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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
8章 惑星パンツが……
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道連れが増えた……

旅する仲間が1人増えます。


 やらないでする後悔より、やって後悔する。

どっちの後悔もしたくないから、行動に移してみた。


「マルトさん。さっきの今で申し訳ないです。ちょっと伊勢と出雲と高天原に行きましょう。」


 マルトさんが日本に帰って2時間位で訪ねて来た俺にびっくりしてる。


「ニノさん。少々お待ちを。大国主様なら、そこに居ますから。」


 ん?大国主様が居るのか……そこと言われた方を見て見れば……疲れた顔したオッサンが……座り込んで世界樹の葉に、ジョウロで水をあげてる……


「初めまして大国主様。パンツァー銀河テューポーン系第二惑星・惑星パンツの管理神でパンツァーの部下のニノと言います。今回は少し御願いがあって日本に来ました。」


 頭を下げて挨拶した俺を見て、なんだコイツ?って顔になったけど、名乗った瞬間嫌そうな顔をされた。


「初めましてだな。お主の存在は上手い事テューポーン殿に隠されておったわ。願いとはテューポーン殿のように無茶な事なのか?だろうな……テューポーン殿の部下なのだから。」


 マルトさんが居るから神気を全開放しない方が良いかな?まあ良いか普段の半部くらいだし。


「少し日本中を、本気で神気を解放しながらうろつきます。その際に付喪神を勧誘したいのですが、大丈夫でしょうか?」


 頭を抑えてる……


「それはどう言った要件なのだ?許せる訳がなかろう。」


「ストライキを起こしてる、画面の割れたスマホの神様の部下達に少し協力して欲しい事があるのと、私の管理する星でオイタをしていた神達に強制労働をさせたくて。」


 タブレットを操作して神気全開放してみた。


「ちょっとニノさん。そんな攻撃的な神気をばら撒かないで下さい。ここは私の大切な土地なのですよ。」


 凄い剣幕で顔が青ざめたマルトさんに詰め寄られた。申し訳なくなってくる。


「すいませんマルトさん。神力【大地豊穣】発動。」


 よし。これで良い感じの爽やかな神気がばらまかれたはずだ。


「ニノよ。それ以上やるのなら、私が直接戦わねばならんのだ。やってくれるな。」


「ええ、大国主さま。これはマルトさんに普段からお世話になっているお礼です。これ以上の神力は使いませんよ。」


 そう言うとホッとした表情になった大国主様。


「お主はテューポーン殿と違うのだな……。」


 なにが?


「テューポーン殿なら、何も言わずに全てをひっくり返していくのだが……。」


 そうなの?


「画面の割れたスマホの神であるジョブズにも困っていたのだ。保証期間などにバキバキに割れたスマホの画面が崩れ落ち無いように付喪神を貼り付けて、耐え忍ばせるなど……無報酬なのだぞ!保証期間内だから。」


 付喪神達……酷い扱いだな。


「八百万の神を馬鹿にしているとしか思えん。付喪神達には私から話を付けよう。昨今のスマホの画面は頑丈になってきておるから、割れた画面の保持も必要無くなるであろうし。どんな仕事を任せるのだ?それだけは聞かせてくれ。」


「数百程の付喪神達にビデオカメラ片手にカメラマンをして欲しいのです。いずれ私の眷属になるであろう仙化してしまった者達を監視させる為に。」


 マルトさんが少し回復してる。良かった良かった。


「それはやり甲斐の有りそうな仕事だな。報酬は何を出すつもりだ?それ次第では集まる数も変わって来るのだが。」


 報酬はね……


「こんなの持ってきました。これじゃダメでしょうか?」


 出したのは俺の絞り汁。所謂魔石さ。


「お主……物の価値を分かっておらんのか?その様な物を軽々しく報酬に出すでない。それの1/100でも付喪神達には十分だ。」


 そうなの?普通の上級魔石だよ……


「やはりテューポーン殿の部下なのだな。空気を読まない所か、空気を破壊しようとしよる。その賢者の石はしまっておけ。それ1つで都内に庭付き一戸建てが買えてしまう。盗まれんようにな。」


 まじか!賢者の石なの?……って、賢者の石って鑑定に出てる……


「ニノさん。日本人だったんですから、自分の持ち物の鑑定くらいちゃんとしましょうよ。毎度思っていたのです。向こうでは簡単に賢者の石を砕いて神気を撒いてますが、地球でそれをやったら大騒ぎになりますよ。」


 そうなの?


「太陽系には過去三回の神界大戦で、殆どエーテル素粒子が残っておらんのだ。私から見ても、喉から手が出そうになる程に、欲しい物だぞ賢者の石とは。」


 それなら……


「向こうに帰ったら何個でも量産出来ますから。お1つどうぞ。」


 俺の中では、おにぎりより作るのが簡単な物だからな。一個くらい良いかな?


「なんと!やはり世界が違えば常識が違うのだな。有難く頂いておこう。」


 ずっと渋い顔だった大国主様が笑顔になった。


「これだけ純度の高いエーテル素粒子の結晶があれば、少しは列島全体の保護を強化できる。昨今の災害を危惧しておったのだ。」


「そんな事に使うなら大量に渡しましょうか?」


「ニノさん。それはダメです。日本の神々達のプライドをズタズタにしてしまいます。」


 う〜ん……


「私が田崎和信だった頃に、私に影響を与えた人間が言っていたのですが……」


 プライドなんてクソ喰らえだよな。


「持ってても良いが、何かと邪魔になるのがプライドだ。そんなもの持つより、目標を持った方が建設的だ。なんてね……」


 たった1回だけ、居酒屋でボソリと言われたんだ。その時は聞き流したけど、でも忘れる事が出来ない。


「賢者でも百に一つは間違う事もある……ただの人でも百に一つは素晴らしい事を言う……」


「確かに建設的ですねえ……皆がそんな事を考えてくれたら良いのですが……」


 その後、大国主様とマルトさんにジュースを買って渡した。マルトさんの(やしろ)前に設置した自動販売機でね。

 神気をいつもの様に1%に抑えて、3人で色々話してみた。


「本当にすまん!沖縄かぶれが……アレが全て教えなければならんはずだったのだ。何一つ教える事も無いままに放置した事に謝罪する。」


 大国主様も一緒に伊勢、出雲、高天原に来てくれるみたいだ。オッサン3人ぶらり旅か……



 

増えましたね。

次回は足早に伊勢と出雲です。


読んで貰えて感謝です。

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