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第6話 辺境伯の役目

 私は少しの休憩を経て、再びリンドラ様の元に来ていた。

 これからのことを、色々と話し合うためだ。


「さて、サフィナ様、あなたは私の婚約者となり、いずれは結婚する訳です。それにあたって、あなたにも色々とやってもらいたいことがあります」

「はい、わかっています」


 婚約することによって、私はレインズス家の人間になる。

 それにあたって、色々とやることがあるのは当然のことだ。


「まず、レインズス家の役目から振り返っておきましょうか」

「あ、はい、お願いします」


 リンドラ様は、まずそこから説明してくれるらしい。

 一応、レインズス家のことは調べてきた。だが、内部の人間に聞けるなら、より詳しいことがわかるため、それが一番だろう。


「レインズス家の領地は、主に北方の町であるトルマディア周辺です。そこは、ドーサス王国の北の国境も含んでいます」

「はい、だからこそ、リンドラ様は辺境伯なのですね」

「そうです。私の役目は、その国境を守ること。それだけではありませんが、一番の仕事はそれといえるでしょう」


 レインズス家は、ドーサス王国の北の国境を領地としている。

 そのため、そこの防衛が主な役割なのだ。

 もちろん、それだけが役割ではない。だが、それが一番重要なことなのである。


「といっても、北の国境から侵攻が起こる可能性はそこまで高くはありません。何しろ、国境近くにはトルマディア山脈があります。あれを越えて侵攻してくる者達など、そういませんからね……」

「山越えは、確かに厳しいでしょうね」


 しかし、北の国境を越えて他国が侵攻してきたという話は聞いたことがない。

 なぜなら、国境付近にあるトルマディア山脈が、他国の侵攻を寄せ付けない自然の城になっているからだ。


「あの雪の山を越えることは、普通はできません。それに、北の国であるバルデス王国とは同盟もあります。恐らく、戦いは起こらないはずでしょう」

「バルデス王国ですか……」


 ドーサス王国の北には、バルデス王国という国がある。

 バルデス王国は、ドルマディア山脈を越えた先にあるとても寒い国であるらしい。

 そこまでの大国ではないが、寒い地域での戦いに慣れており、他国を寄せ付けない特別な国である。

 ただ、ドーサス王国とバルデス王国は同盟を結んでいる。戦うことに、お互いに利益もないため、恐らく侵攻は起こらないはずだ。


「そのため、防衛が一番の仕事といっても、ほとんどないのが現状です。本当にやっていることは、主に領地の管理ですかね」

「そうなのですね」


 それらのことから、防衛面であまりやることはないらしい。

 そのため、一般的な貴族と同じく、領地の管理が本当の仕事であるようだ。

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