強制送還
送り返します。
あと2人捕獲したら高校生達と先生を捕獲完了なんだけど、残った2人の居場所が全く分からないんだ。
「世界中を検索しても2人どころか、一緒に行動してるはずの数人の現地人まで居場所が分からないんだよ、どういう事だろ?」
「ん〜。ニノにいの力の及ばない何かが隠してるとか? そうじゃなきゃ星神の検索から隠れられる訳が無いし。」
だよね……流石に惑星パンツ内に居るなら分かるだろうし。
「2人が向かったのは天元大陸って所までは分かってるんだけどさ。」
「まっ、そのうち見つかるっしょ。気にしない気にしない。どうせどんなに成長しても人間の枠を超えないんだから、どうとでも対応出来るよ。」
言われてみたらそうだな。別に焦らなくても良いか。特に天元大陸はエルフさん達がハリキリまくってるし。
因みにインフルエンザウイルスを保菌して来たエルフさん達は、やけに肌がツヤツヤになってイケメン&美女度が上がってた。
「とりあえず簀巻きのままで座らせて、全員に目を閉じられない呪いを掛けて、今回の事を勉強させようか。」
「オイラはオケラに戻って全員を舐め回してみようかな?嫌がらせには最適だろ?」
…………
「それはトラウマだろうね。人間サイズのオケラに舐め回されるとかさ……」
「オイラって虫から見たら超イケメンなんだけどな。やっぱり人間から見たら微妙なのか?」
テキパキと簀巻き高校生を体育座りにしていく俺とカンタ君。生徒33人と教師1人を同じ向きに向けて勉強会の始まりだ。
「そちらの3柱も一緒にお願いします。」
「ナギもナミもだけど、ヘーラーもちゃんと見ときなよ。旦那が女の尻ばっかり追い掛けて仕事放棄してるから、今回の事態になったんだし。」
3柱の神にはちゃんとテーブル席を用意しといた。鬼さん達やドワーフさん達もエルフさん達まで見学するみたいで、今回の騒動の原因と共に、どんな感じで世界に広まったのか、どういう行動を取れば良かったのか?なんてディスカッションが始まった。
そのうち現地人の死んで行く姿を見た高校生達は、閉じられない目のせいで、苦しんで死んで行く生き物達を見てガヤガヤし始めた。
「黙って最後まで見ろ。お前達も被害者かもしれない、でもこの世界の生き物達の方がずっと被害を受けてるんだ。」
こんなの俺達に関係無いじゃないかなんて言ってくれるイケメン達、後悔し始める普通の男子女子。
誰がインフルエンザに罹ってたんだよと騒ぎ出す。
「お前達全員が保菌してたんだよ。誰のせいでもない。お前達が馬鹿みたいに世界中に散らばらなければラスト大陸東部だけで完結してたんだ。」
因みにラスト大陸東部は、ガンモが数年前に振り撒いた癒し成分で、病気に罹りにくい土地になってるんだ。だからラスト大陸東部から出て無ければ、こんなに被害は拡大してなかった。
モコフワの動物達や、小さな子供がインフルエンザで死んで行く所になったら、高校生達は黙り込んでしまった。
「お前達の記憶は、異世界に来た直前まで消去させてもらう。」
でも、これは伝えておかないとな。
「お前達のせいで52万8592の命が奪われた。惑星パンツに住む生き物は、お前達を忘れない。お前達が殺して回った生き物達の関係者は絶対に忘れない。勇者と聖女なんて、この世界には不必要だ。」
うし。全員凹んだな。
「マルトさん。全員の転移して来た時間見えますか?」
マルトさんにお願いして見てもらった。
正確な時間が分かったから、今居る全員をさっさと強制送還させよう。
「残り2人も捕まえたら同じ時間に送り込むから心配しないでください。」
先生に伝えて、記憶を消去した後に、呪いや簀巻きを解除して教室に送っといた。
「さあ、まだ色々残ってる。頑張らないと!」
気合いを入れて仕事しよう。
このあとも色々やります。
読んで貰えて感謝です。




