色々
色々です
場所は変わり日本のとある地方での事。
「お久しぶりやな。ほんま自分悲惨わや。何度目の転生や?やっと喋れる状態で死んだやん。豚の丸焼き姿なんてボケ……笑えへんけどな。」
何回目の転生か……今回は豚に生まれ変わっていたようだ。
「何度目か……なあ今でどれくらい近付いた?目的にどれくらい近付いたんだ?」
「全然遠いわ、まだ4ポイントしか貯まっとらんで。言うたやん?めっさしんどいでってな。まっ、今回も投げられへんそうやし、ワシが代わりに投げたるわ。」
ホッ、ホッ、ホッと言いながら小さい矢を的に向かって投げる課長。
「おお!人間やで。次の行先は……昭和・団塊の世代・人間や……良かったな……やっと少しマシな一生を……送れへんね。あんじょう気張りや。」
その後……
「自分な……せっかく人間に生まれたんに……まあええわ。今回ので誰かを救う言うんがめっさしんどいって分かったやろ?」
団塊の世代に生まれ変わったのだが、中卒で肉体労働に従事していたニノ。死んだ時は頭上から降り注ぐ鉄骨の下敷きになってしまい、今の見た目は……グチャグチャである。
「カチヨーという意味が分かった。それだけで収穫だ。中間管理職か……世知辛いな……」
「今回、兄さんが助けた人物は後の歴史に関わる人物やってん。せやさかい解脱ポイント1貯まっとるで。まっ、今回は片手が無事やし自分で投げられるやろ?投げてみ。」
クルクル回る的に当たった三本の矢……
「おっ!2回続けて人間って運がええな。元禄・百姓・人間か……あらまあ今回も悲惨やね。」
そして次に向かう。
「おかえりー。腹減った?ほなやったらさっさと先に行って飯食わして貰いや。」
「ジュラ紀・虫・ゴキブリ……」
頑張りやーの声と共に次に……
「パックンチョされとったな。しかしゴキブリの一生は楽しやろ?死に方は悲惨やったけど、それなりにエンジョイしとったやん?今回はワシが投げたげるわ。」
「飛んだり泳いだり走り回ったり……それなりに食べ物も豊富で確かに楽しかったが……」
「次は魚やね……昭和・津軽海峡・マグロ……お寿司にされてまうわ……食べに行くし美味しくなっときや。」
「くんなっ!」
その後も様々な生物に転生するニノ。
お寿司になって課長に美味しく頂かれたのかは誰も知らない。
「ハデっちゃんどうよ?お好み焼き食わしてくれよ。食いながら聞くからさ。」
「ん?ええよ。野菜だけでええんやね?その前にツケ払ってからな。」
「ハーデス……ツケって3000円くらいだろ?俺が代わりに払うよ。」
ロキから500円札を6枚受け取ってお好み焼きを焼き始めるハーデス。
「で、どこまで育てれば良いのだ?大方ほとんどの生物には生まれ変わったのだが……」
「え〜とな……猫と兎と狐は要らないや。それを抜いて全部回ったら、ポイント貯まる一生に行かしてやって。」
「なんで猫と兎と狐は要らないんだ?ポンちゃんの世界には猫も兎も狐も居るだろ?」
「おしえな〜い。って冗談。まあその3種はならなくても大丈夫だからさ。」
焼けたお好み焼きにソースとマヨをかけた後に青のりと鰹節が踊っている……
「んで今回は何になった?」
「今回はな……セミ……なんだが……」
「何かあるのか?」
「以前の一生で自分が舗装したコンクリートの下に産み付けられててな。成虫になろうと這い上がっても……」
「うわぁ……」「無駄死に過ぎる……」
お好み焼きを頬張り始めた3人は、冷める前に食べたいようで、その後無言になってしまった。
読んで貰えて感謝です。




