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巨大ヒロイン・ジーパンレディー律子  作者: スカーレット
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第12話・わたし、もっと踏み殺したいの!

 小さな町を襲ってから一週間が経った。

わたしも精神的に完全に立ち直っていた。

次のトリップまであと3日、そろそろ心の準備をしなければ。

今度はどんな格好で暴れようかなぁ、なんてワクワク感を募らせるわたし。

ジーパンと手袋はいつものを使うとして、ブーツは最近履いていない黒のロングブーツにしよう。

5年くらい前に購入したこのブーツ、そのあと買ったダークブラウンのブーツが気に入っていたから最近すっかりご無沙汰~って感じ。

特に特徴のないシンプルでプレーンな感じのこのブーツ。

筒丈が42cmとちょっと長めだったので購入。

筒が長いと美脚に見えるから好き。

ヒールは6cm丈でかかとの幅と同じ太さなのでシッカリしていて破壊的。

この間試してみた“かかと落とし”では一撃でビルを粉砕できたからこのブーツならうってつけだ。

履き口がくびれているデザインで筒の外側には縦に4本のストライプが入っていて美しく、内側にはファスナーが付いていて靴底は滑りにくいゴムソールになっている。

靴底模様は楕円形の溝の内側が互い違いのギザギザ模様で外側がストライプ状の細い線が入っている。ヒールの方はギザギザ系の波打ち模様だ。

今度はこのブーツで思いっきり暴れてやる。

そしてこのブーツの靴跡を無数に刻み付けてやる!そんな思いがわたしの中を駆け巡った。

そしてこの間下北沢の古着屋さんで見つけたGジャンだ。

これはなかなか良い!

ジーパンレディーのわたしとしてはこのジーンズのジャケットは外せない。

色はダークブルー系でかなりの使用感があり全体的に色落ちが激しくてわたし的にはイイ感じだ。

わたしの上半身へのフィット感もよく胸ポケットが左右にあり、そこからウエストにかけて太めのラインが2本づつ入っている。

継ぎ目はオレンジ色の糸で刺繍してあるから色合いもグッド。

しかも袖周りが細めなのでロング手袋にインしてもモコモコにならずに収まりがよい。

この色合いのGジャンならわたしのロング手袋も映えまくる。

Gジャンの下には赤系のチェック柄のシャツを着て裾は出しっぱなしにする。

このGジャンを着て、いつものスキニージーンズを履いて黒いロングブーツにアイボリーのロング手袋をはめれば完璧なジーパンレディーのできあがり!

「あ~、早くこの格好で暴れたい!」

今度はもっと大きな都市で暴れるつもり。

だから林立するビルを手当たり次第に思いっきりぶっ壊してやりたい!

