臼を回します、回っております
この回を書く直前に筆者は、朝からとある地方でかいもと呼ばれる、唐芋、薩摩芋のつらむきをしてきました、全て人力でやっていた頃の農家の皆さんに頭が下がる思いです。
結局、どこに誰が行くなんて人選が終わったら俺のポジションは小麦粉を作るになってしまった。
北の海に行きたかったんだけどな。
だからひたすら小麦粉を作るために臼を回す。
グルグルグルグルグルグルグルグル……
臼を回す事が物語になるのか?って俺も思う。でも臼を回す、これだけで物語になるんだよ。
臼って言うのは、一度軽く説明したと思うけど、大きいものを小さいものに砕いていく、それだけの作業なんだ。単純だろ?でも回す素材は石なんだよ。重い!重いんだ。
だからアバター操作で体を大きくして楽をしている。これを小柄な昔の人間サイズの人間の力でやっていた頃の事を考えると頭の下がる思いだ。
めちゃくちゃ疲れるもん。
なんで俺が小麦粉を作る作業をしているかと言う理由だけど沢山ある。まず今回作るのがお饂飩さんと言う所。
小麦粉と一括りにしてしまうと小麦粉なんだけど、饂飩を作るのに適した小麦粉ってのがあるのを料理をする人なら御存知だろう。
グルテンつまりある種のタンパク質だな。それの含有量で強力粉、中力粉、薄力粉なんて大きく分類される事を。
今回作る小麦粉は中力粉になるように品種改良された麦を使った小麦粉なんだけどさ。
よくあるだろ、異世界に行って現地の小麦粉を使って料理で俺SUGEEEEEEする異世界転移物ってさ、でもあれって中世ヨーロッパ風のファンタジー世界が殆どじゃん、でもよ小麦粉なんて中世ヨーロッパで簡単に手に入ると思うのか?
手に入る訳が無いだろう。
ちゃんと調べればわかる事なんだけどさ、まず麦の種類。大麦、燕麦、小麦等々細かく分けたら簡単に書き連ねるのが困難な程に種類もあるし。
麺を作るにしてもラーメンの麺だと強力粉、饂飩なんかだと中力粉、パスタなんかだと薄力粉なんて、ちゃんとどの小麦粉がどの麺に適してるなんて細かく解説してるラノベなんて無いだろ?
簡単に街の露店や商店で小麦粉を手に入れて、たいして苦労もせずに美味いだろってしてる作品に少しだけ物を言いたい!
中世ヨーロッパだと一般人が小麦を食べるなんてえげつない贅沢なんだからな!
簡単に手に入ると思うなよ!
閑話休題
ひたすらに臼を回す、俺の近くで小麦粉をクンカクンカしてくしゃみをしているガンモに癒されながら。鼻の先っぽが白くなってるよ、可愛すぎる。
ちなみにガンモの恋猫さんの名前なんだけど、パンツァー様や俺が付けた名前は無いんだ。パンツァー様が聖域に住む全ての生き物に名前を与えてたら僕死んじゃうよ。なんて言って名前をくれなかったらしい。
確かにガンモにガンモと名付けたらえげつない倦怠感が襲って来たもんな。あれを何万何億なんてできるわけが無い。
でも名前が無いと不便なので、父猫や母猫になんて呼ばれてた?って聞いたら春芽姫って呼ばれてたって教えて貰ったのでハルちゃんって呼んでる。
若芽彦のお嫁さんが春芽姫……うーん悪くない。
ガンモのお嫁さんがハルちゃん、悪くない!
ガンモに言わせたら母猫に勝るとも劣らないスリムな美猫さんらしいが、生憎と猫になった事が1度も無いので猫の美的感覚は分からんのだ。すまぬガンモ。
それでもガンモとイチャイチャするハルちゃんを見てるだけで癒されるので美猫だろうが、ぶちゃいく猫だろうが気になる訳が無い。
ガンモとベクトルの違う癒し成分を大量に含んでいるのがハルちゃん、そう覚えてくれ。
そうそう、饂飩を作るなら出汁をどうするかって疑問だろ、植物性の出汁なんだけど、昆布っぽい海藻のアルラウネさんが居るんだ。
そのアルラウネさんをお風呂に入れると、素晴らしい昆布出汁が出来る。ファンタジーだろ?
利尻昆布並みとまで行くのかどうかなんて疑問だけど、十分旨い昆布出汁なんだわ。
そして動物性の出汁。こっちは鰹節なんて存在してないからな、そこは1度日本に行って俺のイチオシのカツオ出汁を買ってこようと思う。
小麦粉をある程度(50kg)程用意出来たら、1度日本に行くつもりだ。
ガンモとハルちゃんにあげる焼きカツオとち〇ーるも買ってきたいからな。
汗だくで腰が痛いです。
50m程の畝を2つだけのお手伝いだったのですが、めちゃくちゃ疲れました。
筆者はホクホクした食感があまり得意では無いので焼き芋や蒸かし芋、フライドポテト等々の芋類や茹でた栗等が苦手です。それでも食べますよ。
異世界農業だからって、なんもかんもファンタジーにするのもなあと思い、ある程度主人公にやらせてみてます。でも同じように筆者もやってます。
農業ってね、めちゃくちゃ大変な仕事だよ。
それが言いたいだけなんですよね。この農業回って。
農家の皆様に感謝して、毎日ご飯を食べてます。
こんな後書きまで読んで頂けて感謝しか出来ませぬ。ありがとうございます。




