12 違うものだった
誰も悪くない。
陽茉にそう言っても納得はせず、私のせいだと泣きじゃくっていた姿は忘れられない。
小学生だった頃の陽茉には、かなりこたえただろう。あの時は学校を数日間休んだ。また行けるようにはなったけど⋯、それから少し陽茉が変わってしまったように思う。
笑っているけど、笑っていないような。
自分の要望を言わないようになったような。
⋯⋯あまり感情を表にださなくなった。
この表現が正しいような気がする。
少しの間なら、まだ引きずっているんだろう、と思えた。でも、いくら経っても「少しわがままで元気いっぱいな陽茉」に戻ることは無く成長してしまった。
改めてもう一度。
誰も悪くない。
とはいえ、これはもちろん身内のなかでは、だ。実際には事故を起こした加害者がいる。そいつのせいだと怒りを向けるのは簡単だが、これからの陽茉の人生を思うと、そればかりではいけない気がしている。
⋯だとしたら、何か⋯何かしてあげられることはなかったのか?
当時はもちろん、陽茉が中学生になった今でもずっとそう思っている。
ただ、自分にとっての菫の代わりはいないように、陽茉にとっての百合さんの代わりもまたいない。このまま時間が解決してくれるんだろうか?
⋯最近あった、学校での三者面談での事。
「特にやりたいこともないので、通える範囲ならどこでもいいです」
陽茉は先生にこう話していた。⋯淡々と。
特に成績が悪いわけではない。もちろん素行も悪くない。そんな中学生だから、こんな回答でもおかしくはないと思う。⋯なんでもかんでも、あの件と結びつけるつもりはないんだけど⋯⋯これでよしと思えないわけで。
もう、あの頃の陽茉に戻る事はないんだろうか⋯⋯。
菫、どうしたらいい⋯⋯??




