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―SAKURA―  作者: あおい
7/7

1-4




私が布団に入ってもうかなり時間が経った。

それなのにルディさんもサイラスさんも、横にはなってはいるものの寝ている様子はない。

ジェイにいたってはあからさまに物音を立てたりして、起きてるぞアピールをしてるし


私が逃げないって言ったの、全く信用してないってわけですね。


こうなったら魔法使って力ずくで眠らせちゃおう。

なんて考えてた時…、




突然、遠くで気配を感じた



よく知っている人に良く似た、懐かしいこの気配


でも私の知っているものとは何かが決定的に違う。

………これは魔人種?


その気配の主はもの凄いスピードでこっちに近づいて来ている



「おい、これってまさか…」


ジェイが信じられないと言うようにつぶやいた


「この気配、誰だか知ってるの?」


ベッドから起き上がり、いつ襲われてもいいように身構えながら聞く


「ルディ」


「ええ、間違いないと思います」


自信が持てずにルディさんに確認したジェイだったけど、ルディさんもジェイと同じ人物だと判断したようだ


「なんでここに…。さくら、この気配はおそらく魔王のものだ」


ジェイがそう言った直後、私達の居た部屋の壁が吹っ飛んだ。

いやいやっ、なんで魔王がいきなり襲ってくるのよっ。



でもその侵入者はなんの動きもみせない。

相手の目的がわからない以上こちらから下手に動くわけにもいかず、そうして様子を見ている間にも、壁が壊された時に舞い上がった土煙が、だんだんとおさまっていく


そして土煙の中から現れた人を見て、私は驚きのあまり固まってしまった




「………っ、グレンっ」



「やっと会えた、リリア」


そう言って柔らかく微笑む笑顔も、風に揺れる銀色の髪も、私の記憶の中のグレンとなにも変わっていない。黒いシャツと黒いズボンがもともと色白だった肌をよりいっそう際立たせている


「久しぶり。ああでも、君にとってはそんなに久しぶりでもないか」


まだ煙の上がっている、さっきまで壁があった所に立ったまま私に笑いかける


「グレンっ、どうしてここにいるのっ?」


「どうしてって、君が眠ってた神殿の結界がとかれたから飛んできたんだよ。ここまで来るのに1日もかかってしまったけどね」


「そうじゃなくてっ、もうっ」


「言ったでしょ?必ず君を待ってるって。あいつとの最期の約束でもあったしね」


「だからって…、どうやって?」


だって今は200年後の世界なんだよ?200年間眠ってるなんて魔法は私しか使えない。

確かに私が眠りにつく時、必ず待ってるって言ってくれたけど…、本気で信じたりはしなかった。

無理な事だとわかっていたし、その気持ちだけで充分嬉しかったから



「魔王グレン…」


私とグレンの会話を聞いていたジェイが口を開いた


「やあ久しぶりだね、ジェイフォード皇子」


ずっと私を見つめていたグレンが、ジェイの方を向いて片手を軽く挙げて挨拶をした


「魔王って…、どういうこと?」


もう混乱しすぎてて頭が回らない。


「簡単なことだよ。人間に200年は長すぎるからね。だから魔人種になって君を待つことにした。

それに魔人種と人間が再び戦争を起こさない一番確かな方法は、俺が魔人種のトップに立つことだと思った。それだけだよ」


「それだけって…」


人間が魔人種になる方法なんてない。

…いや、正確には一つだけあると言われているが、その真否は誰も知らない。

なぜならその方法とは、絶対に不可能で実行出来た人がいないからだ


魔人種には「吸血種」という種族がいる。

吸血種とはその名の通り他の魔人種の血を吸うことで生きている、魔人種の中で最強だと言われている種族だ。


その圧倒的な強さゆえに、代々の魔王やその側近はみな吸血種であった


そして、あらゆる魔人種の血を吸った吸血種の血を100人分浴びると人間は魔人種に変化するという…



「君が色を取り戻して眠りについた後、昌がゼロになったおかげでしばらく魔法は使えなくなったからね。いくら最強の吸血種でも、魔法が使えなければ割といい勝負が出来たよ。まあ100人をほぼ同時に殺してしまわないと、せっかく君が成立させた戦争の終結が崩壊してしまうと思ったから…、それは少し大変だったかな」


