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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
3章 調味料が欲しいです
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スッポン

旨いの説明は面倒臭いですね。


 鼻血を出したカンタ君に拭くのをちょっとだけ待ってもらう。


「カンタ君!その鼻血吹いたらダメ少し待って。」


大慌てでカンタ君を止めて、先日玉藻の前の子供の魂を封入されたキツネ夫妻を大急ぎで呼んで来た。


「カンタ君、このキツネさん達にその鼻血舐めさせて。」


またカンタ君の目が、こいつ何言ってんだ?頭沸いてるのか?ってジト目になってる。


「カンタ君、君の鼻血を君の親友が受肉するための触媒にしてよ、聖域の生き物が妊娠するのにある程度力のこもった触媒が必要なんだ。ちょうど良かった!」


何故か鼻血とか涙とかの体液関係はエーテル素粒子(魔力ぽいなにか)に変化しないんだよな、普通に怪我して血が出たら霧散して元に戻るのに……不思議仕様だ。


「うっ……そんな理由なら仕方ないや……っておい!」


坊主の小学生に大型犬サイズのもふもふキツネ2匹が戯れてる姿……

保存するべきかしないべきか迷うけどニカラの皆さんの手前保存は止めておいた。


二匹に顔面全体を満遍なく舐め回されて疲れ果てたカンタ君を置いて、ニカラの皆さんへの聖域の説明会を再開する。カンタ君は疲れ果ててるように見えても、実は全然そんな事無いはずだ。

だってもふもふに舐め回されたんだよ、もふらーなら体力充電される所だもんな。


カンタ君がもふらーだと思った理由だけどさ、悔しいけどあの性悪狐女の狐姿って真っ白でもふもふなんだよ……

見た目だけは良いんだよ。

だからその子供と親友と言うならもふらーのはずだ。


閑話休題(はなしがすすむのがおそい)


 何故海の味が四つに別れてるのかをチャさんとパンさんが細かくニカラの鬼さん達に教えてあげてる間に、カンタ君がキツネ夫妻にお礼を言われてある程度復活したようなのでニノ先生に戻るとする。ちなみに味の別れてる理由だけど簡単に言うと各大陸の土に成分が含まれてると言う事だ。


「さて、四大陸の土の成分が流れ出して各海域の味が決まってると言うのは理解出来たようなので、残りの苦い旨いについて話しますね。」


この話はチャさんもパンさんも知らないはずだ。


「味を感じる舌は大きく分けて六つの味を感じ取る事が出来ます。甘い辛い塩っぱい酸っぱい以外の2つ苦いと旨いです。苦いのは皆さん分かりますよね?」


そう言うと鬼さん達ほぼ全員が嫌いな味だと言っている、ほぼと言うのはアカさんとエンジさんが苦い物を食べて呑む酒は良いぞとか言ってるからだ。


「ちなみに苦い海が無い理由なんですけど、私の前任者である大いなる(パンツァー)様がこの惑星の海が誕生した時に、苦いの苦手なんだよ、苦手なだけで食べられない訳じゃ無いけど好んで食べる味じゃ無いから食べたい奴は草の汁でも搾ってちょうだいと言って、何種類かの草に苦みを封入したらしいです。」


なんかパンツァー様ってさ子供みたいだよな……子供舌っていうの?一応天の川銀河より大きな銀河ひとつ全域をカバーする全能神のはずなんだけどな……


鬼さん達とカンタ君に苦みの説明をしたら、カンタ君はなんか納得したような顔をしながら。

言われてみればそうだな、ニカラの皆さんは苦い草ってあれだな。とかざわついている。


さあここからは変態日本人発祥の第六の味覚、旨みについてだ。


「そして通常皆さんが知っている味覚とは、甘い辛い塩っぱい酸っぱい苦いの五味だと思いますが。実は六番目の味って言うのが有るんです。それは旨み!」


旨みと言った所でドヤ顔をしたら、皆がポカーンと口を開けている……解せぬ。


「世界を構成する物質の中にアミノ酸と言われる物が存在しています。そのアミノ酸の中でもイノシン酸とグルタミン酸と言う2つのアミノ酸が旨みの正体なんです。」


そう言ってタブレットを操作して、絵で解説アミノ酸とイノシン酸とグルタミン酸、と言う画像を空中に投影してみた……

さらに皆さんポカーンとなっている、時代を先取りし過ぎたか……


「この旨みという成分は、作成した臼で小麦粉を作ってから、小麦粉を使った料理を作る時に細かい事を教えますね。」


お饂飩さんを作る時の出汁で説明する方が早そうだ。

とりあえず皆さん頷いてくれたので聖域の四方の海の話に戻るとする。


「ここでもう1つ質問です。中央大陸、聖なる大地、聖域と呼ばれるこの大陸ですけど。四方を守護する聖獣が存在してるのを皆さんご存知ですか?」


そう、フラグを見抜く目を持った読者さんなら、この時点で気付いただろう、だけど細かく説明する。


チャさんとパンさんは知っているようだ、そりゃ大陸を渡ろうと思ったら海に出ないとだもんな、そして聖域に向かって流れる海流に必ず捕まるわけで、その時にでも見たんだろう。


青龍、白虎、玄武、朱雀、地球だとそんな感じだろ、でもこっちは違うんだ……しかも微妙に惜しい感じで違うんだ。


俺の問い掛けに答えてくれたのは、コンさんだった。


「北の海の聖獣様は知っています。とても大きなスッポン様ですよね?船旅をすると稀に甲羅干しをしているスッポン様を見ることが出来ると船乗りから聞いた事があります。」


「そうですね、皆さん中央大陸から見て北東のラスト大陸出身ですから北の海を守護するスッポンの事はご存知だと思います。」


そう、ちょっとだけ変わったスッポンなんだよ北の海の守護聖獣ってさ。

どう変わってるかと言うとまず甲羅が真っ平らなんだ、そしてデカい。


「先日青い月を着陸させた時の浮島を覚えていますか?あれが北の海の守護聖獣のスッポンです。」


そう、甲羅が真っ平らで関西空港並の広さを誇るスッポンが北の海と言うか聖域の北を守護する守護聖獣なんだ。

なんでそんなにデカいかって言うと、パンツァー様が大陸を渡る時に乗る為だそうだ……


カンタ君が、あの浮島ってスッポンの甲羅だったの!って驚いている。勉強するのも少しは楽しいだろ?


ニカラの鬼さん達も、あれが聖獣様なのか自分の目で見れた事が誇らしいとか言ってる。

俺にしたら違和感しか無いんだけど……


守護聖獣残りの三体がどんなのか、既に分かった人はお見事としか言えません。

いちおう残り三体のうち二体はフラグ立ててますよ。分かって貰えたかな?


ここまで読んで頂いて感謝します。



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