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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
2章 隣人が出来ました。
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田植えです!

ペットボトルに5リットルくらい入ってる焼酎って呑みすぎると次の日がヤバいですよね?何事も程々が肝心です。


 今日は、カラフル曜日だ。朝から大人の鬼さん達が散々たる有様だったけど。理由は昨日の安い焼酎だ、がぶ飲みして3本程空にしてくれた。


元気いっぱいなのが子供達だけなので昼くらいまで休ませようかと思ったけど田植えをやってしまいたいんだよね。借りてきた物を今日中に使ってしまいたいから。


「皆さん、無理矢理二日酔い治しますから田植えの準備をしてくださいね。」


そう言うと、鬼だ!神の癖に鬼がいる!なんてブーイングが来る。


「皆さん、今ある食料品って私の手出しなんですよね、神の世話になり続ける気ですか?それに、今頑張れば4ヶ月後に米の飯を食えますよ、この間とほぼ同じ品質の。」


そう伝えた。


因みに今は、麦と米が半々のご飯だったりする。俺は、意外と好きなんだけどな。


米の飯が食えると聞いた子供達がテンションMAXになって騒いでいる。それを見て大人達も二日酔いの頭を押さえながら立ち上がってくる。


「よし、ガンモ!一気にやっちゃって!」


「うん!仕事する!仕事した後に焼いたマグロ貰う!」


と、相変わらず食欲なガンモが尻尾を膨らませて治癒魔法で大人の鬼さん達を癒してくれる。


ガンモに焼きマグロを塊であげたら、ちゃんとほぐしてって言われたから、ほぐして器に入れてあげる。


 田植えである。それ以外に言い様がない。

人力でやる田植えである、鬼さん達は。

なんで鬼さん達は、と言ったのかって言うと。

俺だけ田植機を使っているからさ。


鬼さん達の作業風景は、田んぼに長手方向に30cm間隔で糸を張って、横糸を子供達に持ってもらって移動しながら交差する所に苗を4本ずつ植えて貰ってる。


因みに、こんな事をする理由って既に2日前に説明してある。風通しを良くする為って、それ以外の理由もあるんだけど説明するのが面倒臭いので割愛する。


1番小さな男の子のギン君が、一生懸命苗を渡すお手伝いをしているのが微笑ましい。

いみしかトンビが腰を屈めて田植えをするアオさんを、飛んで来て後ろから突っついて転ばしたりしている。皆大笑いだ。


 俺の方は、日本からレンタルしてきた手押しの田植機を使ってサクサク田植えをやって行く。

因みに着ている服は胴長だぜ!水が入ってこないから便利!暑いけど。


なんだいあれ!凄い早いじゃないか!あんな物があるんだねぇ凄いねえ。なんて言われているけど無視ですよ無視!日本の稲作用農械は世界一ぃぃぃぃなんて心の中で叫んだりしてる。


 今回使ってる手押しの田植機って三日前にマルトさんに連絡して今朝日本に行って、コ〇リで借りてきたんだ。農協じゃないぞ。


身分証は、マルトさんが用意してくれてた。なんでも神様用に戸籍を貸し出す機関が国に有るらしく「そろそろ田植えの時期がきそうだったので身分証作っておかないと農械のレンタルが出来ないと思いまして。」って言ってた、ありがたい。その行政機関で2週間分の身分証の発行申請をしてくれてたようだ。


お礼に、マルトさん超お気に入りの最長老の実をビニール袋いっぱいにして渡してきた。


鬼さん達が3枚目の田んぼに突入した頃に、他の6枚の田んぼの田植えが終わっていたので、皆さんから凄いブーイングが出てこっちにも貸してくれよと言われたけど……


そこは「これって壊したら大変な事になるんですよ。」と言って貸さなかった。

買えば10万円じゃ効かないから、壊して買い取りとか言われたら半泣きになるからね、まぁそんな事無いんだけど。

あれって神器なのかね?なんて声が聞こえる、違います農械です。


 お昼になって、日本から持ち込んだ最後の米で炊いたご飯で握ったお握りを全員に配った、具は塩コンブと梅干しだ、どちらも日本製。


「こんな美味い米を作るのって、こんなに細かい作業が必要なんだねえ。神様が持ってきた米だから美味いって訳じゃないのが良くわかったよ。」


と恰幅の良いベニさん(女性)が関心していた。

日本人の米にかける情熱を甘く見て貰っては困る!などと心の中で返しておいた。


 そんなこんなで、田んぼ10枚の田植えが終わったので青い月の新しいのを準備する作業に入る。鬼さん達は、一人残して慣れない作業で疲れたのか全ての月が登る前に寝てしまった。


残った1人ってのがクロさんなんだけど。


「我々は、夢でも見させられているんじゃ無いのだろうか?本当に貴方は神なのか?」


なんてタブレットを操作して月を作る作業中の俺に聞いて来るもんだから。


「1度本気で神気でも纏って見ましょうか?」


と言ってタブレット操作で神気をMAXに解放してみる。


緑色の顔色だったクロさんが、真っ青な顔色になって五体投地でひれ伏している。やりすぎちゃったかな?と思い神気を元に戻す。


「どうでした?立ってられないと言うか、目の前に存在してられないでしょ?」


1年間色々とタブレットを弄り倒してある程度自分の能力を把握したんだけど、こんな事も出来るんだ。


「本当に神なのですね……」


そう言われたから。


「ええ、本当に神なんですよ、因みに名乗ってませんでしたね。名前はニノと言います。」


そう言うと、御名前を呼ぶなんてとんでもないって言われたから。


「隣人になるんですから、ニノと呼んで構わないですよ。あんまり仰々しいのも好きじゃないんで。」


「ニノ様とお呼びします!疑いを持った事に謝罪致します。」


なんて言われた……面倒臭い。


「呼び方は、好きにして貰えたら良いです、謝罪する必要なんか無いですよ。この惑星一帯に存在する全ての存在の神なんですが、基本的に放置してるんで疑われても仕方ないですもんね。」


クロさんがかしこまっている。


「それに、まだこの惑星と本格的に繋がって無いんですよ。」


「繋がって無いとは?」


「えとですね。このパンツと言う惑星に名前を与えないといけないんですよね、自分の名前を……」


そうなんだよ、リンクするのを戸惑っている理由が。


「パンツって名前自体は、私の上役のパンツァー様の御尊名から取った名前なんですけどね。その後ろに私の事を示す名前を付けないといけないんです……つまりパンツニノ惑星になるかパンツニ惑星って名前になるか、パンツノ惑星ってなるかなんですよ……酷い名前だと思いません?」


「なんとまぁ……」


クロさんも呆れてる。


「良いのでは無いですか?公表しなければ今まで通りパンツの大地と言う名で続くのでしょうから。」


そう言われたけど。


「実は、名前を付けた瞬間に神の世界全てに公表されてしまうんですよ。だから躊躇(とまど)っているんです。」


いつか諦めが付いたら名付けようと思う……

それまでは、ほっといてくれ。





小学校の頃に人力で田植えをした事ある人居ますよね?めちゃくちゃ重労働じゃ無いですか?筆者は田植機が良いです。


惑星の名前の下りなんですけど、パンツ和信、パンツ田崎ってのも考えたんですど……

売れない芸人みたいな感じに聞こえるなとボツにしました。


ここまで読んで頂いて感謝します。ブックマーク、評価ありがとうございます。

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