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没落した公爵令嬢は、再興のために辺境伯と婚約することになりました。  作者: 木山楽斗


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第16話 晴れた朝に

 カーテンを突き抜けて差す光に、私は目を覚ます。


「光……?」


 ベッドから起き上がった私は、カーテンを少し開けてみる。

 すると、太陽の光が私を包み込んできた。


「晴れたのね……」


 昨日までは猛吹雪だったが、今日は晴れてくれたのだ。

 そのことに、私は安心する。あのような吹雪が、続かなくてよかったと。

 リンドラ様が近くにいる間は大丈夫だったが、部屋に帰ってからはまた不安になっていた。なんとか眠ることはできたが、鳴りやまない風の音をかなり怖く思ったものだ。


「一日で、止むものなのね……」


 今日の天気は、昨日の吹雪が信じられない程の快晴である。

 このように、正反対の天気に一日でなるとは驚きだ。


「さて、今日も一日頑張りましょうか」


 そこで、私は気持ちを切り替える。

 今日も、一日が始まるのだ。




◇◇◇




 私は今日も、仕事をするために執務室に訪れていた。


「あれ? リンドラ様? その恰好は?」

「ああ、すみません。今日は少々、用事があるのです」


 すると、明らかに書類仕事をする格好ではないリンドラ様が迎えてくれた。

 リンドラ様は、かなり厚着に身を包んでいるのだ。手袋や耳当てもしているし、明らかに室外に出かける格好だ。


「用事? どのような用事ですか?」

「昨日の吹雪で、屋敷の周りに雪が積もりました。そのため、少々雪かきをしようと思っているのです」

「雪かきですか……?」


 どうやら、リンドラ様は雪かきをするつもりらしい。

 確かに、昨日の吹雪で屋敷の周りは雪だらけだった。それを取り払うことは、必要なことだろう。

 しかし、少しだけ疑問がある。それを、わざわざリンドラ様がする必要があるのだろうか。


「使用人に任せないのですか?」

「もちろん、彼等にも協力はしてもらいます。ですが、量が多いですから、人員は一人でも多い方がいいのです」


 私の疑問に、リンドラ様はそう答えてくれる。

 雪かきは、一人でも人数が多い方がいい。確かにそれはそうだろう。

 だが、それだけの理由で主人が動くというのは、中々できることではない。リンドラ様は、優しいからそういう選択ができるのだろう。


「リンドラ様、私も手伝いましょうか? 人数が多い方がいいなら、私も力になります」

「え?」


 そんなリンドラ様を、私は見習おうと思った。

 人数が多い方がいいなら、私も力を貸そう。そう思ったのだ。


「サフィナ様、ありがとうございます。ですが、その心意気だけで充分です」

「え?」

「雪かきは、力仕事になりますから、サフィナ様には適していないと思います。それに、片付けてもらいたい書類もありますから」

「そうですか……それなら、私は書類の方を担当します」


 しかし、リンドラ様は私の力を必要としていなかった。

 力仕事となるなら、確かに私は戦力外だ。温かな地域で暮らしていた私に、そこまでの力はない。そのため、足手まといになるだけだろう。

 それなら、自分ができることをした方がいい。そう思って、私は書類仕事を担当することに決めたのである。


「頑張ってくださいね、リンドラ様」

「ええ」


 私の言葉に、リンドラ様は笑顔で応えてくれた。

 こうして、私達の一日が始まるのだった。

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