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君と、  作者: 大倉凛雨
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02:テレ屋

イライラしながら学校へ歩きだしたあたし。

自然と足が早く動いていたらしい。

いつもは追い付かないはずなのに、今日は追い付いてしまった。


誰に?って、そりゃ…


春樹だよ。



あー、なんか。

一緒に住んでる奴に声を掛けるんだっていうのに。


かなり緊張してます。



とりあえず、あたしはもう少し春樹に近づいてみた。


もう、ちょっと声を出せば聞こえる距離。



「――…春樹!」



躊躇いながらも、あたしはそう声を掛けた。

もしかしたら、無視されるかな?なんて思ったり。



そしたら、春樹が。


意外とすんなり、振り返った。



「何」


チッ。感じ悪いのは一週間から全然変わってない。



「お弁当!忘れてたよ」


「‥‥あぁ」



イライラを押さえ込みながら、精一杯平静を装ってそう言ったのに。


ありがとう、すら言わずにお弁当を受け取った春樹に。


ついにキレて。


「あん

「ありがと」

……………………は?」


怒鳴ってやろうと思ったら、予想外の言葉に、間抜けな声を出してしまった。



「は?って…なんだよ」


そう言って、春樹が右手で鼻のあたりを触る。

少しだけ顔が赤い。


あれ?


もしかして、こいつ


テレてんの?



「あー…。なんだ…」


「? なんだよ」


「そういう事ね」


「何が」


「春樹さ、今まで話さなかったのとか、テレてたからだったりする?」


「――っは!?」


ぼんっ。て効果音が聞こえてきそうな程、春樹の顔が真っ赤に染まった。


「図星か。」


「ちげぇよ!!何ひとりで納得してんだテメ…」


「わかった、わかった。落ち着きたまえ、少年」


「お前ナメてんだろ」


「ナメてないって。なーんだ、可愛い奴じゃんって思っただけ!笑」


「ナメてんじゃねぇかよ!うぁーマジムカつく!!」


春樹が怒鳴るように言った。



こうして。



意外にもすんなり。


あたしと春樹は仲良くなれたわけです。

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