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第5話(マッハサイド)

 どうにもこうにも、自分達はメルヘンチックな世界に来てしまった様である。

 さっきの無茶苦茶うざったい妖精(?)達、2足歩行のウサギ。どう考えてもファンタジーな世界がプンプンである。


 これをファンタジーと呼ばずして何と呼ぶのであろうか?

 しかし、ファンタジーな世界観と言えばこの世界が初めてと言う訳でも無いハールとアレイレル。

 3年前の2014年9月12日に、ヘルヴァナールと言う世界にトリップしてしまってその世界でかなりの大冒険をした事は今でもまだまだ記憶に新しい出来事である。


 その世界には喋るドラゴンも居たので、考えてみればこうしたファンタジーの世界なのだから言葉が通じていようがウサギが2足歩行で歩いていようが妖精みたいなのが居ようがさほど不思議では無いだろうと言う結論に達した。


 それに今聞いた話によれば、このウサギ達のリーダー格からはどうやら水とか食料とか地図も貰えるらしい。

 それもそうなのだが、まずはこちらの名前やら何やらも説明しなければフェアとは言えないかも知れない。

 その集落までは数日かかると言うので、その道中で自分達の事を話したり相手の事を聞いたりしながら行く方が生産的だと思ってしまう。

 だからここは素直に集落に案内して貰う事にして2人は出発する。

 この世界が一体どう言う世界なのか分からない以上は、今の時点で頼れるのはこの2足歩行のウサギ集団だけだからだ。


 もしかしたらここは天国なのかも知れない。天国へ導かれるのかも知れない。

 それでもこのウサギ達が地球へ帰る手掛かりの第1歩になってくれる事を願って、2人はウサギ達の後について歩き出した。



 生命を育む「ゆりかご」……インキュナブラと呼ばれる世界のインキュナブラ大陸と言う場所だと言う事を初めて聞いたハールとアレイレルは、即座に地球では無いと判断。

 こんなメルヘンチックな種族が居る時点で地球では無い事はまる分かりだが、それにプラスして地球ではまず聞いた事の無い大陸の名前や世界の名前が出て来た時点でますます地球では無いと思う。

 だったら地図を見せて貰って、自分達が今何処に居るのかどうかを判断しなければならない。


 大陸の名前だけ言われてもこの世界の住人では無い以上、自分達の置かれている状況を判断しなければ地球に帰る手立ても見つからないだろうし。

 ヒト族、獣人、魔物等様々な単語が出て来たが、あいにくファンタジーな世界観に詳しくない2人はそう言われてもさっぱり何のこっちゃ? 状態だ。


 ヘルヴァナールに行っていた時、同じチーム「Master's」の高崎和人を始めとしたRPGに詳しいメンツが6人居たので、その連中に分からない事があったら聞きに行っていたのも今では本当に過去の話だ。


 だから少しだけファンタジーな世界観に詳しくなったとは言えども、今までそう言うジャンルとは全く無縁……いや、ハールはちょっと違う。

 ハールは美少女ゲームが好きと言う一面があり、その中でファンタジー世界を舞台にした美少女ゲームがあったのでそう言うのをプレイしていた経験から少しだけファンタジーな世界に詳しいと言える。

 それでもその6人に比べればまだまだと言った所だったが、アレイレルよりは確実にこうした世界への抵抗は無いと言えるだろう。


「じゃあこの世界は、貴方達みたいに色々な種族が共存している世界なんですね?」

「そうです。しかし種族が違えば差別や偏見も生まれますし、それによって争いも生まれます。この世に生物が居る限り争いは無くならないでしょう」

「地球もそれは一緒だな」


 アレイレルが隣でポツリと呟く。

 確かに地球には人間以外で会話が出来る様な種族は居ないが、差別や偏見と言うのは未だにあるのが現状だ。

 アレイレルの故郷であるアメリカだって、元々は白人が黒人をさげすんでいた。

 しかも欧米系の人種とアジア系の人種の間でも差別があるし、男性差別や女性差別等も未だに存在する。

 後はインドでもカースト制度が未だに存在している。

 自分のドライビングテクニックの弟子に、インド発祥の武術カラリパヤットのインストラクターである兼山信也が居る。

 今でも時々その地へ向かう彼に聞いた話によれば、カースト最下位の人間の暮らしは結構酷いものらしい。

 だから世界が違っても、生物が多数存在する限りでは決して争いは絶えないのだろう。


 それはそうと、これから向かう集落と言うのは一体どう言う所なのだろうか?

 確かに地図や水や食料を貰えるのはありがたいのだが、問題はその「サイズ」である。

(このウサギ達の身長とか体重とか考えると、それこそサイズも「それなり」じゃないの?)

 ハールは心の中でそう思わざるを得なかった。


 これで見た目に似合わず大食漢な種族だったりするのであれば、それはそれでまたメルヘンと言うよりは一種のホラー的な存在と言えるだろう。

 いや、こんなファンタジーな世界なのだからもうこの先何が起こっても不思議では無いと言える。

 願わくばこのまま無事に地球に帰るまで、何事も無い様に事態が進んで欲しいと思うハールとアレイレルだった。

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