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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
1章 始まりの1年
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カシャー

更新出来ましたー!


 突然倒れ込んだ俺に吃驚したのかガンモがなぅなぅと微かな鳴き声で不安を伝えてくる。


「ニーノ!どうしたの?お昼寝?また何処かに連れていかれるの?ニーノニーノ?返事をしろよぅ。」


身体の力が突然抜けて倒たようだがガンモを不安にさせたくなて、くっそ重い身体を起こす。


「うん、ごめんガンモ大丈夫だよ。うん大丈夫!」


パンツァー様が言ってた……名前をつけたらごっそり持っていかれるってのが、これの事かと思いながら……

これから不用意に名前を付けたらダメと言う事を思い知った。


「またニノが大きな声で泣き叫ぶ白い大きな鉄の箱に飲み込まれて連れていかれると思った!びっくりした!」


「大丈夫、もうあんな事無いから。大丈夫だよ。」


身体は重たいがガンモを抱き寄せて膝の上に乗せて耳の後ろをこちょこちょしながら語りかける。

ガンモって太っている訳じゃないのに6.4kgも体重があって日本猫のくせにメインクーン並の巨体だったのに更にそれが倍くらいに大きくなっている。

モフモフのふかふかの長い尻尾も、さっきは二つに別れてるように見えたのが五つに分かれてる……

そして全部の尻尾がモフモフのふかふか。でも猫又って尻尾2本じゃなかったかな?


「ガンモ、あそこに草のお家があるの見える?」


昨日作った草のテントの方向に抱き上げてガンモの顔をテントの方向に向くように身体を向けると。


「ふおぉぉぉ!ざっそーのおうち!ふぉぉぉ!」


とテンション振り切ってると言わんばかりに興奮しまくっている。


「今日からしばらく、あそこがお家になるからね。俺は、あそこの中で寝てるから。暗くなる前に戻ってこれる?」


「うん!わかった!あそこがお家!暗くなる前に帰る!」


「それじゃこの辺りで遊んでて良いよ。でも生き物をいじめちゃダメだからね。食べ物は、ちゃんと用意してるから。食べない生き物は殺しちゃダメだよ?」


「うん!カツオと美味しいカリカリがあるなら食べない!でも戯れるのは良いでしょ?」


「戯れた相手が怪我をしてなかったら良いよ。」


「うん!それじゃお空を飛んでるアレと遊んどく!」


ん?お空?と思った瞬間に肩の上に預けていた上半身を起こして肩を踏み台にしてジャンプした……

飛び出した先を見ると突撃すずめがこっちに突撃してきている。

ヤバい!と思ったら、何も無い空中を足場でもあるかのように駆け上がって行くガンモ。急降下してくる突撃すずめに、体当たりからの抱き抱えたまんま地面に引き摺り倒してからのソフトな猫キック。


あれ?ガンモ飛んだ?いや、空中を走った?しかも急降下してくる突撃すずめより速かったんじゃ?なんと表現すれば良いのか苦しむ。

引き摺り倒された突撃すずめとガンモを見てみれば。


「ニノ!これ初めての匂い!臭い!臭い!でも止められない!」


クンカクンカからのフレーメン反応。フレーメン反応が治まったらクンカクンカ……


こんな時は、あれだ!と思いタブレットを取り出す。初めての時は目の前に出てきて、2回目は左手の手のひらからヌルッと出てきたタブレットが。今度は、へその辺りからカシャーってDVDプレーヤーのトレイみたいな感じで出てきた……

毎回違う所から出てくるのか?気にしたら負けな気がして普通に手に取ってアプリの鑑定を起動して、ガンモを見てみる。


若竹若芽彦=ガンモ

種族 猫神獣

属性 光 闇 聖

概要 地球の日本と言われる地域の在来種だった猫が神の眷属となり神獣化したもの。

眷属になった時点で猫又だったものが、名前を受け入れた時点で星神の神気を吸収して進化した個体。

権能 癒し、純粋

特徴 見た目もっふもふ、これで癒されない猫好きなんか皆無。全体的に黒だが、下顎から胸元にかけてと4つ足の先が全て白い毛になっているのでマスクを付けて靴下を履いているように見える。


色々とツッコミたい所があったが、もうツッコむ気力も無いほどに身体が重いので浮いてゴロゴロしながら草のテントまで行き、中に入ったら全身透過してタブレットを操作してアラームを1時間後にセットして目を閉じる。


ガンモの臭い!でも止められないと言う叫び声だけが風に乗って聞こえていた。


  その頃日本で


「そう言えばマルトうじ、ワカメがおらんようなのだが何処に行ったでござるか?」


若武者の問いに。


「ニノさんが連れていきましたよ。ずっと未来視で見ていましたが、どうやら邪神化は回避出来たようで。」


と答える残念ちょんまげおっさん。


「それは良うござった。いずれ九尾に至る程の邪なる神が、拙者の管理する土地で産まれると聞いて、ずっと気にしておったのだが……」


「玉藻御前のような方が産まれるなんて、生き物からしたら悪夢以外の何者でも無いですからね。」


「信頼しておる人間を殺され。その遺体も人間に燃やされ。更に人に自分の命までも奪われて。人の世を嘆き呪う、人の世からすると悪神としか言い様の無い神になる未来が変わったのでござるな?」


「ええ、見ていた悪神として活動していた未来が霞がかって、楽しそうにカツオを食べている姿に変わったので間違い無いかと。」


「さすがマルトうじ!見る聞く癒すの権能は伊達じゃ無いでござるなぁ」


「見る聞く癒す以外も色々出来るんですがねぇ。」


夕日が落ちて月が登る直前の薄暗い畦道に、ポツンと立っている道祖神の像の周りに集まり始めている土地神や付喪神を眺めながら若武者とおっさんがしみじみと語っていた。


ブックマークがまた増えてました!ビビります。でも嬉しいです。

次回予告 結局、斧は石斧なのか……

乞うご期待!


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