8章エピローグ
……
惑星パンツがパンツノ惑星に変わった直後にパンツノ惑星圏より少し離れた宇宙空間に三人の神が来ていた。
「ポンおじ……大丈夫か?ズタボロじゃないか?」
「ポンちゃん、ちょっと不味くね?そのままだとポンちゃん消えちゃうんじゃ?」
「心配すんなって。ここまでは決まりきった事なんだから。」
ハーデス、ロキ、テューポーンの三人である。
「でもコレはちょっと不味いな。親子揃うと酷くね?強過ぎだろ?アダマスの鎌並の切れ味じゃん。」
「ポンおじの作った檻が壊れそうなのを初めて見たぞ。」
「壊れる事は無いさ。中から神気を吸収して補強を繰り返してるからな。ちょっとロキ、異界渡り頼む。さすがに少し神気使い過ぎた。」
時を止めてガンモとシメジを誘拐したのはテューポーン。様々な世界から存在を脱獄させて隠したのはハーデス。ロキは運送屋の仕事の1部のようだ。
「とりあえずコイツの親でも連れて来て説得させないとな。さすがに義体のままでもう一度檻を作るのはキツイ。」
青い檻では無い。白い月と同じ様々な特級神を同時に拘束出来るテューポーンの体から産出した魔銀で出来た白い檻。触れれば強制的に囚われて、テューポーンの許可無しには何があっても出られない。たとえそれが作った本人であるテューポーンであろうとも。
2つ作られたソレに入っているガンモとシメジ。シメジは塞ぎ込んでいるが、ガンモは檻を破ろうと爪を出して引っ掻いている。
檻の中と外を完全に隔離されてしまって声が聞こえ無いのだが、激しく威嚇しながらひたすら爪で檻を削っているが、威嚇して神気を出せば出すほど檻が強化されてしまう。
「よし。飛ぶぞ。日本で良いんだな?」
「日本の関東上空にしてくれよ。まだマルトにバレちゃダメだかんよ。」
「ポンおじ。地球に帰ったらベルゼビュートの店に行くぞ。世界樹の葉を使った薬膳料理を出してくれるそうだ。」
ニヤリと笑うテューポーン……
「安心しなって、さっき1枚持ってきたからさ。」
ガンモとシメジを誘拐した時に、畑に生えていた世界樹の葉を1枚持って来たようだ。
「さあ。もうちょいだ。もうちょいで未来が決まる。」
世界樹の葉を食べて義体が回復したテューポーン。
「今度は上手く行くと良いな……」
「ポンおじ。今回失敗だったら、本気で諦めるのか?」
「さすがに同じ事を何回もやるのは飽きた。今回で1万回目だし、ダメだったら大人しく歴史改変でも使って消滅するさ。ウラノス兄ちゃんみたくな。」
そうかと呟くハーデスと、トラックにガンモとシメジの入った檻を念力を使って積み込むロキ。
積み込みが終わった後に三人が乗り込んだトラックは音もなく地球に転移して行った。
次回は閑話です。




