VII.Let's作戦会議!
「さてアレンくん、私達には3つの選択肢があります」
「嫌な予感しかしない」
「①南に向かってShellker退治、②東からぐるっと回り込んでDiam退治、③そいつら二体放置して世界を巡って第三の『災厄』探し」
「やっぱあんたとの契約やめとけばよかったかもしれない」
「だから言ったでしょ詐欺とか気をつけてねって」
とりあえずギルドの人たちに頭を下げて、隅の席で顔を寄せ合ってこの先どうするかの会議。行き先不安の行き当たりばったりは正直勘弁してほしい。さすがの私も不意打ちは対処しきれないよ。
「とりあえず三番目は論外ですね。まず確定要素のそこら2つから片付けたいです」
「私的にはShellkerが先がいいな。近いし」
「そうですね、そっちを先にすれば、世界をぐるっと一周する要領でだいたいの大陸を渡れると思いますし。同じ大陸――まで広くなくても、『災厄』ほど強大な存在なら、近くまで行けば噂くらいは聞けるでしょう」
「うん」
よし、行き先は決まった。じゃあ次だ。
「道中の『足』の確保と、ルートの確定。天候によっても左右されると思うから、その辺の日程を元に食料や水などの消耗品の確保。もちろん、持ち歩ける範囲で」
「…そのジレンマがあるから冒険者は難しいんですよねぇ…たくさん持っていきたいのに、持っていける数には限りがある」
「その上放置しすぎたら腐るしね」
まあ私は偽物劇場に帰ればいいから実質食料無限なんだけど。せっかくの異世界転移モノなのに、ホイホイ何度も偽物劇場に帰ってたら面白くない。いや、いちおう、発展してない異世界に現代から物資を持ち込んで無双!なんてわかりやすくチートな作品もあるけど、この物語に関しては違うし。
「まあ最悪私も持つし、多少の我慢もするよ。で、公共機関を使用するとどのくらいかかるかね?」
「そうですねぇ、まず島の端まで馬車で移動して、そこから船、更に街から街へと馬車やらなんやらを乗り継いで行くんで…」
「おぉっと?」
まずいな、思ったよりかかりそうだぞ?あくまで『RTA』を冠した作品だからなぁ、目的の場所まで半年とか普通に待てないぞ?
「…飛んでく?」
「新しい『災厄』になるおつもりで???」
そうだよな〜空をビューンと飛んでったら、今度は私がUMA的な存在として語り継がれかねない。でもな〜うーん…。
まあいいや!行き方は道中で考えよう!
それこそ行き当たりばったりだって?やかましい進め方も私次第じゃい!!
「ああ、食料の厳選の時もちゃんと来てくださいね」
「あ、連れてってくれるんだ」
「そりゃね。口に合わないもの選んで蹴り飛ばされたくないですから」
「お前は私をなんだと思ってるんだ」