4話 恵は負けず嫌い
緑って和人のことだよね...
寝転びながらそんなことを考える、和人がブルーのことを好きだったことは知ってる。本人から聞いた話だ、中一の時に...だがこうも聞いていたふられたと、でも青ちゃんの反応見る限り両思いだったんだろう。
「でも負けたくないな...」
そう口から漏れる
私は和人との短い思い出をおもいだすのだった
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男女合同で行うスポーツテスト、初めて男子に負けた、悔しさから手紙で屋上に呼び出して...
「絶対認めない!!来年のスポーツテストで絶対勝ってやるんだから!!」
そう言うと緑川はポカーンとした顔をしたあと大爆笑し始めた
「なぜ笑う!?」
ちょっとイラッときた
「いや...だって...プッ...果たし状って」
緑川は肩を震わせながらこう言った
「?ただの宣戦布告なんだけど?」
私には何が面白いのかわからなかったが馬鹿にされてるとしか思えなかった
「ムカつくなーお前」
私は思った(俺こいつ嫌いだなー)と
「悪い悪い前に友達に同じようなこと言われてさー」
(こんなやつに負けたのか...)と思ったへらへらしながら言われ余計に腹が立つ
「お前の過去なんかに興味はないけど俺は本気だ!」
「俺も負けられない理由があるから」
急に真面目になる緑川に不覚にもドキッとしてしまった...
「やっぱ面白いな!野田さん...中学は正直不安だったけどこんな子いるなら続けてもいいかな...?」
何を言ってるんだこいつ?っと思ったってか言ったよね
「何を言ってるんだお前?」
あははっと笑う緑川...正直嫌な予感しかしない
「野田さんさ〜ヒーロー活動とか興味無い?」
「ない!!」
即答するが嫌な予感は続く
「俺らと一緒にヒーロー活動しね?」
ほんとに何言ってんだ?こいつ
「しない!早めの厨二病かよ!?」
ほんとになんなのこいつ意味がわからない何考えてるんだ?
「まじかーあいつに似てるから乗るかとおもったんだけどなー」
あいつ?全然興味ないつもりだったが似てるって言われるときになってくるただ...俺はズレていたみたいで
「俺とその男どっちが強い?」
こんなことを聞いていた
「僕はあいつに強くあって欲しいよあいつは...青は俺が初めて憧れたヒーローだったからそれとあいつは女だぞ」
言い方的にそいつのことは追い抜いたのだろう輝いてる目を向けられ正直戸惑うがそこから緑川の人格が形成されたのか...と思うと正直おもしろく感じたそれに
「そうかお前ヒーロー活動に誘うのはそう言うことがあったからか?多分それだけじゃないっぽいな」
「!?」
「そいつのこと好きなんだろ?どこのクラスだ?」
俺、少女漫画的展開好き他人の恋バナ好き俺はしないけど
「俺振られてんだよ...それに引っ越したからこの学校にはいない」
...やらかしたか?...ん?ちょっと待て
「...俺を代わりにしようとしたのか!?」
そんな形で好かれるのは嫌なんだが...なんか顔熱いな?
「ん?野田さんは野田さん、青は青だろ?」
...なんでちょっとガッカリしてんだよ...俺は
「お前結構面白いのな」
「何が!?」
「俺気に入ったわ緑川のこと」
自分の口から出た言葉に驚きはしたけど否定する気はなかった気になる存在になったのにも気づくでもヒーロー活動は...
「さすがにダサい...」
「急にあげて落とされた!?」
声に出てたのか?
「ああ、ごめん」
「弁解なし...」
なんか「どうせ俺なんて」って呟いてるんだけど大丈夫だよな?