いたずらが見つかった子供のような笑顔を浮かべ、なんでもなかったかのような軽い口調で言うグレン。



いくら魔法が使えなかったからって絶対にその戦いは、命がけなんて言ったら甘すぎるような、そんな戦いだったはずだ。

また魔人種の世界では、魔王を殺した者が次の魔王になるという慣例がある。だから無事に魔王となった後も、常に命を狙われ続けたはずだ



「どうしてそこまで…」


グレンが私の為にしてくれた事、その固い意志を理解した私は、嬉しすぎて今まで必死に堪えていた涙をもう止めることは出来なかった。

そんな私に向かってゆっくりと歩きながら近づいてくるグレン



そして、強く私を抱きしめた



「君を一人にしない為なら、どんな事だってするよ。逢いたかった…、リリア」




グレンの気持ちが嬉しくて、嬉しすぎて。


でも……



このまま抱きしめられていたい

グレンの優しさに何も考えずに甘えてしまいたい


そんな気持ちを必死に押し殺して、私を抱きしめている腕から離れる。

そして気持ちがちゃんと伝わるように、涙を堪えグレンの目を見つめて告げる


「本当に本当にありがとう。待っててくれたこと、すごく嬉しい。

でも彼が死んだ…、彼を殺したのが私にとっては数日前なんだよ…。だから今はグレンに甘えられない。甘えちゃったら、きっとそんな自分が許せないから…。


だからね、リリアって名前は200年前に置いてきたの。

今は私……さくらだよ」


「さくら、か」


哀しそうに、でも柔らかく微笑んでくれる優しい人


「名付け親はグレンだよ。神殿の周りの桜…、あんなに綺麗な景色は初めて見たから。

桜も、本当にありがとう」


あの景色を見た瞬間にわかってた。

私が目覚めて初めて目にするあの場所に、満開の桜を用意してくれたのはグレンなんだって。溢れるほどのグレンの想いをすごく感じたから



「ごめんね…」


グレンのそんな想いを、踏みにじってることはわかってる。

でも私は自分を必死に守ることでやっと立っていられてるから


「君が謝ることはなにもないよ。

ただ、俺はこれからさくらと一緒に旅をするから。それは譲らないからね」


優しく響くその言葉を聞いて、堪えていた涙が再び溢れ出した


「ありがと…、もういくら感謝しても…足りないよ」


私をさくらと呼んでくれた。

こんな私とまた一緒にいてくれる。


あの桜だけで充分すぎたのに……もう嬉しすぎて涙が止まらないよ





それから私が泣き止むまで、グレンはただ微笑んでずっと待っていてくれた


「こんなに泣いたの久しぶりだよ」


「なかなか珍しいものが見れて嬉しいよ」


泣いていた事が少し恥ずかしくて誤魔化すように言ったら、グレンもさっきまでの真面目な雰囲気ではなく、私をおちょくるようないつも通りの言い方になった



「彼らと一緒にいるということは、これから王都に行くってことだよね?」


これまでなにも言わず私達のやり取りを見ていたジェイ達に視線を向けるグレン。

するとジェイが気まずそうに口を開いた


「魔王グレン、話は聞かせてもらったからだいたいの事情はわかったが…、魔人種がこの国にいるのはまずいし、まして魔王となると…」


「ああ、わかってるよ。だからこれから俺はいったんあっちに戻って、魔王を辞めてくる。もう魔王なんて地位は邪魔なだけだからね。そしてこの国にいる間は魔力は一切使わない。もちろん魔人種の気配も完全に消す。それなら誰にもバレないから、問題ないだろ?」


