始まり
作者は恋姫の、原作の知識が『ほとんど』ありません。
ほぼ勢いだけでできています。
それでもおkという方はどうぞ。
~常山のとある村~
ダッダッダッダッ
(やっと・・・やっと会えるんだ!)
その少年は走っていた。まだ五つにも満たないであろう子供である。
(速く、もっと速く!!)
彼が向かう先はどこにでもありそうな一軒家である。
(早く会いたい、)
彼は、その家の前に着くと勢いよく戸を開けた。
(僕の『妹』に!!!)
「母上!趙華さんの子供が産まれたって本当です――――」
彼が言葉を言いきる前に彼の母の拳骨が彼の頭に振り下ろされた。
「終!おまえは家の戸を壊す気か!」
彼は、終は痛む頭を押さえながら母の言葉を聞いていた。
「まったく、少しは落ち着け。
・・・子供が産まれたのは本当だ。」
その言葉を聞いて、終は頭が痛むのも忘れて母に聞いた。
「それで子供は、僕の『妹』はどこですか!」
「・・・その前に、本当に『妹』なのかは聞かないのだな。」
母にそう言われると終は顔に笑みを浮かべた。
「僕の『勘』は外れません。絶対に
『妹』です。」
終のその言葉を聞くと母はため息を吐いた。
「はぁ、いったいその自信はどこから湧いてくるんだ?」
「でも自信はないより有ったほうがいいと思うわよ。縁。」
奥の部屋から現れた女性は、そう言って終の母の、縁の隣に立った。
「趙華さん!」
「こんにちは、終君。」
趙華と呼ばれた女性は、終を見ると彼に微笑みながらそう言った。
「あなたの『妹』ならここにいるわよ。」
そう言って、趙華と呼ばれた女性は胸に抱いていた子供を終に見せた。
その子供は母親に似た蒼い髪をした女の子であった。
「この子の名は、なんというのですか?」
終はその子供を見ながら尋ねた。
「姓は趙、名は雲、字は子龍、真名は星よ。」
終が、その子供を、星を見ていると彼女は目を開けて彼に笑いかけた。
彼は、趙華に聞いた。
「この子を抱いてもいいですか?」
「ええ、いいわよ。」
そう言って、趙華は星を終に預けた。
終は、星を趙華から預かると彼女を落とさないようにしっかりと抱いた。
「どうだ、終。初めて子供を抱いた気分は。」
縁は、自分の息子に対してそう聞いた。
「・・・すごく、重く感じる。こんなに小さいのに。」
終は、星を抱きながらそう言った。
「それが、『命』の重さだ。」
縁は、星を抱いていた息子にそう言った。
「『命』の重さ・・・」
「そうだ、お前がこれから関わっていく大切なものだ。」
終は、顔をあげて縁を見た。
「人は、生きている限り必ず『命』と関わることになる。
それは、大きな力を持つほどに広く、深く関わっていくことになる。
終、おまえには才がある。きっと多くの『命』と関わることになるだろう。
だが、『命』と関わると言うのは決して楽なものではない。
出会う喜びもあれば、別れる悲しみもある。それは力を持つほどに大きくなる。
大いなる力には、大いなる責任が伴う。終、おまえには他を圧倒するほどの才がある。
その責任は、計り知れないものになるだろう。
それから逃げ出したくなるかもしれない。
もしかすると本当に逃げ出すかもしれない。
だがいいか終。どんなに辛くても、どんなに苦しくても、
自分の選んだ道だけは
守ると決めた『誇り』だけは、絶対に曲げないでくれ。」
そう言いきると、縁は親友の娘を抱いている自分の息子に向かって微笑んだ。
「まあ、こんな難しい話を今のお前にしてもわからないよな。」
彼女がそう言うと終は、頭に?を浮かべた。
「とにかくおまえは、これからこの子のお兄ちゃんになるわけだ。
『兄』になる以上それなりの責任が伴う。
終、おまえにその子を守り抜くことができるか?」
終は、縁の目をしっかりとみるとこう言った。
「必ず守り抜いて見せます。僕の真名にかけて。」
彼の名は仁竜、字を神王、真名を終。後に『三国之竜神王』と呼ばれる男である。