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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
終章 新世界
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おっさん家!

おっさんの家です。


 雲が割れて差し込んで来る光が幻想的ではあるが、聖域に居る者達の興味は星神がどうなったか?それだけである。


 もちろん最初に見つけたのはカンタ君なんだが……


「やべ!ゲーム入れすぎててメール開けない……フリーズしちゃった……」


 仕方ないから上を見たようだ。まだ新世界の誕生に気付いていない。


「あちゃーニノにい、それはダメだよ。日本だったら捕まるレベルだよ。まあ最後の詰めが甘いのもニノにいらしいっちゃらしいのかな?」


 カンタ君の目に映るのは……全ての祟を浄化されて、初期アバターに戻ったニノなのだが……


「でもさあ、気絶したまま裸で落ちて来るのは分かるよ……あんな膨れ上がってたんだから、服は破けちゃったんだろうしさ。」


 地球から持ち込んだ服だったから世界の壁が仕事したんだと思われる。とりあえずニノは裸らしい。


「それにしても、落ちて来かたってのがあるじゃん……なんでフルチンなのにうつ伏せに落ちて来るんだよ。丸見えじゃん!平均サイズのニノにいが丸見えだよ……」


 ニノを許して下さい皆さん。それは仕方ないのだ、背中には疲れた猫と兎が座っているから。星神の背中を座布団代わりにして。


「ガンモ君。せめて何か布を巻かないと……このままじゃニノさんのフルチン姿が聖域中のさらし者に……」


「僕もウサギさんも裸だよ。ニノも裸で大丈夫。」


 猫だけに……兎だけに……そんな事を言っている場合じゃない。なぜなら18歳以下の子供も居るから。

ジョゼフ君とかシャルル君とか……モモちゃんもだし、リョクちゃんとかミドリ君とかコクちゃんとかギン君とか……ソフィーちゃんとか。


「え〜と……確か羽衣があったはず。」


 マルトさんは、あんまりスキルやギフトを持ってないから、タブレット操作をしなくても普通に自分の習得スキルや特技は発動出来たりする、使い慣れてるから。

だから普通にインベントリを開いて、異界渡りの羽衣を取り出してニノの腰に巻き付けた……タブレットを使っていれば現状を把握出来ていたのに。


 風呂上がりにバスタオル1枚巻いて出てきた、おっさんスタイルの出来上がりである。


「これで全裸は回避できました。ニノさんの言う通りですね。布がコレしかなかったら巻きますね……以前は怒って申し訳ない。」


 未だに目覚めないニノには聞こえていない。


 落下して来るニノを遠巻きに見守る聖域の生き物達。

その生き物達を掻き分けてルイ16世が走る。


 落下して来るニノを受け止める為に。


 聖域の生き物達は分かっていた、だから動かなかった。

浮くスキルを使いっぱなしだったと言う事を分かっていたのだ。


 なので地上に墜落する直前にニノは5cm浮いている。


 地面に近付いた段階で、ガンモとマルトさんはニノの背中から降りたのだが……

ガンモは逃げ出し、マルトさんは少し離れて焦っている。


 何故なら……


 ニノの元に、涙と鼻水で顔を濡らしながら、マッチョなおっさんが腰にバスタオルを巻いて走って来たから……

それも仕方ない、すっぽんぽんでカンタ君に家に放り込まれたのである。上手に着地出来なくて死に掛けたが、神の家に付与してあるガンモの継続癒し魔法で超回復したルイ16世。


 全裸だったせいで、純血を守っていた妹に変態と叫ばれ、キン〇マを蹴られそうになり、可哀想に思った友に差し出された羽衣をバスタオル代わりに腰に巻いて走って来たのだから。


「うわあ……マッチョなバスタオルいっちょの白人さんと、イケメンでバスタオルいっちょの白人さんが……」


 近くで見ているマルトさんもドン引きである。


「なんかダメな物を見てる気がするよオイラ……」


 ニノを抱き締めて、名前を呼んでいる。


「ニノ!起きろ……私だ、ルイだ。」


 ルイ16世が大声で叫んだら……


「我が王……どうなりました?」


 目を覚ましたニノ……


 感動のシーンなのだが、大切だからもう一度言う。

2人共、風呂上がりにバスタオルいっちょ腰に巻いてリビングに出て来たおっさんスタイルである。


「ここはもうフランスでは無いのだろ?それなら私は王じゃないさ。ただのルイ・カペーだ。王などと呼ぶでない。ありがとうニノ、必ず来ると信じていたぞ。だいぶ前にマリーから聞いていたからな。」


「なんだ……知ってたのですか……」


 遠巻きに見たり、絵になったりしたら、神話の1ページに見えそうな感じだが……2人とも半裸のおっさんである。



「さあ!皆の者。宴の時間だ!宴の用意だ。」


「だなナメッコ。防衛戦成功!死者0だし怪我した奴はは全員治療済だし、最高の結果だな。宴に参加しない奴は解散。」


 そして、他のルイ16世一家の中でニノの元へ走って来る者が1人。


 マダム・エリザベートなのだが……


「どけやゴラァ!」と叫びながら豪快なドロップキックを兄に食らわして吹き飛ばした後に……


「ニノ!私と結婚するか、私に殺されるか選びなさい。」


 そんな事を叫んだとかなんとか。




 その後の宴では、再会を祝う者、婚約を祝福する者、防衛戦の成功を祝う者、暴れられた開放感に酔いしれる者、色々な理由で宴に参加している。数年に渡りため込んでいた食料も酒も大放出である。


 今は笑顔になってはいるけど、聖域に生きる者達は様々な辛い事を体験してるし、これからもパンツノ惑星には色々辛い事もあるけど。


 お気に入りの寝床から見えるパンツノ惑星の聖域の、おっさん家は今日もソコソコ平和ですにゃ。




              おしまい



 


なんとか、ここまで来れました。


読んで貰えて感謝です。

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