ドッキドキ
土っ器土器?土鍋だよ。
さて、小麦粉の用意も終わって、鬼さん達も座部板に乗って各方向の海に向かって……
と言うかスケボーみたいな感じで乗って行った……
鬼さん達が間違った方向に進んでる気がする……
それは置いておいて、海水を汲んで来る作業をやってくれている間に各種海水を煮詰めるための鍋を用意しないとなんだな。
どうやるかって、もちろん土器だよ土器。
土を練って乾燥させて焼く、うん土器だな。
日本人だと土器と言われたら縄文土器と弥生土器どちらを想像する人が多いだろうか?まぁどっちも土器なんだけどな。
俺が日本からこっちに来るくらいの頃には色々と当時の生活風景が分かって来ててさ、子供の時に学校で教えてくれなかった事も簡単にWebで探せるようになってるだろ?縄文土器のデザインを再現しようとすると滅茶苦茶難しいらしいぞ。
なので弥生土器っぽい何かと言う土器を作るつもりだ……
でも、それも難しそうだから土鍋型になるかもな……
土器を作る、つまり焼き物を作るってのに大量の薪や炭が必要じゃないのか?手に入るのか?って思うだろ、でもそこは魔法で解決さ。
基本的に鬼さん達は外向きの魔術と呼ばれる……あれだファイヤーとかブリザドとかのあれだな、あれを使えない。
でも例外が居るんだ、それが体内に魔石を持ったまんま緑鬼になったパンさん、そしてその血を隔世遺伝で色濃く受け継いだハクさんとモモちゃんも緑鬼族の中で例外的に外向きの魔術を使えたりする。
なので3人に乾燥と焼きをお願いしてるんだ。
土鍋型土器を作ってくれているのは、いち早く甘い海水を汲んで来てくれた子供達、それとどう見ても泥遊びにしか見えないカンタ君……
でも1番上手に土鍋を作れているのがカンタ君なんだよ、やっぱり器用だな。
乾燥や焼きを3人に頼って3人の労力が大変じゃないのか?って思うだろうけどね。俺ってなんですか?そうですね神様なんです。
タブレット操作で神気を少しだけ解放する、そして神気操作で身体から漏れ出す気体状のエーテル素粒子(魔力っぽい何か)をまず液体にする。
そして液体化したエーテル素粒子を結晶化させて、外界や他の異世界物でよくこう呼ばれてる物になる、そう魔石ね。
自然界に漂うエーテル素粒子じゃなくて、神から直接絞り出したエーテル素粒子を原料にしてる魔石。
つまり凄い高純度の最高級の魔石ってやつだ。
おっさんから滲み出したって表現しないでくれ。
それを3人の巫女さん方に渡したら、なんてもの作ってるのって感じのジト目で見られた。
どうせ作るなら長く使える物をと思って気合い入れ過ぎたのが悪かったようだ。
「こんなダンジョン最深部の魔物からも出やしないくらい高純度の魔石なんて受け取れません。」
なんてパンさんが言うもんだから。
「以前渡した大量のスキルオーブの方が手間が掛かってるんですよ。」
と言ったら、しぶしぶ受け取ってくれた。
あっちは数がね、1人約380個くらい渡したから……うんやりすぎたね。
ちなみに鬼さん達が汲んで来る海水に含まれる微生物も、土の中の微生物や虫たちもみんな避けて貰ってる、微生物や目に付かない小さな虫たちも聖域の生き物だからね、微生物語や虫語なんて言語もスキルオーブ化して渡したからな。
釉薬替わりの飯を作る時に使った薪の灰を水で解いたものを掛けて乾燥させる。
乾燥の作業はハクさんとチャさんがモモちゃんに火魔法の制御を教える為に後ろについて指導している。
スキルオーブの火属性制御特級を渡せば簡単に解決なんだけど、やってみせ、言って聞かせてさせてみて、てアレって大切だなと思い、とりあえず渡さずにチャレンジして貰ってる。山本五十六元帥海軍大将の言葉だな、知りたい人はネット検索だ!
子供を働かせてって思うかもしれないが、魔力切れになる事は無いからな。触媒にしてるのが最高級の火魔石だからね。
だから3人とも座りながらのんびり制御の練習がてらの作業なんだよね。
本気で結晶化させたから素直な魔石だろ?制御だって超簡単なはずだ。甘やかし過ぎかな?
子供達が楽しく作ってくれた各土鍋の乾燥が終わったら焼き入れになるんだけど、パンさんとハクさんの合体魔法はえぐい……それ以上火力上げると溶けるから!って止めたくらいだったよ。
そっこー焼き上がった。びびったよ。
あとは焼き上がった土鍋で1回おじやか、お粥を作ってやれば土鍋は完成だ。
おじやかお粥を作る理由は海原さんと山岡さんの料理対決の漫画の土鍋の回を探してね。究極と至高の対決のアレだな、まあ読んでくれ。
ガンモとハルちゃんは、のんびりお昼寝してたけど、パンさんハクさんの合体魔法を見て何か思い付いたのか2匹で尻尾を膨らませてウンウン唸ってる。カワユス。
焼き物体験をされた方は分かるでしょうけど乾燥とか焼入れとか釉薬とか、と言うか粘土で形を作るのも難しいですよね。
鉄を手に入れるのは次の章なので今回は土器です。土鍋です。そろそろ鍋物が美味しい季節です。
こんな後書きまで読んで貰えて感謝です。




