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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
8章 惑星パンツが……
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伊勢神宮へ

伊勢神宮に。


 マルトさんと大国主様と一緒に、最初に伊勢神宮に向かう事になった。移動手段は……


「どうだ、良い車だろう?私の自慢なのだぞ。」


 そう言って大国主が自慢している車は、ケンとメリーがCMしてた奴のGTR。めちゃくちゃ稀少車だ。


「販売当時に購入して、ずっと大切に乗って来たのだ。修理や整備等も自分でやっているのだぞ。」


 おお!凄い。俺は車は持ってなかったからな……軽トラしか。


「と言っても、レプリカなんですよコレは。本物の方は大国主様の自宅に飾ってありますし。そちらは車好きな神々に見せびらかしてニヤニヤしてるんです普段から。」


「マルトよ。バラすな。気付くか試して見たかったのだ。」


 うん。エンジン音が全く違うね。コレはたぶん……


「これってエンジンが違いますよね?音が……」


 おお!気付いてくれたか。なかなか理解してくれる者がおらんのだ。なんて大国主様が言ってる。


 大国主様が運転席に座って、マルトさんが後部座席に。俺は助手席。


「パワーウインドウにパワステですか。エアコンも強化してあるんじゃ?それに足回りも別物でしょ?」


 1972年発売の旧車なのに、凄く快適。


「あまり馬力を求めると言うのも違うような気がしてな。フルオリジナルを改造する気にはなれんが、レプリカのコッチにはかなり手を掛けてある。」


 ほうほう……


「1980年代のロ〇レルと言う車両からスワップしたRB20と言うエンジンでな。ミッションもオートマだから快適なのだよ。」


 かなり手が入ってる……フロアマットの下の防音材とかまで……シートの座り心地も最高……


「ケンとメリーが出演しているテレビCMを見た時に、衝撃を受けてな。あの様な感じで、冥幽神を引退した後に妻の須勢理(すせり)と共に日本を回ってみたいと思って居たのだが……」


 あれ?大国主様って日本全土の神なんじゃ?


「ああ……ニノさんって、日本の神界の常識に疎いんで、補足しますが……」


 申し訳ないマルトさん。


「大国主様は、今では冥王様と共に、魂や冥界に関わる事しか活動して居られないのですよ。天照大御神様達、高天原の神々に蹴落とされてしまいましてね。」


「蹴落とされたとは人聞きの悪い。あヤツらがくれと言うたから譲っただけだ。譲ったのは間違いだったと今では思うがな。」


 どうしてだろ?


「何故に間違いだったと?」


「お主の様な、自力で解脱して神格を上げた、叩き上げの万能の神が産まれる事を知っていたら、跡継ぎにお主を押しておったわ。そうすれば……」


「大国主様。あまり興奮なさっては……」


 マルトさんの癒しが発動して、大国主様が「すまんなマルト」って……


「そんなに日本の神々は頼りないですか?」


「最近は神事も疎かであるからのう。力が弱くなる事は仕方ない。数だけ居ても養うのも一苦労だ。苦情の処理とか嫌になる。愚痴を言えばキリがないが。それでも我が愛する日ノ本だからな。引退なぞ考えずに働かねばならんさ。」


 まあ、俺は日本じゃ神にはなれないよな。色々あるしだし。


「働くと言っても神在月だけじゃないですか。風神様なんて1日23.75時間平均で休み無く働いてますよ。」


「バラすなマルト。せっかく少し困らせてやろうと思っていたのに。1年のうち11ヶ月は趣味に生きておる。気にするなニノ。」


 なんだよこのオッサン……ほぼニートじゃん。風神様って働き過ぎだろ?ブラック過ぎてダークマターじゃん。


「それとな、せっかく楽しく旅をするのだ。大国主様などと堅い堅い。国と呼んでくれ。仲の良い神々からは、そう呼ばれておるでな。」


 大国主様と呼び続けたけど、何回も注意されてしまって結局、国さんって呼ぶ事になった。

そんなこんなで東名高速道路のサービスエリアに止まった。


「軽く飯でも食おう。ワシが奢ろう。好きな物を食べようじゃないか。」


 普通に売ってた、名古屋フランスを食べてみた。

初めて食べるから恐る恐るだったけど、美味しかった。


「抹茶バニラのソフトクリームですか……」


 大国主様はソフトクリームを食べてる。マルトさんも……


「抹茶バニラは美味いぞ。それとな、出雲に着いたら出雲蕎麦を食べに行こう。テューポーン殿も常連な出雲蕎麦屋があるのだ。腹を空かせて行かねばな。」


「おお!噂の出雲蕎麦屋ですか。先日自慢されましたよ。めちゃくちゃ美味かったって。楽しみですねえ。」


 気になる……


「とりあえず、さっさと伊勢に行こうではないか。驚くだろうな天照は。」


 そんな感じで伊勢神宮に着いたら、大国主様が境内を掃除する巫女さんに声を掛けた。


「昨日までごめんなさい。反省してます。」


 そして巫女さんに謝られた……綺麗な人だな……でも、誰?


「ニノ。これが天照だ。今は贖罪の為に時給650円で1日6時間、巫女のバイトをしている。」


 凄い小声で大国主様から教えて貰った……

時給650円なんだ……世知辛いな。


「そんなに気にしてませんから。バイト頑張って下さい。」


 玉藻御前に勝るとも劣らない程に美人だったから、少し引いた……苦手なんだよ、若くて綺麗な女性ってさ。あんまり免疫が無いから。


「給料でiPh○ne11Proを買うんです。だから頑張ります。」


 ほら……最新のスマホが欲しいとか……それを時給650円で貯めて買うとか……俺には理解できん。タブレット持ってるはずなのにさ。


「CoDmobileで世界一になってやるんです。」


 カンタ君がやってた奴だ。世界一を目指すのか……


「頑張って下さい。」


 それしか言えなかった。


 


出雲まで行けなかった……


読んで貰えて感謝です。

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