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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
終章 新世界
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ルイ17世・ルイ・シャルル

シャルル君です。


 1795年6月7日の夕方に移動して来たニノ。

吸収した神器の部分が腐り始めている。


「いっでぇぇ……なんだよこれ……神器とか言ってたけど、呪いだろこんなの……」


 アバター操作をして服を綺麗な状態に戻したのだが、背中の部分にドドメ色のピロリ菌だった頃の触手が生えて来ている。


「痛覚遮断しても痛いってどんなだよ……」


 ベルサイユ宮殿近郊からパリへと向かって歩き出したニノだったが痛みを抑えるのに必死で、神気が漏れ出しているのに気付いていない。


「めちゃくちゃ沢山神器持ってたけど……あれ全部がこうなんのかよ……ハハハッ……キツイな。」


 あと4回、21世紀に転移しなければと気が重くなるのだが……


「シャルル殿下が受けた虐待と比べたら屁の突っ張りにもならんですよ!」


 おどけて見せるも痛みは続く。


「気合と根性だな。アオさんが言ってたもんな……棍棒なんて気合いでくっ付けてますってさ……」


 ニカラの鬼達が背負っている棍棒は気合いで背中にくっ付けているらしい。本当は魔力で保持してるんだけど。


「気合で鉄より重い丸太をくっ付けてるんだし。痛いくらいで諦めたくないな。」


 徐々にタンプル塔に近付くニノ。

消えたままルイ・シャルルの居る部屋に近付いたのだが……


「あれって……くそが!あいつじゃないか……」


 ニノが悪態を付くのは仕方ない。

己の過去に散々虐待の限りを尽くしてくれた男。

シモンと言う名の盗賊だった男がルイ・シャルルの部屋に入っていく。


「どっかで聞いた事ある名前だと思ってたらアイツだったのか……」


 子供の頃を思い出して、何か出来ないか考えたようだ。


(やっぱりアイツは、このままじゃ普通に寿命で死ぬのか……さすがに……)


 シモンの未来を見てみたのだが、納得の行かないニノ。


 時間を更に遡って1793年7月3日に移動して来た。



 移動して来た後は、シモンとシャルルが同じ部屋に入ろうとした時に時間を止めて……


「よし!お前はシャルル様の身代わりになれ。」


 シモンにシャルルの外見をコピーするニノ。


「んで……この料理はコイツをコピーして……」


 持ち込んだアオさん特製の謎肉料理にはシモンの姿をコピーしたようだ。


「魔石を入れて……思考を写して……よし!出来上がり。」


 グルテンミート料理をシモンの考えと行動をプログラムしたダンジョンモンスターにしてしまった。


「お前が子供に優しければ、お前自身は生き残れるさ。」


 本人の思考を持つダンジョンモンスターに裁きは委ねるようだ。



 ルイ・シャルルを腕に抱いて、1度マリー・アントワネットの元に移動するニノ。

1階上の階まで歩き、マリーの時間の流れを動かした。


「王妃様。お久しぶりです。覚えていますか?」


「あら。ハンサムなニノね。覚えてますわよ。今度はシャルルですか?貴方に教えて貰った未来ではまだシャルルの命は……」


「さすがに虐待なんてさせられませんよ。今の状態でお助けします。」


 周りの時間が止まっているが気にもしていないマリー・アントワネット。


「貴方の指示通り、貴方を見捨てて逃げて良かったのかしら?」


「ええ。もちろんです。100年先も強いフランス。それを望まれているのはわかっていますから。」


 少し困った顔をするマリー・アントワネットなのだが。


「報告が来ましたよ。貴方は死んだのですって?首だけになって晒されてしまったのでは?」


「ええ。死にました。その後も何度も何度も死にました。でも必ずと言いましたから。」


 そう言ったニノに鞄から何かを取り出して渡そうとするマリー・アントワネット。


「前に来た時に忘れていた物よ。ソフィーも貴方が助けてくれたのかしら?少し香ばしい香りがしてたから変だと思っていたのですが。」


 ソフィー殿下をコピーした料理の味付けが、北京ダックと同じ物だったのが悪かったらしい。変に思われていたようだ。


「はい。申し訳ないです。王妃様の前に姿を表す順番を間違えていました。」


「あら。相変わらずドジね。でもシャルルはどうなるの?もう動いてないの?」


 さっき何をしたか説明したのだが……


「あら。貴方を虐待した男だったのね。自分に自分が虐待されるなんて……ざまあみろって感じですわね。それなら階下で起きている事は気にしない方が良さそうね。」


「今の状況でハンス様、テレーズ様、ジョゼフ様、ソフィー様の保護は完了しました。シャルル様も同じ所で保護します。」


 にこやかに頷くマリー・アントワネット。


「次はエリザベートかしら?エリザベートを保護する時は、ちゃんと仮面を付けて行くのよ。エリザベートの所へ行ったら、ちゃんと抱きしめてあげなさい。貴方が居なくなってから、ずっと喪に服してるんだから……好かれている事くらい分かってるでしょ?」


「身分が違いますので……。」


 違うと言った身分だったのだが。


「私達はもう平民よ。身分なんて気にしないの。男は度胸でしょ?それとも……ニノはエリザベートの事が嫌いだったりする?」


「いえ……そんな事は……」


 仮面を付けながら顔を赤くするニノ。

ずっと好きだったのだから。転生する時もどこかに残っていたのだろう、1度も女性に手を出そうとしなかったのだから。そんな相手を、好かれているから抱き締めろと指示を受けた……


「さあ。シャルルをよろしくね。次は何時会えるのかしら?待っていますわ。」


 止めていた時を元の流れに戻して転移して行くニノ。


 その時の顔は、赤鬼よりも赤かったりする。





ふぅやっとメインヒロイン登場。遅かったでしょ?


読んで貰えて感謝です。

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