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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
終章 新世界
330/347

パンツノ聖域

舞台は聖域へ


 マリー・アントワネットが聖域へと転送された直後、カンタ君が生き物達に指示を出して、祟り神に変質したニノを待ち受けていた時。


「おばちゃん。あんたも家に入っててよ、めちゃくちゃ忙しいんだから構ってられないんだよ。」


 コメカミに青筋を立てていても、例え目が笑っていなくても淑女であるマリー・アントワネット。

おばちゃんと言われても我慢している。


「ここはどの様な場所なのですか?ムッシュー・オーガ教えて頂けませんか?」


 目の前に居たアイさんに尋ねて見たようだ。

身長3m68cmの鬼に怯むことも無く……と言う訳では無い。実を言うとスカートで見えていないのだが膝が震えている。


 因みにアイさんは、いきなり知らない人に話し掛けられて硬直してたりする。覆面を付けていないと初対面の人には緊張してしまうようだ。


「マリー!こっちだ!」「お母様!」「ママ。」「ママー!こっちに来てー!」「ちっ生きてたか!」「お義姉様、こちらへ。」


 舌打ちをしたのはテレーズだったりする。

口煩く淑女、淑女と言われて叱られていた事を、少しだけ根に持っていたようだ。


「………………」


 言葉も出せずに走り出すマリー・アントワネット、目の前にある小さな小屋の扉から覗く我が子の顔、見た瞬間に涙と共に感情が溢れて来たようだ。


「お母様。走ってはなりません淑女ですわよね?」


 そんな事を言うテレーズも含めて、皆が目に涙を浮かべている。


「あんたらってルイ16世一家なんだろ?ニノにいもヤバいのと関わってたんだなあ……ゼウスの奴、今ごろ怒り狂ってんだろ……」


 カンタ君だって何気に神である。地球に生きる全ての蟲の神なのだ、ルイ16世の詳細くらいわかっているようだ。


「とりあえずさ、祟り神になった……う〜ん……アンタらに分かりやすく言うと……邪神になったニノにいが降ってくるから、その家から出ないでくれよ。」


 まだこの時は気楽である。カンタ君に見えていた未来は、最大サイズのカンタ君より少しだけ大きい祟り神が降ってくる光景だったのだから。


 そんな時に転移門が開く。

自動販売機の地球から聖域へ来る転移門は封鎖されていた筈なのに。


「う〜ん。やっぱり空気が美味しいわね。排気ガスの匂いが……ちょっとするけどどういう事?」


 出て来たのは玉藻御前、九尾の白狐姿である。


 パンツノ惑星で九尾の動物が災厄と呼ばれる理由、ラフテルで神をしていた頃から自由奔放我儘気侭、何もかも好き放題やり尽くし、ラフテルから移住して来た生き物達から、九尾の動物が災厄と呼ばれる訳を作った張本人だったりする。

今ではパンツノ惑星で九尾と言えば厄災、そんな事が常識になってしまった。


「焔様!こんな時に何しに来たんだよ、忙しくて相手出来ないよ。」


 カンタ君が玉藻御前が苦手な理由、昔散々焼かれた事があるから……ぎゃー虫!虫っ!虫ーーっ!って言われながら。


地球(むこう)じゃ酷いことになってるわよカンタ。あんたもいい加減独立しなさい。こっからは誰かの眷属だったら耐えられないわよ。」


「なにそれ?オイラと同じくらいの大きさの祟り神な…………嘘だろ……」


 カンタ君が再度未来眼を発動して見えた物は、雷霆をガムシャラに投げまくるゼウスと、己の質量を遥かに超えた祟り神が降ってくる光景。


「ホントにこりゃ不味い。仕方ないなあ……」


 カンタ君がタブレットを操作してテューポーンにメールを送ろうとする……


「うし、これで……」と呟くカンタ君がメールを送った直後にテューポーンの眷属から解放される事になった。送ったメールは……



 ありがとね、火星から移住して来てヨーロッパを占拠しようとしてたオリュンポスの神々と戦って、負けて死に掛けてた所を保護してくれて、オイラ独立するよ。



 そんなメールを送った直後にカンタ君の見た目が成長してしまう。


「久々に暴れん坊な将軍アバターだぜ!期間限定、八代将軍吉宗アバター!大人サイズって動きやすいのな。」


 おっさんになった……


「気合い入れんぞ!めちゃくちゃヤバいから。蟲達、オイラに集まれ。オイラの名前はカン、三千世界の虫けらの神だ。」


 ずっとカンタ君に(たか)りたかった聖域の虫達が、カンタ君の許可を得て意気揚々と集まってくる。


 そんな事をしていたらカンタ君のタブレットにメールが届いた、送り主はニノとなっているが、メールを書いたのはロキ。


「来るぞ!原初神同等の祟り神が。皆気合いを入れろよ!」


 カンタ君の言葉の後に聖域の空が割れ……


読んで貰えて感謝です。


後日完結前に291話目に書くつもりだったソフィー殿下のエピソードを割り込ませるつもりです。申し訳ない。

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