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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
1章 始まりの1年
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チェーンソー

諦めが肝心です。


 最長老に雑草テントの近くまで大木を運んで貰って何処に置きましょうか?と言われたのだが……

さっきの話を思い出して。最長老に向かって。


「草の上だと下敷きになった草が可哀想ですね。」


と、俺が言ったら。それならと言って最長老がブツブツ呟いてる……


するとどうでしょう、地面から根っこを引き抜いて、まるで動物のように雑草が移動し始めた……

ファンタジー過ぎる……


「あやつらに、場所を空けるよう指示しましたぞ、これで地面に置いても生き物の迷惑になりませぬぞ。」


そう言って最長老が、雑草が避けてくれた地面に大木を置いてくれた。そして


「それでは、森に帰りますのじゃ。植物の事でお困りになったら、何時でも呼んで下され。」


そう言って森に帰って行った……

頼りになり過ぎるやろ……ちょっと前まで大号泣してたのに。


 とりあえず最初にやる事と言えば枝を払う所からなのだがナタか斧が無いと枝を払うと言うのは、大変なので。まず斧の修理からやる事にする。


大木の枝の中でY字型になっている物を鋸で切り落とす。そして切り落とした木の二股部分に斧型の石を挟んで石から飛び出してる部分を力いっぱい縛ろうとしたら草の縄が簡単に切れてしまった……


やはりヒモが欲しい……そう言えば!ある事を思い出してタブレットを取り出す。

今度は、尻のあいだからポロっと落ちてきた……

どうなってんだこれ?


タブレットを操作してアバター画面から服の項目を起動する、そしてパーカーを着込む。そう、パーカーのフードの部分に付いてるヒモ、これで行けるはずと思い引き抜く。

そのヒモを使って思いっきり縛るとガッチリ固定出来た。軽く振ってみるといい感じに振れる。

とりあえず細い枝から試しに払ってみると……


おお!行けた!いい感じに枝が払えた。

そしてひたすら枝を払う……


石斧の先が丸くなってきたら玄翁で軽く成形して枝を払う作業を続ける。ひたすらガツンガツンやってみるも、大木と言うくらいだ。しかも人間が木材にするために手を入れていた木でも無い。


めちゃくちゃ枝が多い!葉っぱが付いてないのが唯一の救いだけど……

やってられっか!半分ほど枝打ちが終わったくらいで太陽が沈み掛けている。


腰道具の中身を道具箱に戻して、アバター操作で寝やすそうな格好を選んだ。今日の作業は、もう終わりでいいや。


「ガンモ、夜ご飯だけど。カツオとカリカリで良いかな?」


少し離れてこっちを見ていたガンモに話しかけたら、足元に近付いて来て体を擦り付けながら。


「お仕事お疲れ様!夜ご飯は、ぺろぺろするのも食べたい!」


そう言うもんだから、〇ゅーると焼きカツオとカリカリとミネラルウォーターを用意した。


 明日の作業の事を考えてみる。

まず残りの枝を払ったら、皮を剥かないとなのだが、皮剥きが無い!くっ!持ってくればよかった……


確か倉庫に置いてあったはずなのに……

って明日になれば日本に行けるはず……

そう思うと気が楽になったが……手作業で全部やるのか?いやいや無理だろ無理!


だって製材なんてキツイぞ手作業だと……

デカい木挽鋸なんて持ってないし……

ぐぬぬ……

むしゃむしゃとカツオを貪って居るガンモに。


「ガンモガンモ、ガンモ用貯金から少しだけお金貰っていい?」


と聞いたら


「お金って何?美味しい?」


あれ?お金を理解してない……


「美味しくは無いけど、美味しい物と交換出来るよ?」


そう言ったら。


「うーん、美味しいマタタビくれるなら、使っていいよ」


なんて言うものだから、ガンモ用棚からマタタビの粉末を取り出してお皿の中のカリカリに掛けてあげる。


「キター!マータータービー!ヒッャハー!」


テンション爆上がりでマタタビまぶしカリカリを貪り尽くして、満足そうにグルーミングを始めた。


よし!明日は、マルトさんに連絡を取って日本に行ってエンジンチェーンソーと混合ガソリンを買ってこよう。

チェーンソーがあるなら竪穴式住居じゃなくてログハウスでもいける!でもログハウスとか1人で作るの面倒臭いから、竪穴式住居っぽいなにかでいいや。


そう考えて居たら、東の空から青の月が登って来るのが見えた。日が登ったら起きて、日が沈んだら寝る……

なんかこんな生活も良いなぁってしみじみ思えた。



エンジンチェーンソーと1リットル入りの混合ガソリンなんかホームセンターに行けば簡単に手に入ります、こんな時代に産まれて良かった。


読んで頂いてありがとうございます。

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