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書籍化:門番の俺のスキルが【見送る】だけのゴミスキルだったので、真面目に定年まで勤め上げたら、いつの間にか国を救っていた件  作者: 堀籠遼ノ助(ほりこめりょうのすけ)
第二部 第二章

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『傭兵ボルグと二つの正義』 - 5

 ボルグが向かったのは、西区画でも最も猥雑な、裏路地の奥にある酒場だった。

 昼間だというのに薄暗い店内。そこにいるのは、およそ堅気とは言えない顔つきの男たち。ボルグは、そんな男たちを一瞥もせず、カウンターの隅に座る、痩せた男の前に立った。


「……鼠。仕事だ」


 情報屋の男はボルグの顔を見ずにグラスを傾ける。


「ボルグか。お前さんが来ると、ろくなことがない。で、今度は何だ」

「ヴァレリウス伯爵。奴の最近の動きを、洗いざらい調べろ。特に昨夜の薬師逮捕の件。金の出所、関わった衛兵の名前、些細なことでもいい。全てだ」


 情報屋は、口笛を一つ吹いた。


「……でかいヤマだな。報酬はたんまり頂くぜ。それと――」

「逃げるための馬車は手配済みだ。ほとぼりが冷めるまでの生活費も報酬に上乗せする」

「……やけに羽振りがいいな」

「ただし、時間はねえ。明日の夜明けまでに、めぼしい情報をエルリック邸に届けろ」

「エルリック邸だと……? おいおい、そこは今薬師の弟子を匿ってるって噂だぜ。まさかお前――」


 思わずボルグに顔を向けた情報屋を、ボルグは冷たい視線で黙らせた。


「仕事は受けたな、鼠」

「……はあ、仕方ねえ」

「死んだら骨は拾ってやるよ」

「縁起でもねえ、俺はあんたの骨を拾わねえぞ。ゴブリンの餌にでもなっちまえ」

「俺を餌に出来るゴブリンがいたら、会ってみてえもんだ。……報酬は成否を問わない。危険を感じたら逃げろ」

「命あっての物種だ、言われるまでもねえ。……あんたも気を付けろよ」


 ボルグはカウンターに数枚金貨を置くと、酒場を出て行った。

 情報屋の男は、グラスに入っていた残りの酒をすべて飲み干すと、「嵐が来そうだな」と呟いた。

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