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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
8章 惑星パンツが……
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再開

再開です。


 星神が前魔王と話し込んで居た頃の聖域では……


「まさか真ん中の石に触ったら出口が出来るとか、水神君の勘も頼りにならないね。」


 通路の壁面にはビッシリと埋め尽くすように神代文字で【生命を奪うな】と書いてあるのだが読める者は水神しか居ない。


『やべえよ……特級神位の神気が2体分……他にもなんだこりゃ?強力な神獣が2体、聖獣や霊獣、霊木や霊草、蟲共もやべえのがいやがる……』


 周りの声など全く聞いていない。通路の先に見える光の先を、水分子を震わせて探る水神。外の気配を探れば探る程に引き返したくなっている。


「なあ藤原。こっから先で何を見ても気にすんな。俺が逃げろって言ったら俺の事なんか考えずに逃げてくれ。」


 そんな事を言うのだが……


「勇者様、聖女様。そろそろ出口ですな。陽の光に当たるのなんて何日ぶりでしょう。」


「色々な食糧が置いてありましたが、何故に持ち出さんのですか?数日分くらい確保しといて良かった気がするのですが?」


 現地人の相手をしていた藤原さんには聞き取れなかったようで、気にもしていない。


 そして出口に辿り着いたのだが……


「うわ!凄い景色。綺麗な石畳が敷いてあるね。」


「おお!聖女様!これを見て下さい。王紋虫ですぞ。教皇様の前掛けはコレの羽で出来ておるのです。」


「こっちにビッシリと長寿草が生えているぞ。」


「あれを見ろ。神鉄トンボじゃないか?あっちには麝香蝉も……ふっは。抵抗すらしないぞこの虫達は。」


 そんな事を言いながら採集を始める現地人達を見て……


「止めろ!生命を奪うな!止めろって……」


「虫くらいで何を言ってるのです?これだけの石畳があるのなら人が居るのでしょう?現地人に何かするなと言うのならば分かりますが。」


「何を与えられるか楽しみですな。白金貨が無造作に置かれて、凄い量がありましたから……ふふふっ……」


「だから止めろって!」


 そんな事を言う聖騎士や神官を止めようとする水神だったが…………ドスッと言う音と共に……


「この馬鹿孫!何をしとるのじゃ!お主何故に無理矢理でも止めぬ!何故に止めに入らぬ!」


 敷き詰められたスッポンの眷属達の背を這って現れた角うなぎが、孫と叫びながら水神を咥えて高らかに持ち上げてしまった。


「じいちゃん!なんでこんな所にいんだよ!ここはどこなんだ!なあじいちゃん!」


 そして地上では……


「化け物だ!聖壁発動!防御陣形を!」


 2人の聖騎士の掛け声と共に展開される神官達の防御魔法壁。


 そして現れる星神と神獣。


「じいちゃん!くそっ!藤原!逃げろ!逃げてくれ!」


 高校生の見た目から本来の姿に戻る水神。口の中で暴れ回り、うなぎの口から逃げ出して地上に降り立つ。


 そして見た物は……


「田崎ん所の次男坊?それと若芽彦か?」






 転移直後にびっくりしたのは、角うなぎやスッポンが海から上がってて、聖域の中心部に聳えてるチョモランマーって山の麓に集まってた事。


 もう1つびっくりしたのは……


「ガンモ!早く皆の治療を!」「うん!ニノ任せて!」


 宗教家姿の魔人達が昆虫や草を採集してた事。

根っこ事引き抜いたり、頭を潰して羽を毟ったりしてて……


「何やってんだゴラァ!転移部屋や通路に書いてあった文字が読めなかったのか!」


 ふざんけんな!何ヶ国語分書いたと思ってんだよ……


「ガンモ!まだ皆ギリギリ生きてる。虫さん達も食道下神経節がなんとか動いてるから早く!」


 やばい!どんどん弱ってる……急がないと……


「ギフト【生命力増幅】発動!」


 俺の声を聞いて魔人達が騒いでる。


「魔族だ!聖女様!勇者様!滅ぼすべき者です!お力を!」「抜剣!神官隊援護せよ!」


 何が滅ぼすべきだ!


「ふざんけんな!何してくれてんだ!」


 そして目の前に落ちて来た青鬼……こっちを見てる聖女と呼ばれた女の子……


「和信叔父さん?そっちはガンモ君?あれ?ここって日本?」


 そんな事を言ってる女の子が……


「千方様……それに水?水だろ?なあ、お前って水鬼だろ?」


 ガンモが爪をしまったまま魔人達を無力化してくれてる間に……


 聖女と言われた女の子や空から降ってきた水鬼を見て、今がどんな状況なのか全くわからなくて……


「おーいニノにい!なんだこりゃ?って……」


 たぶん大急ぎで走って来たであろうカンタ君が……


「てめえらオイラの子供達に何してんだゴラァ!」


 子供姿から本来の螻蛄(おけら)の姿に戻って威嚇を始めた。


「カンタ君大丈夫。皆生きてる。皆治ったから!」


「カンタ!僕が癒したんだ。皆元気だよ!」


 俺とガンモが止めに入っても……


「その子達がお前達になんかしたのかよ!ふざけんな糞が!」


 たぶん本来のサイズなんだろう……体長2kmの姿に戻ろうとしてる。


「螻蛄のカン様!お久しぶりです。水神です。」


「カン様。孫の事は私が責任は負います。どの様な処罰も甘んじて。」


 角うなぎ紳士さんも……水鬼も……


「その特徴のある顔の模様は……やっぱりガンモ君だ。覚えてる?千夏お姉ちゃんだよ〜。」


 そして千方様っぽい女の子も……


 訳が分かんなくて、念力で皆の動きを止めてやった。


「ガタガタ騒ぐんじゃねえ!黙れ!」


 なんだよこれ?





読んで貰えて感謝です。

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