そんな事を妄想しながらわたしはトリップデーを心待ちにしていた。

そして遂に10日目になった。

いよいよ今日も破壊の女神となってナチスを根絶やしにしてやる。

そんな思いを募らせながら、わたしはいつもの公園に急いだ。

そして、いつものように誰もいない夜の公園で儀式を始めるわたし。

グリーンの閃光と共に扉の中に入ったわたしは“できるだけ大きなナチスの町に行けますように。”とイメージした。

次の扉を開けるとかなり大きな都市の中心部にやって来たのがわかった。

わたしは高まる鼓動を抑えきれずに“ひょいっ”っと軽くジャンプして地面に降り立った。

❝ズシーン!❞

凄まじい大音響と共に両足で着地したわたし。

足元の道路は深く陥没してひび割れを起こしている。

「はぁ~い!こんにちは!」

「わたしはジーパンレディーりんりん律子で~す!」

「わたし、今からこの街を徹底的に破壊します!」

「だから一般市民の皆さんは早く避難してくださ~い!」

わたしは笑顔で街中に向かって叫んだ。

わたしが立っているのは町の中心のようだ。

見たところ50m四方くらいのかなり大きな都市の真ん中に立っているわたし。

この間の町と違って足元には10階建て以上のビルがいくつも林立している。

住宅街ははるか向こうの方にかすかに見えた。

それにしてもわたしの身長は160m以上だ。

あまりにも巨大なわたしだから林立するビル街を見渡す事ができた。

高層ビルといっても高さはせいぜい50~60cmくらいでわたしの膝くらいの高さだ。

一番高そうなビルでも1mくらいだから壊すのにはちょうど良い大きさだ。

わたしはヒザに両手を置いて少しかがみ加減の姿勢になってあたりを見渡してみた。

すると例のナチスの旗を掲げたビルがいくつもあった。

「ここがナチの本拠だな~、よ~し、どのビルからぶっ壊してやろうかしら。」

「その前に戦車隊とか来ないかなぁ。」

大暴れする前のちょっとしたウォーミングアップをしたいわたしであった。

立ち上がって腰のあたりに両手を当てていつものように仁王立ちになって街中を見下ろすわたし。

少し様子を見ていたらわたしの期待通り前方から数十両の戦車隊と歩兵部隊が前進してくるのが見えた。

そこでいつものように叫ぶ。

「すみやかに、わたしに降伏しなさい!」

「抵抗しても無駄よ!」

「わたしに逆らう気なら、いいこと!覚悟しなさい!」

そんなわたしの言葉を無視するように先頭の戦車が発砲を始めた。

「こうなったら、全員わたしのロングブーツで踏み潰してア・ゲ・ル!」

❝ズシーン!ズシーン!ズシーン!❞

戦車隊のところにやって来たわたし。

右手の人差し指を唇に当てて指先を少し舐める仕草をしながらこういった。

「わたしに逆らう悪い子はどの子かなぁ~?」

「わたしに逆らう悪い子はこの子かなぁ~!」

「え~い!」

❝ズシ~ン!❞

少しおどけながら先頭の戦車を容赦なく踏み潰すわたし。

❝ズリッズリッ!❞っと思いっきり踏みにじってやる。

「それとも、この子かなぁ~!」

❝ズシ~ン!ズリッズリッ!❞

2両目の戦車を餌食にしたわたしのブーツはもう止まらない。

「え~い!それそれ~!ファイト、ファイトォ~!」

❝ズシ~ン!ズシ~ン!ズシ~ン!❞

「わたしに逆らうなんて、悪い子だぞ~!」

「え~い!」

❝ズシ~ン!ズリッズリッ!❞

小刻みに一両一両しっかりと狙いを定めて踏み潰すわたし。

踏みつけるたびにブーツを“グリッ”と半回転させて踏みにじる。

十数両をあっと言う間に踏み潰したわたしは残った戦車隊を歩兵部隊もろともブーツのつま先で次々と蹴り飛ばしていく。

❝ズコ~ン!ズコ~ン!ズコ~ン!❞

そして、ちょっと強い口調でこう叫んでみるわたし。

「あなた達!わたしが怒るとコワイってこと知らねぇ~のかよ~!」

わたしのブーツに次々と吹き飛ばされるタイガー戦車。

30両ほどいた戦車隊はわずか5分ほどで全滅し、わたしの足元には数百名のドイツ兵達が逃げ惑っていた。

「あらあら、わたしから逃げられと思ってるのかなぁ・・?」

「って言うか、わたし、甘くないの! だからわたしはこうするの!」

「えい!えい!え~い!」

「それ!それ!それ~!」

掛け声と共に容赦なく兵士達を踏み殺すわたし。

「もっともっと殺してア・ゲ・ル!」

ちょっと色っぽい口調のわたし。

最初は数名づつブーツのつま先で踏み殺していたわたし、でもそのうちに面倒になってきたので数十名づつまとめて踏みにじってやった。

「ほらほら~、わたしのブーツがイイ感じ!」

そういってドイツ兵達をブーツでいたぶり続ける。

❝ズリズリズリ~ッ!❞

兵士達の群れに狙いをつけて思いっきり踏みつけたり、軽~く踏みつけてから半円を描くようにブーツを滑らせたり、とにかくブーツの靴底を通して大勢の命を奪っている事が伝わってきた。

「もっともっと殺してやる!」

わたしは足元の大虐殺を見つめながら冷静そのものだった。いや、むしろ楽しんでいた。

「女の戦士のわたしにとって、ロングブーツは基本よネ~!」

「イェイ!イェ~イ!」

❝ズシ~ン!ズシ~ン!❞

あたり一面わたしのブーツの靴跡で埋め尽くされた。

そしてブーツの靴底のギザギザ模様の中に無数の潰されたドイツ兵の遺体がへばりついていた。

ナチスの兵士を踏み殺す事に罪悪感は全くなかった。

むしろ憎しみをむき出しにしてわたしのブーツが襲い掛かる。

「いい気味!やったねって感じ!」

わたしは笑いながらロングブーツに包まれた右足で大勢のドイツ兵を踏み殺した。

「さあ、これからが本番よ!」

部隊を全滅させたわたしはビル郡をにらみつけた。









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