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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
終章 新世界
329/347

ルイ・オーギュスト

ルイ16世後編です。


 テューポーンとゼウスが対峙している間、マルトさんを貼り付けたニノの顔。少しだけハッキリして来た意識だが、見た目には意識が残ってるようには見えない。


 そんな顔が処刑台の近くに近付くにつれ、ルイ・カペーは叫び続ける。


「ニノよ!何をしておるのだ!ニノよ!しっかりせぬか!」


 まだ名前を付ける前、生きるか死ぬかも分からなかった時には、少年しっかりせよ、と声を掛け続けたルイ・カペー。


 その時と同じように声を掛け続ければ。


「おむがえにあがじました。わがおおよ。」


 しっかりと迎えに来たと答えた。


「そうか……そうだな……」


 我が王と聞こえた、王と呼んでくれる者が居た。


  歓喜。


 ルイ・カペーの中に歓喜が巻き起こる。



 1歩1歩、祟り神化したニノに向かって歩き始めるルイ・カペーなのだが……


「おおよ、ぢかづいてばいげまぜん……のろわれでじまいばす……」


 呪われると言われても気にも止めない。


「何を言うニノ、私は王である。フランス国王ルイ16世である。たった1人しか民がおらずとも、王と呼んでくれるフランスの民が居るのであれば私はフランスの王である。民に手を差し伸べるのを誰に遠慮せねばならん。」


 あと数メートルでニノに触れようかと言う時……


「あ〜、再戦はお預けだ。全くよ!」


 テューポーンがルイ16世の目の前に立ち塞がる。


「お前はバカか?見てわかんだろ?アイツに触れたら即死だぞ?」


「邪魔をするな下郎!私が民に触れるのに誰に憚らねばならん!道を開けよ!」


 テューポーンの神気を浴びて膝が震えながらも強がるルイ16世。それを見てテューポーンは。


「仕方ねえな……人間なんかに着られるのは癪だけどよ……俺を着て行けや。三千世界で最も頑丈な鎧なんだからよ。」


 光の粒子となってルイ16世にまとわりつく。

鎧その物、鎧その物を指す名を持つ神でもあるテューポーン。鎧となってルイ16世の体を守る事にしたようだ。


「ニノさん。次は何をすれば、何をすればいいのですか?」


 ルイ16世がニノの顔に近付いて来るのだが、マルトさんには何をやれば良いのかが分からない。


「ニノ。何故にこの様な姿になっているのだ?なあニノよ。」


「わがおおよ。ごがぞくはぜんいんおだずけしばした。あどばおおおびとりでず。」


「うむ。大義であった。良くぞやってくれた。」


 祟り神に変質したニノの頬に触れるルイ16世。

マルトさんの目の前で繰り広げられている光景はまさに神話の1ページである。


「なんですか!タブレットから……これは?」


 マルトさんが持つニノのタブレットからインベントリが開いて料理が出てくる。アオさん特性ルイ・カペー型グルテンミート料理である。


「ごびーしまずね。しばじおまぢを……」


「おっさん、処刑台に運べ。飛ぶぞ。」


 整体情報をコピーされた料理を処刑台に運ぶルイ16世、自分の見た目をしている何かが気になるが、纏っている光から聞こえる声に従ったようだ。




 テューポーンが飛ぶと言った2分前……


「マジで?人間の為に鎧になっちゃったよ。」


 過去に1度も誰に着られる事も無かったテューポーンが鎧に変化した事に驚いているのだが……


「あちゃ!カンタにメールしなきゃか!やべっ!」


 上空ではロキが大慌てでカンタ君に送るはずだったメールを送り忘れていて、大慌てである。


「内容が全部ダメだ。間に合うかな……」


 転移に関する項目はセットされていてニノしか変える事が出来なかったようで、時間をずらす事も無理。仕方なく大慌てでカンタ君に贈るメールを書き直しているのだが、世界一のFPSプレイヤー戯神ロキ、流石である。そこそこ長いメールを入力を受け付ける限界ギリギリのスピードで終えて、送信ボタンをタップする。


「んでインベントリを開いて料理を出せば……」


 よし!と小さくガッツポーズをしたロキ。処刑台に料理がセットされたのを見て、時間と空間を越える。


 向かう先はパンツノ惑星、神の住む大地。



読んで貰えて感謝です。

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