ナノマシンについて まとめ
ここまで、ナノマシンについてわらわらと書いてきましたが、これらはあくまで一例にすぎません。そもそもナノマシンというのはすでに提唱されている概念ではありますが、まだ世界に存在していないのです。つまり、SFがフィクションである限りこのような既存の技術を元にした考察に縛られる必要は全くないのです。
その代わりとは言い難いですが、仮にナノマシンを作中に登場させた場合、その形態によってその時代の技術水準を測ることができます。
例えば、黒葉がサイト中で投稿している「Astronauts ‐lim‐」には医療用のナノマシンが登場します。これは人間の臓器機能を肩代わりするものですが、寿命は一年しかありません。この場合、ナノマシン自体は有機分子の分子機械と、外部と通信するタグを併用していると思われ、寿命が一年しかないのは通信タグの経年劣化とかナノマシンの分裂の限界のせいだと考えることができます(実はこの企画をやるまで深く考えていなかった)。
つまり、この時代の技術ではナノマシンを活動させることはできても、一年以上の長期間活動はできず、手術の費用が高いために再度ナノマシンを入れることが困難であると思われます。よって、ナノマシンの技術は、作品中で主人公が言っていた通り「臨床実験」の段階だということがわかります。
これは他の技術にもいえることですが、ナノマシンを実際に実現させるためには様々な分野の技術が結集しなければなりません。作品に何気なく存在するナノマシンにも、語られないだけで開発まで様々な苦労があったのだということを、覚えていただけたら幸いです。
参考にしたサイトとか
・医学でポン
血管の種類|毛細血管ってやっぱり細い?毛細血管の直径について
http://www.igakude-pon.com/kekkan/0004.html
・科学技術振興機構(JST)
トランジスターの理論限界を突破 次世代省エネデバイス実現へ
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120613-2/
・ウィキペディア
・その他、各種大学の研究室のホームページなど(それぞれキーワードで検索すると割と出ます。意外とリンクは要相談の所が多いので記載しません)