魔聖学園
この世界には能力というものが存在する。その種類は多種多様、ものによっては世界そのものに干渉できるものすら存在する。そしてその能力を持っているものたちを能力者と呼ぶ。
ここ魔聖学園ではそんな能力者たちを育成する学園である。俺こと柳雪は魔聖学園に入学した一年生である。
「さてと…行くか」
授業後、俺は教室を出てある場所に向かう。
「お前が俺を呼んだ馬鹿か?」
そこは闘技場、周りの観戦席は埋め尽くされている。見て面白いものでもないだろうに。中には俺の知り合いも何人か居るようだった。
「俺は…強いのに…なんでAランクなんだ!そんなこと許されるわけがない!だから!Sランクのお前を倒して俺がSであることを証明する!」
「はぁ…」
この学園では強さがランクとして分けられている。Sはその中でも特筆した強さを持っている者たちの集まりだ。一年生では俺ともう1人しかいない。
「さっさと始めろ。馬鹿に構ってる時間はないんだよ」
「くっ…くそがー!」
ゴングが鳴り響くと同時に男が俺に向かって突っ込んでくる。男はAランク、Sランクの1つ下とは言えそれでもかなりの実力者ということには違いない。だがそれは一般的な視点から見たらの話だ。俺は突っ込んでくる男の頭を片手で掴み上げる。
「ガアアアァ!放せ!」
「なぁ、戦場でもそんな無駄口叩くのか?」
その男を片手で掴み上げながらもう片方で腹を殴っていく。
「テメェ如きがッ!Sランクに上がるだとッ?寝言も休み休み言えッ!」
俺が数発殴ると男は吐血した。そのまま俺は男の頭を放すと男は力なく倒れた。
「はぁ…少しは自分のことを客観視しろ…馬鹿が」
俺が男に背を向け立ち去ろうとした瞬間だった。足元から無数のツルが俺の足の動きを止めていた。
「ゴホッ…クソが…ボコスカ殴りやがって…はぁはぁ…」
「…気合いだけはあるようだな」
「俺はSに上がらなきゃならねぇ!約束があるんだよ!だから!お前なんかに負けるわけにはいかないんだ!」
「だから…無駄口をやめろ」
俺は無理矢理足元のツルを引きちぎり、まだ倒れている男の顔面目掛けて蹴りを放った。そして男は完璧に意識を落とした。
「はぁ…気合いだけは認めてやらんこともない。教員に進言しといてやるよ」
そう言って今度こそ俺はその場を後にした。