「緑川ってさー意外とネガティブなん?」
「知らん」
不貞腐れてる緑川のことを少し可愛いと思った
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我ながら変な出会いだなーとめぐみが笑う
初めて話したのに結構ウマが合って楽しいと感じたのを思い出す思えばこの時から和人に気があったんだなーと思う。そこにさらに追い打ちをかける出来事がおきることになった。
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1ヶ月くらいたち気になる存在ができて女らしくなろうと思って男ばっかりと外で遊ぶのを控え女友達と遊ぶことが多くなった
「あのカフェのパフェめっちゃ美味しいらしいよ〜今度行こ〜?」
「いいね〜いつにする?」
他愛もない会話をしながらいつもの帰り道を友達と帰る
「そういえば噂で聞いたんだけど最近学校でヒーロー活動してる人たちがいるらしいよ」
急に緑川くんの話題が出て反応してしまう
「知ってる〜いくつだって話だよね〜でもレッドとグリーンはイケメンだってさー」
俺もそう思うが他の人が言ってるのを聞くとなんだかなーとおもう
「まー普通はそーだよね〜」
まー便乗はするけど
トントンッと急に肩を叩かれ振り返ると上級生だと思われる6人組の男に声をかけられる
「君らいまひまっしょーどっか行かねー?」
...ナンパかよ!!と思いながら友達2人を見ると怯えてるのがよく分かった(仕方ないか)と溜息をつきながら2人に
「私が何とかするから先帰っていいよ」
っと言うと2人は「ごめんありがと」と離れていった
「何やってくれちゃってんの?」
そう言って腕をつかもうとする上級生のてをふりはらう
(俺みたいな女をナンパなんかする訳ないからあの二人目当てで来てたんだろうしここを通さなければいいだろう)
そんなことを考えていた私はすぐに後悔することになる
「反抗的だね〜正直好みだわ!行こーぜ」
「は?嫌に決まってるじゃん」
断固拒否する俺ってかこんな可愛げのない女が好みとかこいつおかしいな...
「そーか...じゃー無理矢理でも連れてくしかねーか」
後ろから腕を掴まれる
(やば他の奴ら忘れてた!?喋んねーから)
振りほどくため力を入れる...が振り解けない
「離せよ!」
暴れる俺の肘が腹に入る
「いてぇな...」
掴んでた男の雰囲気が変わり腕に力を入れてくる
「いたっ離せって言ってんだろーが!」
「調子に乗ってんじゃねーぞ」
低く冷たい声が聞こえてすごい顔で睨まれる『こわい』と初めて感じた
バシィという音と同時に頬に痛みが走る
「え?あ?い、いたい...」
何が起こったか全く理解できなかった叩かれた?いたい...誰か助けて...
「助けて...誰か...」
腕を掴まれる引っ張られるいやだ...誰か...誰か...助けて怖い...怖いよ...
「助けて...緑川くん」
無意識に彼の名前をつぶやく彼が来てくれる保証もなければギリもないだろう、こんなこと言っても...
ドスッ
「ふぇ?」
急に腕を掴んでた男の力が抜け腹を抑えうずくまっていた、その横には
「緑川...くん?」
「なにしやがんだ!!」
彼が立っていた、彼は俺の頭に手を乗せ
「早く気づけなくてごめんな...俺が来たから安心しろ」ナデナデ
初めて男の子になでられた...ドキドキするけど心が落ち着くなんだろうこれ?
「...うん」
見たいのにまぶしくて目が合わせられない
「おい!無視してんじゃねーぞ」
「待っててね全員にケリつけてくるから」
背を向けて男たちの方に歩いていくもっと撫でて欲しいと思ってしまうのは何故だろう
「女の前だからって調子に乗ってんじゃねーよ!」
と殴りかかるリーダーらしき男
「女の子に手を出すようなお前らよりいいだろ」
ガードしながらうけこたえする緑川くん
「おらっ」
後ろから殴り掛かるのも読んでいるかのように避ける緑川くん華麗な戦い方に俺は目を離せなくなってしまった
ズドンっと音と同時にリーダーらしき男が崩れ落ちるように倒れる
「まだやるか?」
と残った男たちを睨みつけると「ヒッ...」と漏らし逃げ出す男たちそれを見送った後フゥーと溜息をつきこちらに歩いてくる
「野田さん大丈夫だったか?」
「...ひゃい」
噛んだんだけど...