「…そんなことができるのか?」


「やると言った事はきちんと実行するよ。

それでも問題だと言うのなら、ここで君達3人の口を塞がなければならなくなるね」


にこやかにそんな事を言うグレン。

懐かしいなー。柔らかい口調でサラッと怖いこと言うんだよね。しかも結構本気だったりするからタチが悪い。

でもそういうところも変わってなくて嬉しいな。


「こんなとこで殺されるくらいなら、知らないフリをするほうが断然いいな」


グレンが本気なのが伝わったのか、苦笑いを浮かべて答えるジェイ


「話が早くて助かるよ。じゃあさくら、出来るだけ早くあっちの後片付け終わらせてくるから、そしたら王都近くのノーウィルって街で落ち合おう」


「りょーかいっ」


昔と変わらず優しい笑顔をグレンが向けてくれたから、嬉しくて私も満面の笑みになる。

グレンはそんな私の頭を軽くなでると、ジェイ達には目も向けず静かに部屋のドアから出て行った





まだグレンが現れた事が信じられず、私はしばらく呆然とドアを見つめていた。

来た時と同じくもの凄い速さでグレンの気配が遠ざかっていき、もう気配を感じられないところまで離れると、緊張の糸が緩んだのかジェイがどさっとベッドに座り込む。

ルディさんもふーと深いため息をつき、サイラスさんは鋭かった目つきがほわんとしたものに変わった



「魔王グレンはお前の仲間だったのか」


「そうだよー。まあ私はグレンが魔王だった事の方が驚きだけどね。っていうか人間と魔人種との交流がちゃんとあったんだ」


あの戦争の後、お互いの行き来は完全に遮断されてるのかと思ってた。


「ああ、それはあのグレンのおかげだな。あいつが魔王に就任した後、二度と戦争を起こさない為に友好関係を築こうと当時の国王に持ちかけたらしくてな。それからは一年に一度、お互いの城に国王とその側近たちが交互に訪問しあう事になってる。俺はあっちに行った事はないが、魔王グレンがこっちに来た時に何度か会ったことがある」


