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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
3章 調味料が欲しいです
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焼いた鮭

ガンモの好物です。


 新しい朝が来た。そう!お饂飩さんを作る日の朝だ!

くだらない事を考えてないで、さっさと準備しよう。

実を言うと、お饂飩さんを食べるのは1年以上ぶりなんだよな。だから超楽しみなんだ。材料は小麦粉、塩、水……ぐへへ、鬼さん達よ待っていろ。


昨晩結局寝れなくて、珈琲を沸かした時に使った火を使って預かっていた海水(塩味)を煮詰めて、にがりを取り出す作業まで終わらせたんだ、土器でね。

火にかけた土器を直接触っても火傷しないから、ひっくり返すのやらこぼすのやら、鍋つかみ無しだよ、便利だな神の手!


塩の準備がある程度終わったので、ガンモ用カツオのタタキのサクを二つに分けて、串を刺して中まで焼いてみる、半ナマだとガンモは食べないからさ。


日本に住んでいる頃からガンモは、1つを除いてカリカリや缶詰、焼きカツオやち〇ーる、ウェットフード等の猫用の物しか食べなかったんだよな。偉いだろ、テーブルの上にお魚さんが置いてあっても匂いを嗅ぐだけだったんだ。


(ちな)みに唯一の物って言うのは、焼いた鮭……

塩のあまりきいてない鮭の切り身の焼いたやつ。

それを(ほぐ)してお皿に入れたら狂喜乱舞するんだよ、可愛いだろ?

でも人間の食べ物は塩分控え目と言っても猫にしたら塩分過多になるから、ほんと(たま)にしかあげてないんだよ。今なら大丈夫かな?猫神獣だし……


「なあ、ニノにい……さっきからニヤニヤしながら魚を焼いてるけど、結構キツイぞ見た目が……」

「うわっ!いつから見てたの?」


いきなりカンタ君に声を掛けられてびっくりした。カンタ君の目が笑ってない……


「いつからって言うか、ついさっき起きた所だよ。部屋(雑草ハウス)から出てきたら見えたから声を掛けたんだけど、おはよう。」


「ああ、おはよう。」


そんなに見た目がヤバかったかな?まあいいや、カンタ君も起きて来たから2人でカツオのタタキの残り半分でもご飯と一緒に朝食に食べよう。


「カンタ君ってオケラのまんまで魚食べても大丈夫?アバター変える?」


「ん!どうせなら人間のアバターがいいや、だって味覚がぜんぜん違うし。人間アバターのいい所の1つって色んな味を感じれる味覚だよな。」


俺の質問に答えてくれたカンタ君の答えに同意するな、ミジンコの時に味覚がほとんど無くてキツかったのが思い出される。


「日本から買ってきたカツオのタタキとホカホカご飯を朝食でいい?」


「昼は饂飩だろ?そんなに贅沢していいのかよ?所持金7円だったんじゃ?」


ふふふ、カンタ君。聞いて驚け。


「色々あって、現在の所持金4700円くらいだよ。」


所持金7円だったのが大躍進だろ?どうやらガンモも焼いたカツオの匂いにつられて起きて来たようだし、以前炊いてインベントリに保存してたご飯を取り出して朝食にしよう、鬼さん達と一緒じゃない朝食って久しぶりだし。


人型が居ない時は、ほとんど食事もしてなかったから、なんかこう言う朝も良いなって思えた。

食べるって大事だよな。




 朝食の準備を終えて、ガンモが大きなカツオの塊を見て硬直している。


「ふおおぉぉぉ!ふおおおぉぉぉお!」


どうやら言葉に出来ないようだ。仕方ないから塊を(ほぐ)してあげようとしたら。


「ダメ!ぜんぶを一度に貰っちゃダメ!いつも通りの大きさでいいから二つちょうだい!」


ん?二つ?って思ったら……ハルちゃんも来てた。


仕方ないなあと言いつつも、すごくニヤニヤしながら猫用平皿二つに、何時ものサイズのカツオタタキをさらに焼いたヤツを解してあげた。

カンタ君が何か言いたそうにしていたけど見えないフリをしておいた。


お手製の外に設置した食卓にカンタ君と2人で向かい合わせに座る。

ご飯と味噌汁、漬物2枚と薄く切ったカツオのタタキに辛い玉ねぎのスライスとニンニクのスライスを乗せて、軽くポン酢を掛けた物が朝食だ。


「うひょぅ美味そうだな。いただきます!」

「うん、いただきます。」


そう言って手を合わせてから2人無言でカツオの奪い合いをした。楽しい朝食だった。



ガンモのモデルになったウチの飼い猫の食生活です。焼いた鮭以外の人間用の食べ物は匂いを嗅いでフレーメン反応したりします。

猫のフレーメン反応してる時の顔も可愛いですよね。


読んで貰えてありがとうございます。

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