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親友がお隣さんになりました。

高校一年生になった遼にとって結衣は小3の頃からずっと友達だった。

気も合うし趣味も合う。

一緒にいて楽しい相手だった。

確かに異性ではあるが親友なわけで。

遼には他に好きな人がいたし結衣もそう。

遼も結衣の想い人は知っていて、からかったりもしていた。

そんな親友であっても異性なわけで。

二人の関係性は動き出す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



”4339”その数字が間違いないことを何度も確認する。間違いない、僕の番号だ。


遼は今家族と共に朝山高校に来ていた。合格発表を見るためである。


「!!」


周りには人が沢山いるので叫ぶなんて恥ずかしい真似はしないが、遼は確かに興奮していた。

朝山高校の自由な校風に憧れて受験したが、偏差値は遼のものよりもかなり高く、ダメ元だったのである。それと同時に遼が思ったのは「やっと遊べる」そんなことだった。


その翌日、遼は最寄り駅の改札の前で立っていた。

すると階段を登ってきた、1人の女の子の姿が見える。その女の子は遼の姿を見つけると駆け寄った。


「藤くんおはよう、おめでとう」

「結衣もおめでとう」


女の子の名前は須藤結衣。

遼とは小学校中学校と同じだがクラスは同じだったり違かったりする。

まだ男女関係なく遊んでいた小3の頃、遼と結衣は気が合って毎日一緒に遊んでいた。その後中学三年となった今でもよく遊んでいる親友だった。


「まさか藤くんも受かってるとは思わなかったよ」

「ほんとに。昨日お母さんに結衣も受かってるって聞いた時はビックリした」


遼と気が合って親友をしている結衣だから、朝山高校の自由な校風に惹かれるのは必然と言えた。


結衣が朝山高校を受験していることは遼も知っていたが、いくら親友と言えども合格発表はそれぞれ家族と一緒に行っていた。


合格発表の後も、LINEで結果を聞いて落ちてた時が気まずいので、結果は気になりつつも聞けないでいた。


そんな中、親を通してお互いに受かってることを知った2人は、せっかく自由の身になった事だし横浜に映画でも見に行こうと約束したのである。


遼は一日、結衣と映画やランチを楽しんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、こんなものか」


自室でダンボールに囲まれながら遼はそう呟いた。引越しのための荷造りをしていたのである。


朝山高校は遼の家からは電車で2時間かかる。その長い通学時間を憂鬱に思った遼は家族と話し合い、朝山高校から近いマンションに一人暮らしをすることになったのである。


高校生の一人暮らしなんて普通ではないが、遼の親は放任主義だったし、偏差値の高い朝山高校に受かったことに大喜びだったから許してくれた。


「結衣は大変だよなぁ」


親に一人暮らしの提案をしたものの、一人暮らしは心配だからと却下され、今の家から通うことになった親友を思って遼は呟いた。


「ちょっと遼いいかしら?」

「うん、平気だよ」


その返事を受けて遼の母親が部屋に入ってくる。


「結衣ちゃん居るじゃない?そのご両親が地方に転勤になるんだって」


それは可哀想にと遼は思った。両親が転勤とあれば結衣もついていくことになるだろう。せっかく勉強して朝山高校に受かったというのに勿体ない。

それに、あまり遊べなくなるなあと遼が考えていたあたりで母親はこう続けた。


「それでね、折角朝山高校に受かったから結衣ちゃんは通いたいんだって。でも今の家に一人暮らしさせるのは心配だから、遼の隣の部屋に引っ越すことになったわ」

「え、俺の隣に?」

「そうよ。それなら結衣ちゃんのご両親もまだ安心出来るって仰ってたわ」


当然遼は驚いた。遼が引っ越すマンションは新しいものだったから、隣の部屋が空いていてもおかしくは無い。それにしても・・・・・・


「だから結衣ちゃんを守ってあげてね」

「・・・・・・まじか」


結衣の両親とも親交はあるし悪く思われてはいないだろうと思ってはいたがここまでとは。


それにしても結衣、良かったな。と遼は思った。朝山高校に通え結果的に一人暮らしも出来る。結衣にとってはこれ以上ない結果だろう。


するとスマホがLINEの通知をしらせる。


「話聞いたよね?よろしくね!」


結衣が隣ならゲームやり放題だな。そんなことを思いながら結衣からのLINEに返信をする遼であった。

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