「年に一度の表敬訪問か、なるほどー」


たとえ形だけにせよ、交流があるのとないのとでは大違いだもんね。さすがグレン。


なんて思ってたら、難しそうな顔をしたルディさんが口を開いた


「ですがジェイ、良かったんですか?魔王がこちら側にいる事を黙ってるなんて」


「あほか、ああ言ってなかったら俺達本当に殺されてたぞ。そうだろ?」


「あーまあね。グレンは手段選ばないから」


だから周りからは冷酷すぎるって恐がられてたっけ。

私がさらっと肯定したら、ジェイはほらみろって顔をして、ルディさんは少し青くなった


「な、ルディ。でもまあ心配するな、なんとかするよ」


ニヤっと悪そうな顔で笑うジェイに、ルディさんも諦めたような表情になる


「………腹減った」


ぽつりと呟いたのはサイラスさん。というか神殿出てから初めて口を開いたよ


「確かにな。なんか眠気も飛んじまったし、今夜は飲み明かすか」


「いいねー、飲み明かし賛成っ」


「そうですね。今日は世界に色が戻ったおめでたい日ですし」


「…飯が食えればなんでもいい」


まあ4人とも乗り気だって事で、とりあえずみんなで買い出しに行く事に。





こんな深夜にやっているお店なんてあるのか怪しかったけど、「1日中営業してます。たとえ週に1組のお客様しか来なくても…」っていう物凄くネガティブな看板を見つけた


お店の外観からして本当に営業中なのか怪しい程薄暗くてボロボロのお店だったけど、とりあえず入ってみることに。



店内もやっぱり暗い。目をこらしてやっと棚に並んでる食品の判別が出来るくらいだ


「いらっしゃいませぇ…」


「うわわっ」


奥から懐中電灯を顔にあてたお爺さんが、かすれて今にも消えてしまいそうな声をかけながらボーっと出てきた


「びっくりしたー」


幽霊かと思ったよ。心臓が止まるところだった


「あぁ、すみません…。なぜかいつも驚かせてしまうんですよぉ…」


「いや、明らかにその懐中電灯のせいだと思うんですが」


「なるほどぉ…、でも暗闇から声をかけたらもっと怖がらせてしまうかなとぉ…」


「う、確かに…」


「おい店主、酒とつまみはあるか?」


私とお爺さんのやり取りに呆れたように、ジェイが口をはさんできた


「ああはいぃ…どれくらいご用意いたしましょうかぁ?」


「とりあえず酒を3瓶…さくら、お前酒はどれくらい飲める?」


「私割とザルだよー」


昔から飲み比べで負けたことない。女だからって舐めてかかってくるやつとか、酔わせて口説こうとしてくるやつらとかをこてんぱんにするのが楽しかった


「それはいいな。よし店主、酒を大瓶で4本とつまみは適当に」


「ありがとうございますぅ…」



そして1人あたり大瓶1本と大量のおつまみを抱えて帰った。

半年分の売り上げですぅ…って泣いてたお爺さんにはなんとも言えない気持ちになったけど




部屋に戻って、早速酒盛り開始。1つのベッドの上に4人で輪になって座り、真ん中に大量に買った食べ物を並べる。お酒はそれぞれ1本ずつ大瓶を持ち、直接ラッパ飲み




「ええっ、さくらは大地魔法の全てを使えるんですかっ?」


大地魔法とは魔導士が使える火、水、氷、雷、風の5種類の魔法の総称。

普通の魔導士は基本1種類しか使えず、才能のある人とかだと2種類使えたりする。

ルディさんは氷と火の2種類が使えるらしい


私の風の魔法の話になって、軽い気持ちで全部使えるって言ったら、ルディさんがもの凄く驚いてくれた


「まあ一応ね。水と氷の魔法は少し苦手なんだけど」


「苦手って…、全ての大地魔法を使える存在なんて聞いたことありませんっ。まして資料の中にしか存在しない風の魔法まで使えるなんてっ」


「あー…実はあと癒しの魔法も使えたりします」


癒しの魔法を使える人は、白魔導士という呼び方をされてる。

白魔導士は大地魔法は使えず、攻撃には不向きだ


「なっ、癒しの魔法までですって?あなたは自分がどれ程すごい存在なのか分かっているのですかっ」


「そんな怒鳴らないでよー。ジェイはさらっと流したよ?」


ジェイには雷の魔法も使ったし、癒しの魔法を使ってるとこも見られてる


「お前が剣技もサイラス並に出来るって言っても、俺は驚かないぜ?」


ニヤっと笑って余裕そうな表情のジェイ。

ってかジェイは私をなんだと思ってるのよ…。


「いやいや、魔法以外は全くダメだよ。ただのか弱い女の子ですー」


「大地魔法が全て使えて癒しの魔法まで使えて、どこがただの女の子ですかっ」


顔を真っ赤にしながらまくしたてるルディさん。

クール系の人だと思ってたんだけど…、気のせいだったのかな。


「ルディ、さくらにも素が出てきたな」


ニヤニヤと笑って言うジェイ。

あー、今まではルディさん猫かぶってたんだ。


「さくらがあまりにも呑気な事を言うので、冷静を装うのが馬鹿らしくなりました」


「うわー、酷い言われようなんですけど」


「猫かぶってないルディは口うるさいぞー」


やっぱりニヤニヤと笑って言うジェイに、それまで黙々と揚げたジャガイモを食べていたサイラスさんまで、その手を止めて力強く頷いた


「あなた達が言わせるからですっ。ジェイは無茶な事ばかりしようとしますし、サイラスは何にも考えなさすぎますしっ」


言い終わるとハアーと深くため息をついた。

ルディさんきっと今までこの2人に散々振り回されてきたんだろうな…。




それから3人は幼なじみなんだって話もしてくれた。


小さい頃は3人でよくいろんなイタズラをしてたらしい。

だいたいジェイがイタズラを言いだして、サイラスさんは黙ってそれに頷いて、ルディさんは止めるけどジェイは強行に押し進め、結局放っておけなくなって手伝うはめになったらしい


