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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
7章 クラス転移なんて迷惑でしかない
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約53万です

戦闘力じゃありません。


 世界各地に散らばって行ったエルフさん達をしり目に、檻の中で少し静かになった毛むくじゃら鎧ババアの事をどうするか考えながら紙に書いてみた。


1 このまま檻に閉じ込めて地球に廃棄して、マルトさん宅の前に設置した転移門をマルトさんしか使えなくする。


2 檻から出して、面倒臭いけど話を聞いてみる。


3 このまま白い月にぶつけて、白い月の中に封印する。


4 皆に助言を求める。


「こんな感じで対応しようと思ってるんだけど、どれがいい?」


 意味を理解して鎧ババアの恐ろしい勢いに恐怖を覚えて誘導されるのも癪だし、日本語が読めなくてラテン語の分からない、にゃん族さんに聞いてみたんだ。


 因みに、ガンモがずっと肩の上にデローンと体を預けてて、にゃん族さんをわしゃわしゃしようとすると耳に噛み付いて来るから、わしゃわしゃ出来てない。


「読めないけど、これが良いですにゃ。」


 サバトラ柄のにゃん族さんが指さしたのは3。


「よし!白い月に投げ捨てて封印しよう。臭い物には蓋をするって感じだね。」


 そう言って檻を持ち上げようとしたら……


「まて!田崎。早まるな!ソレを封印したら太陽系で子供が生まれなくなる。ヘーラーの司っている物は妊娠出産子育てと、鬼嫁だ。」


「鬼嫁もですか?」


 ちょっとびっくり鬼嫁の神様なんて居るんだ……


「ヘーラーが優しくなれば地球に存在する鬼嫁も少し優しくなる。だから出来るだけ穏便に対応してくれ。頼む。」


「あらら、ニノにい。ナギっちから頼まれたら断れないじゃん。だって日本で色々世話になってんだろ?旅行とか競輪場とか見守ってくれてんのナギっちの指示じゃん。」


 え?何それ?


「あの、イザナギ様。今のカンタ君の話はどういう事でしょうか?」


 目を逸らして、それは……と言いながら教えてくれた。


「日本には至る所に神が居る。それこそ歩けば神にあたると言えるくらいにな。しかし田崎。お前は神に頻繁に会う事なんてあったか?」


 マルトさんと、天満天神様くらいかな?


「無いですね。というか犬も歩けば的な感じで言いましたよね?」


「確かに犬も的な感じで言ったが、それくらい日本には神が居るのだ。そんな神の中では、攻撃的だったり陰険だったり、騙そうとしたりする神が居るのもわかってくれるか?」


 う〜ん……まあ居るだろうよ。


「居るでしょうね、でもそれが何か?」


「お前の持ち込んだ仙桃の価値を知っているか?」


 もちろん聞いたから首を縦に振ってみた。


「丸兎の尊が殆ど無償で奉納してくれるおかげで、今はそこまで問題になっておらんが、邪神悪神の類の者からお前は狙われているのだよ。騙して色々奪ってやろうとな。それを部下に見守らせて庇護しておる。」


 なんか偉そうだな……


「申し訳無いです。以後日本をうろつくのは止めます。せいぜい実家の周りだけにします。仙桃も持ち込みません。その代わり、こちらの今回の騒動を納めて下さい。それと合わせて、これまでの世話になった対価として白い月に封印されている神々も無傷でお返しします。」


「おお。わかってくれるか。」


 でもこれだけは譲れない。


「今回の騒動で死んだ生き物、全部生き返らせて下さいね。半年ちょい前に召喚された微生物さん達、あのくらいの頃から惑星パンツ側が被った被害を全て元に戻してから帰って下さい。」


 ふっ。顔が引きつってるや。


「別に俺が騙されようが、騙されてケツの毛まで毟られようが俺の責任だから誰かにぶつける事なんかしないさ。余計なお世話だ。」


 それにさ……


「今回の勇者(笑)とか、聖女(笑)が持ち込んだインフルエンザウイルスで、どれだけの生き物が死んだのか知ってんのか!」


 凄い数だった。


「約53万だぞ。産まれたばかりの抵抗力の弱い赤子や弱った年寄りだけじゃない。働き盛りの大人まで、沢山の命を奪ったんだぞ。あんた達の子育てが糞なせいで、あんた達の躾が糞なせいで。」


 人種だけじゃない。耐えきれなかった鳥や動物、魔物や魔族まで……


「俺は歴史改変を使う。だからさっさと帰ってくれ。白い月の糞神達を引き取って帰ってくれ。」


「まて田崎。歴史改変は止めろ。そんな事をすればお前がどうなるかわかっているのか?」


 使っても使わなくても祟り神になるなら使って祟り神になってやる。


「知ってますよ。祟り神になるんでしょ?三千世界のルール【死者蘇生の禁止】そんなもんクソ喰らえなんで。歴史改変して祟り神に変化する前に白い月に自分から入りますよ。」


 ドン引きしてるね。ざまあみろ。


「ちょっとニノにい。そこまでしなくても大いなる主にお願いすりゃ良いじゃん。カラフルから死者を返してってさ。」


「それがいい。田崎、テューポーン叔父上に話して死者の魂を返して貰おう。そうすれば肉体を与えるだけで元に戻る。死者蘇生にはならん。」


 違うんだよな……そんなんじゃ無いんだ。


「惑星パンツの生き物はそれで良いのでしょう?でも地球出身の奴らはどうなるんです?パンツァー様でも冥界の中までどうにか出来るんですか?」


「それは…………。何とも言えん。」


「白い月の代わりの物は既に用意してます。さっさと今の月の中身を持って帰って下さい。以後日本に行く時は見守って貰わなくて大丈夫です。神気を思いっ切り解放しながら移動するので。」


 今溜まってる神格5300くらい。令和の地球だと俺を超える神格の持ち主って1柱しか居ないらしい。騙そうとして近付けるもんなら近付いてみろ。


「あちゃー。ニノにいって怒ったら静かになるタイプなのか。これはどうしようも出来ないや。」


 そんな事を呟くカンタ君は結構余裕がある感じで、イザナミ様はカンタ君と焼き芋の焼け具合を気にしてる。


 檻の中で身だしなみを整えてる毛むくじゃら鎧ババアは、そこそこ綺麗な女性に変化してた。




 惑星パンツの人種の総人口は2億くらいの設定です。



読んで貰えて感謝です。

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