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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
1章 始まりの1年
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願いの叶う7つの玉

うーんいいんだろうか?


 何度も何度も五体投地スタイルで謝られても話のひとつも出来そうにないので。


「とりあえず、元の位置に戻って貰えませんか?」


と言えば、木なのにうねうね動いて埋まっていた場所に根っこから入っていく。

ヌメっとかヌルッとかうねうねとか、微妙に気持ち悪い動きに最近何回も遭遇しているような気がする。


しかし、老人の顔がとてつもなく焦っているのも気の毒なので声を掛けようと思うが。なんと言ったものだろう?と思案していたら、あちらから話しかけて来た。


「大いなる主よりこの星を受け取られた新しき主と思わずに罪人を扱うかの如く振舞った事は、全て森を護るためであり、新しき主を傷付けようとしたのでは御座いません。この度の行いは、我が存在を持って償いにして頂けませんでしょうか?何卒我が一族まで災禍を拡大させないで頂きたく、何卒何卒この老骨の存在を消滅させる事でお許しを頂きたいと新しき主の慈悲に縋る事しかもはや出来ません。」


と言われてもなぁ……


「いや、別に何一つ痛い思いもしてないですし。ちょっとびっくりしただけで存在を消すとかしませんよ。一族まで災禍とか、どんだけ暴君なんですか。」


存在を消すとかどうやれば良いのかさっぱり(神力の神罰の中にありそう)だけど。今の目的は、建材を手に入れるだし。


「それにパンツァー様から与えられた職務が森を護るためと言うのなら。今回の行動は、正しい事でしょうし罪なんか問いませんよ。今回の事が誰かの責任になると言うなら、周りに後任が赴任する事も伝えず長期の旅行に出掛けたパンツァー様じゃ無いでしょうか?だからお気になさらず。赴任したばかりで、分からない事が多いので色々とお話を聞かせて頂ければありがたいです。」


そう言うと老人の顔がびっくりした表情になった後に大号泣……

どうすんだよこれ……



 しばらく大号泣している巨木に付いた老人の顔を眺めていたが、だんだんと面倒くさくなってきた。

俺ってこんな我慢出来ない人間だったかな?と思ったが。人間を辞めたのを思い出して、神になった影響かな?と考えてたら老人の顔が泣き止んで来た。なので聞きたい事を聞いてみる。


「食べる物は殆ど不必要で、着るものも今の所困って無いのですが。住む所が無いもので、家を建てようと思っているのですが。やはり聖域の木を切るのは、ダメですかね?」


そう聞いたら。


「この星の全ては、大いなる主よりこの地を受け取られた新しき主の物。この星のすべからくが喜んで命を差し出しましょうぞ。なので気にせずどんどん切って頂きたい。」


すっげー重いよ!命を差し出すとか重い以外の何者でも無いよ!


「あのー……命を差し出すとかじゃなくて、太い枝を1本貰うとか、立ち枯れた木を貰うとか出来ません?俺と飼っている猫1匹が雨風しのげれば良いくらいの大きさの家を作るつもりなので、それほど沢山要らないのですが?」


「なんと慈悲深い!しかも死してなおも主がためになるなど名誉な事を考えて頂けるなど……我らエントの一族にこれ程名誉な事などありませぬ、どうぞお好きな若木でも立ち枯れた同胞でもご存分に使用して下され。一族を代表して感謝申し上げる。」


重い!重いよ!てかやっぱりエントなのか、ちょっとファンタジー生物に出会えて日本人の心がウキウキしてくる。


「別にエントの方々を切るとかじゃなくて、普通の木で良いんですよ?それに若木は、切っちゃだめでしょ?」


そしたらまた巨木に付いた老人の顔が大号泣……

面倒臭い。



 その後に色々とエントの老人と話したのだが。過剰なまでの丁寧語は、答える方もしんどいから普通に丁寧語で良いですよと言えば泣かれ。


名前があるのか聞いたら、名前を覚えて貰えるなんて感激ですと言って泣かれ。


聞いた名前がナメッコの霊木の最長老と呼ばれておりますと言われたのだが、なんでも願いの叶う7つの玉なんて作れます?と聞いたら作れないと言われ作れない事を謝罪しながら泣かれ……

とにかくめんどくさかった。


「ふぉぉネズミー!臭い!臭い!でも止められない。」


遠くからガンモの声が聞こえていた。




ふぅ!1章部分で出てくるキャラがやっと全部揃いました。次回は、ここまでの登場キャラ一覧を投稿しますね。

やっと家造りです。コンクリートが無いので竪穴式住居です。

読んで頂けて感謝です、ブックマークが毎日増えているのにびっくりしながら五体投地で喜んでます。

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