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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
終章 新世界
328/347

ルイ・カペー

ルイ16世前編です。


 ゼウスの目に映ったテューポーンなのだが、ゼウスには一瞥もせずにマルトさんやニノの元へ向かう。


「なぁぜにぃ出て来たぁぁぁ!死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ!」


 己の事を気にもしないテューポーンを見て更に怒り震えるゼウス。ペース配分なんかを考えないフルスピードで連続に雷霆を放ち出す。


 次から次に降り注ぐ世界を震わせる威力を持つ雷霆なのだが、アダマスの鎌で切り裂かれつつ、ゼウスの神気が空っぽになるまで全てを受け切った事のあるテューポーン。肩から生える無数にある蛇の頭を動かして全ての雷霆を喰らい尽くす。


「よう!兎。やるじゃねえか。さすが俺のお気に入りだ。さっきはよくも言ってくれたな。」


「主!大いなる主!ニノさん、助かります!助かりますよ、ニノさん!」


 奪い取る事も自由だったはずの目のギフト、眷属を辞めると叫んだのに、繋がっている絆。

助けに来てくれると信じていた、そんなテューポーンが目の前にいるのである。マルトさんが歓喜するのも仕方ない。


「今は聞こえちゃいないさ。終わらそう。」


 マルトさんには理解出来なかったのだが……


「ニノ。直接会うのは2回目だな。1回目は俺の言う事なんて全く聞いてくれなくてよ……」


 雷霆を呑み込み消滅する蛇を次から次に操作してニノとマルトさんを護るテューポーン。


「とりあえずなんだ、礼を言う。助かった。」


「何をごちゃごちゃ言っている!貴様はまだ無常の果実の効果が残っているだろう!」


「うっせーゼウス。遠くからぴょんぴょん物を投げるしか出来ねえのかよ?さすが自称全能(笑)」


 その言葉にゼウスは後の事を考えるのを止めた。


「我が神気全てを込めて!唸れ雷霆!」


 パリ市街を全て巻き込む程の雷霆を放つ。


 だが……

ニノの体が反応する、フランスを守る為だったのか、ただマルトさんを守るためだったのか、それともただ身動ぎしただけなのか、今やパリ市街全てに覆い被さる程の大きさになったニノが……


「ゴガゲェガガカャザバガガバォ」


 何を訴えているのか、何を言おうとしているのか、もはや叫ぶだけなのか、赤黒く異常な形に膨れ上がってしまいながら雷霆を受け止めているのだが……


「ニノ!その声はニノか!待っておったぞ。さすがは私のニノだ!必ずと言った言葉は忘れぬぞ!」


 地上から叫ぶのは演説を終えた直後のルイ16世……いや、今はルイ・カペーと呼ぶべきだろうか。


「さすがロキ、ナイスタイミング。マルト、食え。食って癒してやれ。」


 祟り神なんかものともせず、優しくマルトさんに食えと言って、栄養満点ミラクル胡桃を渡すテューポーン。


「主!ありがとうございます!」


 貪りつくように胡桃を平らげ、回復しきったマルトさんの癒しが発動する。

その間もゼウスの雷霆は何度も何度も最大出力で射出されているのだが。


「あじがどうございばずバンヅアーさばァ……あどばおでがいじでいびでずが……」


「嫌だね、自分でやれ。お前が必ず迎えに行くって決めてたんだろ?それならお前の見せ場だ、部下の見せ場を奪っちゃなんねえだろ?」


「でぎびじい……」


「ニノさん!大丈夫です。私がついています!迎えに行きましょう。」


 大きく動き出す祟り神、ルイ・カペーの元へ向かうニノの顔と顔に張り付いたマルトさん、テューポーンはゼウスと対峙している。


「頑張れよ……」


「テューーーーポーーーーン!何故に今更出て来たのだぁ!お前は確かに負けたはずだっ!何故に今更!」


 怒り狂うゼウスに向かいテューポーンが答えた答えとは……


「まだ1勝1敗だろ?これが3戦目だ。どっちが先に2勝出来るかな?」


 不敵な笑みを浮かべていた。



読んで貰えて感謝です。

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