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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
9章 必ずと誓った事
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課長

課長さんです。


 イライラし始める老人と首だけのニノが会話をしている時に遠巻きに見ている人物が1人。テューポーンである。


(ハデっちゃん。そいつか?変な奴って。)

(ああ。カトリック教徒なのに解脱出来るとか変じゃないか?)


 少し思案するテューポーン。


(俺が貰う。使える所まで育つように誘導しといてくれ。)

(ぽんおじが何を考えてるかわからないが、コイツなら弟も文句を言わんだろうよ。仏教系の神化だからな。)


 ニノの死から数日後、本来なら死から2日以内には手続きを始める冥王なのだが、今回はちょっとした理由で手続き開始が遅れたのである。


(ゼウスに見つかんないようにアジアに頼むよ。)

(日本でいいな。木を隠すなら森と言う、神を隠すなら八百万の神の中にだな。)

(頼んま。んじゃまた日本(あっち)でノシノシ)


「そんな……そんな馬鹿な事があってたまるか!何故に!何故に我が王がギロチンにかけられるのだ!」


「もう、めっちゃうるさいわ。特別に教えてあげてんで。はよ決めてや、キレイさっぱり忘れるか、神なるか、アナタはどっち?」


 冥王は関口さんの出ている番組が好きなのだろうか?料理を選ばせる番組よろしく、アナタはどっち?と聞いている。


「神になれば我が王を……我が王の家族を……救えるのか?」


「う〜ん……無理やね。今のまま神になった所で、豚の1匹でも救えたら御の字や。それくらいのショボイ神にしかなれしまへん。」


 今のままで、確かにそう言われたのだ。


「それなら救うにはどうすればいい?何をすれば救える?」


「んとな、フランス国王が神から選ばれたっちゅうのはわかっとるか?選んだんがワシの弟のやねん。んでな、前の王様で飽きたから返して貰うわって感じで貸し剥がしよってんや。せやさかい今の王をヨーロッパ在住の神が助けるんは、ヨーロッパに君臨する最高クラスの神に逆らわなあかんねん。」


「飽きた……飽きただと!巫山戯るな!飽きただけで何故に……」


「知らんがな。ワシは弟とちゃうねん。それにな、神は気まぐれねん。人間なんて気にしよらんで。」


「そんな…………なあ頼む……我が王を助けてくれ……貴方の弟のと言うなら、貴方が兄であるなら……。」


「ん?それは無理やわ。ワシは死んだ魂しか自由に出来へんねん。まぁ助ける道が無い訳じゃあらへんで。めっちゃキツイけどやるか?」


「あるのか!あるならなんでもする!教えてくれ!何をすればいい?」


「まあ簡単や。さっき言うたやろ?解脱ポイントって。それをな沢山貯めたらええねん。」


「どうすれば貯まるんだ、どうすれば!」


「んとな、めっちゃ色んな生き物に生まれ変わって、過去に未来に現在に色んな時代で生きてみて、沢山の生き物の視点から沢山の命を勉強して、たま〜に解脱ポイントが貯まる感じやで。」


「生まれ変わる。何度でも何度でも生まれ変わる。生まれ変わって我が王を……我が王の家族を……」


「そか。転生修練に行くんやな。ほな先に言っとくわ。ワシの弟に唯一勝った神がおんねん。ソイツは元々神として生まれたさかい解脱ポイント違て、神格を持って産まれたんやけどな、解脱ポイント換算したらだいたい350ポイントくらいやったはずやねん。」


「350か!何回生まれ変わればいい?350回か?500回か?」


「簡単には言えへん。まあ最低350ポイント貯めな勝てへん神に挑むんやさかい、これくらいかな?と思ったら教えてあげるわ。」


「そうか……手段があるなら良かった……」


「一応やけどな、兄さんの担当はワシがやったるわ。兄さんの目的は誰にも言うたアカンよ。弱いままでどっかから漏れたら、弟がキレて即首チョンパや。そのあとは永遠に無に帰されるわ。」


「誰にも言わなければ良いんだな。そんな事は簡単だ。」


「ええ覚悟や。ほな先に進みや。毎回死んでからしか会えへんけど、兄さん……あんじょう気張りなはれ。めっさしんどいで。」


「どうすれば……」


「最初は手伝ったげるわ。せや自己紹介がまだやったな。」


「私はニノだ。家名は無い。」


「そら知っとる。ワシは神界の転生課っちゅう所で課長をしとるモンや。まあバイトやけどな。」


「カチヨー?なんだそれは?」


「まっ、そのうち分かるやろ。最初の行先は……薩英戦争の時の飛んで来た砲弾に当たって粉々になって死ぬイノシシや。頑張って一生懸命生きや。」


「イノシシ………………」


「死ぬ度に1個ずつアドバイスしたるさかいなー。」


「待ってくれ……イノシシとは…………」


 そう言ってイノシシへ転生して行った。


「しかし根性あんのか我慢強いんか知らんが、砲弾の玉を受けるまで何百発の弾丸を受け流しよってん。あんなん人間ちゃうやろ……」


「だな。見学してたけどヤバかったな。全身に13本のサーベルが突き刺さって666発の弾丸を受け流して、砲弾の直撃を受けて義手が吹っ飛んだだけで、まだ向かって行きよるとかバケモンや。」


「独り言に答えるなロキ……」


「まあええやん。ポンちゃんから頼まれてんのや。ハーデスはこっち側やろ?弟と繋がらんか監視しといてくれってな。」


「それを監視対象に伝えるのか?」


「ん、まあな。その方が裏切らへんやん?」


「確かにな。だが何故にカトリック教徒が解脱したのか……」


「ああ。それはな、あいつの名前が日本語だからじゃ?二宮今昔物語のニノやろ?」


「なるほどな。日本神話を短くした名前か……」


 その言葉の後に、転移して行く2人の神。


 必ずと言った言葉を貫くニノ。物語はこうして始まった。


 

課長さんです。


読んで貰えて感謝です。


あと数話9章が続きます。今週中に閑話に行きたいな。


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