少し忙しい
慌ただしいです。
続々と島亀の一族が聖域の大地へと上陸し始める。
「オヌシは猫とトンビを呼んでまいれ。うなぎに海は任せて来た。我々1人1人が盾とならねば。」
体のサイズをスキルで縮めて1人1人が丸盾のようなサイズになっている。
それに気付いたカンタ君なのだが……
「どうしたんだ?甲羅干しでもすんのか?」
「おお!蟲神様。我々は盾になりに来たのです。甲羅干しはいずれそのうち。」
盾と言われたのだが縦と勘違いしたカンタ君。
「縦に伸ばすの?どうやってだよ……不思議な事を言うなあ……」
いつの間にか最長老の周りに盆栽サイズのエント達も集まっている。
「ニノにいさっさと帰って来なよ。結局ニノにいが決める事なんだからさ……皆を処分するとかって……」
不穏な空気が漂っていた。
一方魔王城では。
「それじゃ、自作したダンジョンを全部貰って良いんだね?」
「もちろんっす。この城の地下に制御室があるんで、それごと貰ってください。」
前魔王と話し込んでしまった。コイツって凄い真面目。
「守護者として出会ってから何年経ちました?ホントに待ってたんすよ。聖域に遊びに行ったら、皆と目の前で楽しそうにビールとか飲んでるじゃないっすか。」
「と言うか喋れなかったの?教えてくれたら良かったのに。」
何回も会ってるのにさ。なんで教えてくれなかったんだろ?
「ただの思念体だったんですよ。レイスですら無いんですから喋れる訳が無いじゃないですか。」
まあいいや。そろそろ帰ろうかな。
「んじゃとりあえずだけど、魔物や魔族達のダンジョンモンスター登録を解除する準備をしといて。」
「はい。正常な流れに戻ったらスイッチ1つで解除出来るようにしときます。」
インベントリに入れてあった色々を渡しといた。
「ビール飲みながらのんびりやりますね。後で皆にも飲ませて良いっすよね?俺の故郷の味だぞって自慢したいんで。」
「それは良いけど、仕事は真面目にね。」
ガンモがずっと安西の羽の匂いを嗅いでた。
くさっ!加齢臭くさっ!って言いながら……
クンカクンカしてフレーメン反応しまくってたよ。
「ガンモ。帰ろうか?帰りは転移で良い?」
「帰りも走りたいのです。ここにはマーキングして行くのです。」
そう言って安西にマーキングしてた……置物扱いされる元魔王って……
「よし!魔物や魔族の事もなんとかなりそう。後は星と繋がって……って!」
最後に残ってた勇者と聖女2人の存在を感じたんだけど、感じ取れた場所が元披露宴会場の傍にある、山の麓の出入口からで……
「ガンモごめん!走ってる余裕が無い!転移するよ!」
大急ぎでガンモを抱えて、本来の転移門の部屋に続く出入口に向かって転移した。
間に合ってくれ……
次回、水神との再開
読んで貰えて感謝です。




