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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
3章 調味料が欲しいです
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糸と綿と海

海は?広いな?大きいな?不思議だな。


 カンタ君が鬼さん達を呼んでくると言って出て行って、連れて来るまでの間に足元に擦り寄ってきたガンモにサーモン味のいつもの奴を絞り出してあげてみた。


「ふがっ!ふがっ!ふがっ!」


音にすると凄く小さな声でにゃっって言ってるんだけど、言葉に出来ず舐め続けているガンモを見て癒されている。


「そっかサーモン味が1番好きだもんな。」


そう言いながら最後の一絞りを絞り出してやると。


「サーモン!でも宗田ガツオ!ん〜……本マグロも!……」


と数種類の味を思い出して、どれが1番なのか考えているらしい、やがて考えるのが面倒臭くなって来たのか。全部1番好き!と言いながら猫扉から外に出ていった。

でも食べる時の反応を見てたらサーモンの時が1番貪り付いてるからな……可愛い奴め。


そんな事を考えてたらニカラの鬼さん達がわちゃわちゃしながら家の周りに集まって来た。


「ニノにい!全員連れてきたよー。」


元気よくカンタ君が呼んでくれたので家から出たのだけど、ニカラの皆さん丸太の椅子に乗って来たようだ……

なんか変な事流行らしちゃったな……

少し反省しよう。

しかし大人の鬼さん達は丸太の椅子じゃなくて丸太を座布団くらいの厚みにして胡座をかいて浮いて移動してくる……


「ニノ様、これ使い勝手が良いんだけど硬いのが難点でね、もう少し柔らかい尻当たりの良い素材って手に入らないもんかね?」


そんな事を聞いて来たのがベニさん、まあその体型だと尻が痛いだろうな……

こわ!睨まれた。


「そうですね布は森に住んでる赤い蜘蛛さんから糸でも貰って織りましょうか、紡げますよね?中に入れる綿ですけど、アルラウネさん達の中に綿毛持ちが居たはずですから分けて貰いましょうか。」


体型の事を考えたら危険だと思い、さっさと布と綿の入手先を提案してみた、案の定ベニさんの機嫌が少し治ったようで目が柔らかくなった。


どうやらニカラの女性達は、糸を紡いだり布を織ったりするのは出来て当たり前的な文化らしいので問題ないと言う事だけど、後日糸と綿を手に入れる時に着いて来て欲しいと言われた。

なんか皇帝綿かとか、シルクスパイダーの糸だと!なんて聞こえたけどスルーしておく。

でも俺の鑑定と皆さんの認識に齟齬が有り過ぎて、本当に俺の鑑定が正しいのか少し心配になってしまう。


閑話休題(さきにすすまないよ)



 あまり余計な事を考え過ぎるのも気晴らしにならないなと思って……

(けしてカンタ君がニカラの子供達と丸太レースで楽しそうに遊びまくってたのが羨ましくてカンタ君に勉強させようと思った訳じゃないぞ)

いつも集まるニカラ集落と我が家の中間に作った広場に全員で移動してきた。


「皆さん今日はこの間のように動画の準備をしていませんので映像だけになりますよ。あとチャさんとパンさんのお二人は私の左手の方に座ってくださいね。」


チャさんとパンさんの2人を俺の近くに座らせたのは、この2人が四大陸全部を旅した事があるからって理由だ。

ある程度世界の海の情報を持ってる2人だから俺の解説が足りない時に補足して貰うつもりだ。それを2人に伝えたら快く快諾してくれた。


さあニノ先生の解りにくい授業の始まりだ!


「さて、皆さんはラスト大陸出身ですよね。」


そう言って目の前に5列に並んで座っている鬼さん達に問い掛けると、全員頷いてくれている。

カンタ君は上の空で鼻くそほじってる……


「皆さん知識として知っているでしょうが、世界の海は四つに大きく別れてますよね。」


そこでタブレット操作して映像を空中に投影する、プロジェクター要らずでお手軽だな。


「まず今住んでいる中央大陸南西部に面する海、これは西の海の1部になります、この海の特徴を誰か答えられる方は居ませんか?」


そう聞いたら、微笑ましくも子供達が僕が私がと言って争い始めた。


「答えたいなら手を挙げて、上げた人の中から答える人を選ぶから。」


そう言うとギン君以外の子供達が手を上げてくれた。なので最初は1番年上のエンジさんハクさん夫妻の子供のモモちゃんを指名してみた。


「西の海は煮詰めるとお砂糖になります。いっぱい煮詰めると美味しい飴が出来ます。」

「正解、西の海は甘い海ですね、それじゃ東の海は?」


そう聞くとモモちゃんとギン君以外の子供達が手を上げている。

なんでギン君が手を上げないのかって聞かれたら、まだ2歳なんだよ。身長1mくらいあるけどな。

やっと最近言葉を少し話すようになったって叔父のアオさんが教えてくれた。


「それじゃリョクちゃん、東の海は?」


リョクちゃんは、真ん中の年の女の子だ。八重歯が可愛い鬼の女の子だな。


「辛いです、煮詰めると凄く辛くなります。でも、どこの海岸の水を煮詰めるかで味が変わるらしいです。」

「正解。それじゃ北の海は誰が答えてくれるかな?」


そう言って子供達を見るとモモちゃんリョクちゃんが手を上げずに他の3人が手を上げている。


「それじゃミドリ君。」


ミドリ君はリョクちゃんの弟でソフトモヒカンの髪型がカッコイイ少年だな。


「北の海は塩っぱいです!煮詰めたらお塩になります。お塩は握り飯に付けると美味しいです。」

「正解。それじゃ南の海は?」


残ったのは2人、コンさんの娘のオウちゃんに答えてもらう。答えられなかったクロさんの娘のコクちゃんが残念そうにしている。


「酸っぱいです、煮詰めるとお酢になります。でも酸っぱい食べ物は苦手です。」

「正解、それじゃコクちゃん。あそこで鼻くそほじって聞いてないカンタ君に四方の海の事を教えてあげられるかな?」


残念そうな顔をしていたコクちゃんが、キラキラ輝く笑顔になって大きな声でカンタ君に向かって四つの海の説明をもう一度してくれた。

その光景を見て大人の鬼さん達は爆笑している。


「なんでオイラが勉強しなきゃなんないんだよう。」


だってあなた神様でしょ?俺が不在の時は貴方が1番偉いんだからと心の中で思っておいた。


そんな文句たらたらのカンタ君に笑顔でコクちゃんが甘い辛い塩っぱい酸っぱいんだよ、と教えてあげてるのを見て、平和って良いなぁと思った。


ただカンタ君、いきなり話題を振られたからって吃驚してほじくってた鼻に指を突っ込み過ぎたのか、鼻血出てるよ。



ファンタジー設定です。砂糖や塩や香辛料で内政SUGEEEEEEは出来ません。

各大陸普通に砂糖塩酢香辛料流通してます。


次回苦いのと旨いのの説明とその他


読んで頂いてありがとうございます。

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