「どうせ野田さんの事なんだから誰かを庇ったんだと思うけどもっと自分の立場考えた方がいいぞ?」
イラってきて言い返そうとしたが次の言葉に何も考えられなくなった
「かわいい女の子だって自覚した方がいい」
「かわっ!?」
かわいい!?俺が!?
「何言ってんだ!?お前!?」
「?何が?」
天然なのか!?この男は!?
「まあいいや、立てるか?」
足を動かそうとしてみるが腰が抜けて動けそうもない
「もうちょっとかかるかも...」
「そうか...」
それだけ言って近ずいて手を伸ばしてくる
「え?なになに!?」
なにこれ!?え?心の準備が〜
ガバッ
「家まで運ぶよ」
ひめだっこ...だと
「ちょ...おま...え〜?」
「どっちだ?あと君たちも送るからこっち来て」
ん?君たち?
物陰から見てニヤニヤしてる2人と目が合う
「「あ、気にせず続けてもらっていいんですよ〜」」
...見られてた...あれは絶対気づいてる...
「彼女たちにもお礼いっときなよなよ?必死で俺に助けを求めて呼びに来てくれたから」
お礼言いたくない顔で見てくるんだけど...
「ありがとね?2人とも?」
「「いやいやめぐみが助けてくれたんじゃん!お礼を言うのは私たちの方で...」」
急に本気の顔になられるとやりにくいんだ行けないから
「そうだみんなメッセ教えてよ」
緑川が急にそんなことを言い出す
「え〜?ナンパから助けてナンパー?」
緑川の顔がボッと赤くなる...かわいい
「あっ、違う違う!今後こんなことがまたあったらいけないから!!」
「「「かわいい...」」」
「なんで!?」
こんな話をしながらもメッセを交換して帰り始めた...姫抱っこされたまま
「もう歩けるから大丈夫だから...ね?」
「ダメだって!!不安定な子を歩かせるのは俺が怖いからちゃんと見てくれる人がいるところまで運ぶ!!」
恥ずかしすぎる...見られてる...ってか2人ともニヤニヤ顔やめろ
「いいじゃん!役得でしょ?」
「ねー照れちゃってー」
ちゃかしてくる2人でもたまに緑川のことをポーっとした感じで見てる気がする...やり返すか?
「あっ...そうだ楓こっち来て!」
「ん?どしたー」
「耳貸してー」
「ん〜?」
「楓も緑川のことポーっと見てるのバレバレだからね?」
「!?」
真っ赤になって静かになったはいまずひとりー
「瑠美も来てー」
「え?なに?」
さすがに警戒するか...でも手は届く
グイっとこっちに引っ張る
あっまずい姫抱っこされてるの忘れてた...
緑川はとっさに私の肩を支えながら地面に下ろしながら倒れてくる瑠美を抱きとめる
「大丈夫か?」
「ひゃ...ひゃい!」
緑川の身体能力どうなってんだ!?それにしても情けない声〜仕返し完了!!...めっちゃ睨まれてるけど!!
「野田さん?こんな体制の時にあんなことしたら危ないのわかるよね?」
「ヒッごめんなさい!!」
「よし分かればいいんだよ」
ナデナデ
...思考が回らない...えっと肩支えられながらナデナデって実質抱きつかれてるんじゃ2人が満足そうにこっちを見てる
「あの...そろそろ離し」グイッ
ひめだっこされなおしたんだけど...
2人がよってきて両耳に「自業自得だよ」って言われた...屈辱...
家が見えてくるようやくこの恥ずかしい時間も終わりかとほっとする
「家ここだから...」ピンポーン
.......まさか下ろしてくれないとは.........
「はーい」
お母さん出てきちゃうじゃん!!
「ちょっおろして!?」
「めぐみ?あらあらー?」
お母さんもニッコリである...誰か助けて...
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…今考えたら恥ずかしいな...でももっと近くにいて欲しいな...あのヒーローには...