【地区予選編】交差。
※青春のバカさがゆるく書かれております。
※たまには背筋を伸ばして、ちゃんと瞬きをして、じっくりとご覧下さい。
「――・・・私・・・気を・・・ないかな?」
真姫は不安そうにつぶやいたが、団体戦二回戦シードの公仙皆中にゲーム数三対〇で勝利したのだ!
「や・・・やったぁ!!!」
私達はタオルを投げ出して喜んだ。
ただ、間違ってスポーツドリンクを投げてしまった美子先輩だけは「うぉぃ!!!」と叫んでいたが。
皆、満面の笑みだった。
「・・・また負けた」
露草さんがしょんぼりして真姫と握手した。
真姫はやわらかい笑顔でしっかり握手した。
それを見届けた茜先輩が「集合!」と鋭く言うと、団体戦メンバーはさっと台の前に集合した。
「ありがとうございました!」
公仙皆のメンバーは悔しそうに泣いていた。
余程勝ちたかったのであろう、かなり練習を積んでいるように見える・・・って茜先輩も言っていたし。
可哀想だと同情する気もあるがその分、勝って嬉しい気もあるのは薄情な奴なのだろうか?
「たぁ!!」
「ラッキー!さぁ一本!」
隣の台ではなんと杉巻大付属中が他の中学校と試合していた。
そう、私達は進む。
次の試合へと、進むのだ。
体育館の廊下。
真姫が一人で人気のない冷たい廊下を歩いていた。
忘れ物が届いたらしい、誰が何を届けたのかはまだ分からないが。
「はっはっはっ・・・ま・・・き・・・」
後ろから誰かが走ってきた。
「た、高尾真姫!!!はぁ・・・」
露草ナツキだ。
真姫が首をかしげるとナツキはジュースを差し出した。
「負けたし・・・理不尽だけど約束したし・・・」
「あ、ありがと」
不意を突かれたような顔の真姫にナツキは笑顔でこう言った。
「次、頑張って!じゃないと八位の座なんかアタシがばばっと取っちゃうんだから」
「言ったわね!絶対渡さない・・・いや、ナツキには八位って重すぎるんじゃない?」
「な!?また子ども扱いしないでよ!」
すると、くるっと後ろを向いて真姫は歩きだした。
「ちょ、真姫!?・・・・・・頑張れ」
それに真姫は手をひらりと振って答えた。
忘れ物を取りに行くと、そこには以外な人物が居た。
いろはが見たらびっくりするような人物が・・・。
その人物は真姫に柔らかく話し掛けて来た。
「こんにちは、高緒…真姫ちゃんですわね?」
「は、はい…」
「生徒会室に忘れ物があったものですから、試合観戦ついでに届けちゃいましたわ」
その人物は笑顔で真姫にメガネを渡した。
「ありがとう…ございます…」
「ユニフォームが変わってないものですから、すぐ分かっちゃいましたことですのよー」
その人物は口に手を当ててクスリと笑ってこう続けた。
「――っと。南ヶ丘咲中の試合結果はどうですの?」
「え、と、今のところは東山中とシードの公仙皆中に勝ってですね、次は杉巻大付属付属中との団体戦です」
すると、その人物は苦笑いして
「ふーん、そうですの。では、ゆるく試合観戦させていただきますわー…」
と言って自販機の方へ歩いて行った。
やっと開放された…と真姫が思っていると「お待ちなさい!」と声がかかった。
そして
「『橘いろは』は団体戦に出場してませんの?」
と真剣に質問してきた。
「は…はい。いろはは個人戦出場ですが…」
真姫が控えめに答えると、その人物はクスッと笑って
「そう、楽しみにしておきますわっ!」
と嬉しそうに言った。
真姫はその人物が遠くへ行くのを首を傾げつつ見送った後、皆の所へ戻った。
どうも、天井です!
眠気を飛ばすにはコーヒーとか言いますが、カフェインが何たらかんたら言われてもピンときません。
でも、コーヒーを飲むと気分的には眠くなりません!
偉大なり…コーヒー。