげよっか?」と言いながら奈美江が艦橋を右手で“ギュッ”と握りしめながら引っ張った。
「えい!」
❝グシュッ!❞
見事に船体から引き千切られた艦橋は奈美江のシルバーロング手袋の中にすっぽりと収まっている。
「トドメよ、それっ!」
❝グチュッ!❞
一瞬で握りつぶされた艦橋から、中に溜まった女子唾が噴き出して彼女の指の間からうっすらとにじみ出てきた。
「やだァ、わたし達のミックス唾が手に付いちゃったじゃない!」
と握りつぶされた艦橋を地面に投げ捨てると唾で汚れた手袋をジーパンで拭う彼女。
そして美由紀は引き剥がされた艦橋の根元部分をまじまじと見つめている。
そこには大きな穴が開き船内がよく見えた。
「ここから中が見えるよ!」と言いながら更に艦橋後方の2本の煙突も無理やり引き抜く彼女。
❝ジュヴォ!ジュボッ!❞
「ホントだァ、中にまだ人がたくさん居そうだわ。」
「ほじくり出しちゃおうか?」と言いながら奈美江が人差し指を船内に突っ込んで掻き回し始めた。
美由紀は煙突を引き抜いた部分から指を突っ込んで中をまさぐっている。
❝シュヴォ~!❞
美由紀が指を突っ込んでいた部分とその後方の煙突跡の穴から一瞬炎が噴き上がった。
「ウワッ、ヤバイかも!」
そういいながら顔を見合わせて笑い出す2人。
「ねえ美由紀、そろそろコイツら絞り出しちゃおうよ!」
と言いながら奈美江が船体前方を両手でシッカリと握りしめた。
美由紀も中央から後方の部分をガッチリと掴んでいる。
「せ~のォ!」
「エイッ!!」
❝グジュ~!!❞
❝ギュリギュリギュリ~!❞
悲鳴にも近い鋼鉄のヘしゃげ曲がる音と共に駆逐艦の船体が巨大女子2人の4本の腕によって絞り上げられた。
そして地面に投げ捨てられた。
❝グッシャーン!❞
まるでボロ雑巾のようにねじれた状態になった船体には彼女達が掴んでいた手形と指の跡がくっきりと残っていた。
「わたし達って凄くないですか?」(奈美江)
「わたし達の女子力見たかよっ!って感じですよねえ。」(美由紀)
「アッハッハッハッ!」
とわたしに向かって笑いだす2人だった。