2.部活
「それじゃあ部活始めます!」
部長の琴奈先輩が叫ぶ。
猛勉強してここ、若葉女子高校に入ったのはいいが、部活を選ぶことができず、一番最初にチラシをもらったこの部活、演劇部に入った。中学生の時も同じように決めて硬式テニス部だった。
「今日はキャストはシーン5をやります。音響、照明、大道具はそれぞれやること決まってますか?」
「音響は今日はシーン練に合わせて音流します。」と音響長の悠希先輩。
「照明も音響と同じくです。」と照明長の柚子菜先輩。
この3人は本当に仲がいい。正式連絡は敬語だが、普段は若者言葉が飛び交っている。
「大道具、今日は買い出しに行きます。」と我らが澪緒先輩。
そういえば今日買い出しだ!楽しみ!千歳来られなくて残念だな...
「はい、じゃあそれぞれやること始めてください!」
キャストは声出し、音響はデッキの準備、照明は器具の電源を入れ始めた。
私達大道具は顧問からお金を受け取り、近くのデパートへと向かう。
「ええと、今日買うのは男物のシャツ、テーブルクロス用の布、造花ですね。」
「そうね、とりあえずあのお店から見ましょうか。」
私達は近くのエスカレーターに乗る。
その時だった。
思わず足が滑り、私は真っ逆さまに落ちていった。
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