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IV.とりあえずどうしよっか

「で、どうするんです?」


「どうしようかね〜」



 アレンくんに問いかけられて、私は考える。


 正直なところ、何から手をつければいいのか皆目見当もつかないところはある。いかんせん、これは私にとっての「現実」だけど「物語」でもあるので。平々凡々、山も谷もないストーリーは読んで五ページと待たずに閉じられる。


 そして、私の目的は「世界の救済」、詳しく言えば「世界に残された災厄の除去」。つまり、現状だと何をすればいいかさっぱりわからない。



 でも、やらなきゃいけないことはある程度わかってるんだよね。


 それは人間関係の設立!人間関係の網を広げれば、情報という武器が手に入る。何よりキャラクターが程よくいたほうが物語は面白い。モブの人間性も、ストーリーのスパイスなのです。孤独に黙々とチート能力で敵を作業ゲー感覚で倒すのは、やるのは楽しくても物語としては赤点落第ムーブ。だからこそ、物語における登場人物というのは一定数いても問題ない。むしろ益となる。



 と、いうわけで。魔の森を抜けて手近な街にやってきました。作者がわたしてくれた白いコートは認識阻害の効果もあったらしく、フードをかぶれば顔が見えなくなるらしい。それって逆に目立ってんじゃない?と思ったけど、そうでもないみたいだ。



 まぁ、そんなこんなで街にやってきたわけだけど……。


 とりあえずアレンくんは情報収集に向かわせた。私は言葉が通じないから広場のベンチで待機。それにしても、すごい人混みだ。みんな楽しそうに笑っている。平和そのものといった感じの光景が広がっている。



「&%dPqe#:*@、&$JWQLKR!」



 目の前で、子供が何か叫んで走っていく。恋人が甘い時間を甘受する。うーん平和。物語的には、こういう時間ってカットされることが多いけど、いざ目にするとなるとこういう「The・日常」って時間が一番癒やされるのよなあ。






「ごしゅじーん」

「お、アレンくん」



 しばらく彼らをぼんやり眺めて過ごせば、時間の流れは早いもので、もう昼過ぎだ。私がゴミ捨て場に落ちてきたのが早朝、その後アレンくんを作って、この国に来たのが多分午前10時とかそのへんのはず。移動時間?面倒だからさっさか行ったよ、適当に力選んで。なんだかんだ私も私で作者が考えた能力ある程度使えるのよね。マジチート。



「で、どう?お金の工面はどうにかなりそう?」

「はい、世界同盟の名の下で、魔物を狩る冒険者ギルドがあります。そこでなら、ある程度の金は稼げるでしょう」



 アレンくんは私が作っただけあって、ある程度は人間らしい感情を持っていて、私の意思を汲むように動いている。私とアレンくんの関係は、主従関係というよりは親子に近いかもしれない。


 そして、アレンくんの言う通り、こういう物語のテッパン、冒険者はいい。戸籍もいらない、登録の際の初回手数料もなし、しかも報酬は依頼による歩合制!まさに私のようなニート(ゲホゲホ)チートにはありがたい存在だ。


「いいね、それ!それで、そのギルド?とやらの場所はわかってるの?」

「わっかりやすい看板がありました。詳しくは聞いてませんが、それを辿ればどうにかなるかと」

「わーい!それじゃあ行こうか!」


 まあそんなわけで、私とアレンくん、冒険者になります!

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