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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
7章 クラス転移なんて迷惑でしかない
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カワイイは正義らしい

モコフワだけじゃなくて、爬虫類なんかも筆者は好きです。


 アオとカイゼルの殴り合いが始まろうとしている頃、蒼大陸では。


 豪快な笑い声と巻き起こる魔法の嵐に、冒険者になった高校生達を含む多数の人が瀕死の状況に陥っていた。


「見てみなよ、まるで人がゴミのようだよ。凄いねこのアバターは!ひゃっはー!」


「イイネぇハク。そのセリフ私も言ってみたいわよ。まるで人が生ゴミのようね。ひゃっはー!」


 上級ダンジョンがひしめく地域に作られた、スタンビートに備えられて作られた要塞都市の外壁の傍で、ひたすら凶悪な威力の魔法を撃ち込むハクとパン。


「ハクぅぅやりすぎだ!パン様もやめてください。」


 止めに入っているのはハクの夫エンジ。

連れている子供達に魔法の余波が及ばぬように、姿は鬼のままで飛んで来る瓦礫を受け止めているのだが。


「1人も殺しちゃいないさね。気にしないの旦那様。」


「あんなのを見せられて許せる訳がないでしょうエンジ君。もっと虐めてやるわよハク。」


「はいよパン様。ひゃっはー!」


 そんな事を叫ぶ2人に触発されてか、子供まで悪ノリし始める。


「オウ姉ちゃん、リョク姉ちゃん、ミドリ兄ちゃん、俺達もやろうず。」


 ギン主導で飛んで来た瓦礫を持ち上げて、要塞都市に向い投げ付ける子供達。20kg近くある瓦礫を軽々と、200mほど離れた要塞都市の外壁に命中させている。


「何がサーカスさね。あんなの虐待じゃないか。お前達が踊れ。お前達が見世物になれ。」


「さすがに私もちょっとイラっとしたわ、消してやりましょうこんな街なんか。」


 暴れている理由は、子供達を連れて旅をするんだったら珍しい物でも見てみましょうと言って、見たサーカス。


 多数のゴブリンが首に鎖を付けられ、魔法で意識を支配されて芸を披露したり。動物達が鞭で叩かれて従わされたり、様々な魔物が檻に閉じ込められて見世物になっていたりを見てしまったから。

 その中にはまだ幼体も多々含まれていて、最近魔物の可愛さに気付き始めたハクさんが怒り狂ったのが理由だ。モコフワじゃなくても、何でも小さければカワイイって言うらしい。


「魔法で意識を乗っ取って、爪や牙を抜いて従えるなんざ、あたしゃ許せないさね。」


「分かったからハク、やめろ! お前が止めないと誰も止めようとしないんだ。」


 星神に暴走しないで下さいね、暴走しそうなら止めて下さいね。と頼まれていたエンジ。


 普通に止められる訳が無い。


「こうなったら…………」


 エンジが勢いよく嫁に飛び掛る。飛び掛って抱き締めた後に嫁に向かって強く語り掛ける。


「夫の言う事が聞けないのか?止めなさい。」


 エンジがキリッとした表情でハクに語りかけたら、ハクは……


「うっうん。」


 頬を染めて俯いてしまった。


「もう終わりかよエンジおじちゃん。もっとやろうず。」


 結局の所、要塞都市の外壁はボロボロである。


「あらあら乙女なんだから。」「ハク姉さん可愛い。」「エンジおじちゃんヒューヒュー。」「大人のデレなんて見てられない。」


 なんて冷やかされたりしているエンジとハク夫妻。


「怪我人はさっさと治療して、勇者と聖女を捕獲して帰るぞ……ニノ様になんと言えば良いのか……」


 星神が暴走すると予想して、鬼達に付いて行かせた猫又達が尻尾を膨らませて治癒魔法を発動する。


 そんな中でエンジが叫ぶ。


「抵抗するな、我らの要求は勇者や聖女の身柄だ。差し出さなければ更に被害が増えるぞ。」


 ヤケになったようだ。


 これじゃ悪者だよなんて考えてるエンジ。


 数分後に簀巻きにされた勇者や聖女を、要塞都市の代表達から受け取って聖域に帰る。


 星神になんと説明すれば良いのか頭の痛いエンジを他所に、他の鬼や猫達は、久々のストレス発散で楽しそうだった。


 簀巻きで捕獲された高校生は男子6人女子8人。







仙鬼や仙猫が本気を出せば、こんなもんです。


読んで貰えて感謝です。

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