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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
終章 新世界
312/347

デュポーン

ふふふ


 ジョゼフ殿下を異界渡りの羽衣に包んで21世紀に戻って来たニノだったのだが、ゼウスが待ち受けていると覚悟して来たのに、何も攻撃が来ない。


「あれ?変だな……まっいっか。」


 布から顔を出そうとするジョゼフを転移させた後に、次にどっちに行くか思案し始めた。


「エリザベート様か……ソフィー様に行くのが良いけど……先にソフィー様かな。今ならテレーズ様もイタズラとかしないだろうし……。」


 しかし……


「あっ……ソフィー様から先に行かないとだったのか……まっいっか。消えて内緒で送っちゃおう。」


 1787年6月19日に向かうニノ、ゼウスが諦めたとは思えないようだが、居ない事に安堵していた。



 その時のゼウスは……


「なあクロノス。たまには力を貸してくれても良いだろう?お前もオリュンポス12柱の1人なのだから。」


 スマホをいじるクロノスを説得しようとしていた。


「いや!だってせっかく買ったゲーミングスマホなのよ!LRボタンを搭載してる凄いのなんだから!仕事は何時もしてるでしょ?時間の管理をしてるじゃないの!これ以上働くなんて……毎日24時間働いてるのに!」


 時の神だから、働かないと時間が進まない。


「G〇ogle Playカ〇ド3万円でどうだ……いや5万円分出す!頼むから……」


 時と空間の神クロノス、時を止めて過去に未来に、更に言うと空間を切り離して移動すればゼウスすら捕まえられないので、基本的に自由神(じゆうじん)である。

報酬のGo〇gle Playカードに心を動かされるまでは、協力する気など一切無かったようだが、金額が一瞬で5万円に上乗せされたので……


「2枚!5万円分を2枚で働こうじゃなイカ!」


 報酬を吊り上げてみたようだ。


「ぐぬぬ……背に腹はかえられぬ。私のへそくりの殆どだが仕方ない。」


 何とかクロノスの協力を得たゼウス、ベルサイユ宮殿の近くに転移したのだが……


「くっ!丁度出た所では無いか!行先は分かるか?」


「ボス戦が終わったら調べるから待って!」


 時を司る神に言われては何も出来ない。

自称全知全能なのに……


「どれくらいで終わるのだ?」


「さあ?20分ぐらいかかるんでない?」


 画面を見たら中ボスと戦っている所で、中ボスの名前がデュポーンだった事にイライラし始める。


「ぐあ!こんな所まで叔父上か!」


 ゲームには全く関係して無いのだが……




 その頃の聖域では。


「う~ん。まあおっちゃんがニノにいの大切な人だって分かるけどさ。来ていきなり襲い掛かるとか……どう言う事だよ。」


 自動販売機で飲み物を買って、人間サイズのギン君やミドリ君と午後からのレースはどうするか相談していたカンタ君、鬼を見て襲い掛かってきたフェルセン侯に説教をしている。


「ニノにいから手紙を預かって来たんなら読むけどさ……」


 手紙に書いてあった事に驚いたようだ。

そうしていると、また転移してきた人物が2人。


「あれ?フェルセン侯……あれ……ジョゼフ!」


 マリー・テレーズとルイ・ジョゼフである。


 カンタ君はそれ所では無い。読んだ手紙の内容が……


「明日までに帰って来なかったら……オイラに星神を任せるって……どう言う事?」


 ジョゼフを抱きしめるテレーズとフェルセン。


「ん?フェルセンおじちゃんは分かるけど……おばちゃんだれ?お姉ちゃんに似てるけど……」


 病人だった為に一切化粧もしておらず、数年歳を重ねた見た目のテレーズに聞いてはいけない事を聞く純粋なジョゼフ君10歳。


「ジョゼフ……テレーズお姉ちゃんだよぉ。」


 その言葉を聞いて逃げ出すジョゼフ……思いっ切り走りながら。


「貴方に指示を仰げとニノから助言を受けた。どうすれば良い?」


 2人の姿を見てホッコリするも、自分の置かれた状況の確認を優先したフェルセン。


「あんたらはニノにいが、何もかも投げ捨てて助けようとしてる人間なんだろ?だったら何もしなくていいから、ニノにいの家に入ってて。言語理解と浮くも習得してさ。」

 

 走って行ったテレーズとジョゼフはエメリーさんが植物魔法で拘束して連れて来てくれたので、家に押し込むカンタ君だったが、押し込んだ後に大慌てで自動販売機に向かう。


「なんで警報鳴らすのも100円要るんだよ……」


 未来眼を発動しながら財布を取り出すカンタ君、鳴らした警報は……


『急襲警報!急襲警報!急襲警報!急襲警報!』


 聖域に住む全ての住人を呼び出す警報であった。




読んで貰えて感謝です。



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