なんかすごく想像つくかも。




「200年前にはさくらのように全ての魔法が使える人や、風の魔法を使える人は沢山いたのですか?」


ふと疑問に思ったようにルディさんが聞いてきた


「いやー、全部使えるのは私ぐらいだったかな。魔導士の人達は2種類使えるだけでそれなりの地位が与えられてたし。あ、でも風の魔法を使える人は他にも数人いたよ」


「200年前からさくらは規格外の存在だったのですね…」


「規格外ってひどいよー。たまたま私が魔法に関してちょっと器用だっただけなのに」


「またそんなことっ。…はあ、もういいですよ。あなたは何者なんですか?」


呆れたように聞いてくるルディさん


「そんな人を化け物みたいに言わないでよー」


「いや、それは俺も気になるな。さくら、お前200年前どんな存在だったんだ?」


真面目な顔をしてジェイまで乗ってきた。

存在って…、それはあんまり言いたくないかも


「んー、秘密っ。女は謎が多い方が魅力的って言うじゃん?」


だって私が誰だったのかを言ったら、ルディさんサイラスさんはもちろん、さすがのジェイでも今まで通りに接してくれなくなる気がするもん


「なにふざけた事言ってんだよ。別にお前が当時は素性を隠さなきゃいけねえよーな奴だったとしても、今はもう関係ねえだろ?」


「そーいうわけじゃないんだけどさ…」


私が困って黙ってたら、サイラスさんがポツリと呟いた


「さくらはさくらだ」


それだけ言うと、また黙々と揚げたジャガイモを食べ出した



……………



「サイラスさん大好きっ。こっちの甘く煮たお芋もあげるっ」


私が食べてたお芋の袋を、隣に座ってるサイラスさんにグイっと押し付ける。

とサイラスさんは優しく笑って、私の頭をぽんぽんと軽く叩いてくれた


うわわわわーっ、サイラスさんの笑顔やっと見れたっ。かなり癒されたーっ。


そのサイラスさんはまた黙々と、今度は私のあげたお芋を食べだした


「ったく、でもまあ確かにサイラスの言う通りだな」


「無神経な事聞いてすみませんでした」


気まずそうなジェイとルディさん。

そうだよね、さっきの私とグレンの会話も聞いてたんだし…。

気を遣わせちゃって申し訳ないな



「そんなことよりさー、私もうお酒全部飲んじゃったよ?」


気まずい空気をかえたくて、ニヤっと笑いながら空になった大瓶を振ってアピールする


「うおっ、女なんかに負けられねー」


グイっと一気に残りを飲み干すジェイ。ルディさんとサイラスさんまでジェイの後に続いて一気に飲み干す


「よしっ、またあの爺さんのところ行ってもっと買い込もうぜ」


まだまだ飲む気満々ですね。そうこなくっちゃ。

でも人の事言えないけど、みんなお酒強いなあ。誰も顔色すら変わってないよ


この大瓶1本で普通の人はベロベロに酔っ払うのに。


まあそんな簡単に酔われたらつまんないけどね。





そしてまたあの幽霊みたいな店主さんの所でさらに1人3本ずつのお酒の大瓶を購入し、二年分の売り上げですぅ…と泣いてる店主さんを尻目に、またワイワイと宴会を再開した


こんなに楽しい夜は久しぶりで…、ついついお酒が進んじゃったよ。


でもあれからは誰も私の過去に関する事は口にしなかった。グレンの話題も出さないでくれて…、みんなの優しさが伝わった


どんちゃん騒ぎはその後もずっと続き、気がつけばもう夜は明け始めていた





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