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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
7章 クラス転移なんて迷惑でしかない
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毛むくじゃら鎧ババア

怒られそう……


 ラスト大陸で、シメジと合わせて広範囲治癒魔法を発動したモモちゃん。

 シメジとモモちゃんの発動した広範囲治癒魔法に乗せたにゃん族の祈りは、何か意味があったのか?と問われると、既に影響は出始めているのだが、まだ誰も気付いていない。


「慈王さん、次に行きましょう。」


「次はどの大陸にしますか?モモさんの好きな場所で良いのですが。」


 慈王君に主導権は一切無い。与える事が出来る魔族と言っても、小さい範囲と魔石を持つ生き物や魔力を栄養にする植物だけであるから。


「天元大陸はクロおじさんやアントニウスさんが行ってますから大丈夫でしょうし、蒼大陸は多方面に皆さんが向かいましたし、アトラ大陸にしましょうか?」


 モモちゃんの言葉に、にゃん族も賛成したのだが、にゃん族3人はアトラ大陸が何処かもわかってはいない。


「行くにゃ」「出発にゃ」「逝くんだにゃ」


 元気よく出発の合図をするのだが、ポムの言葉は違うような気がする。




 その頃、シメジ一行を幻影で姿を隠しつつ見ている人間が数人……


「モモ……モモだった。生きていてくれたのか……」


 ヤポーネ王国・初代征夷大将軍ニカラ・カイゼルと数人の冒険者風の出で立ちをした人間。


 数年前に鬼の集落を襲った者達であった。




 そして聖域では。



「どうしようアレ……」


 檻の中で喚き散らす鎧ババアと、諦め顔の2人の縄文人の取り扱い説明書が欲しい。


「とりあえず、あっちで緊張で胃を痛めてるマルトっちに聞くのが1番じゃね?」


 そうだよな……


「マルトさん、みずみずしい世界樹の若葉です。胃は大丈夫ですか?」


 胃を押さえて冷や汗をかいてるマルトさんを見てると、鎧ババアがかなりムカついてくる。


「毛むくじゃら鎧ババアに受けたストレスは、全てお返ししてあげますから、少し休んで下さい。辛そうですよ。」


 俺がどんどんイライラしてくるのを見て、マルトさんまで心配そうな顔になってる。


「ニノさん。イザナギ様とイザナミ様ですよ。それにあの叫んでいる方はオリュンポス12柱の1人でゼウス様の奥様のヘーラー様です。あまり失礼な事は……」


 マルトさんの話を途中で遮った。


「知ってます。既にパンツァー様から色々聞きましたから。それにしても、あの偉そうな態度だけなら許しますけど、素っ裸で家族を脅されてしまったら、穏便に済ませたく無いですよ。」


 先代魔王が苦肉の策で身を魔水晶に変えたのも、今起きてるインフルエンザの大流行も、というか過去の転移転生やそこから派生する虐殺劇や混乱も、全部アイツらのせいじゃん。そんな事を考えてたら。


「田崎和信、頼む。ヘーラーを許してやってくれ。旦那の浮気が酷すぎて精神的にまいっておるのだ。」


「ナメッコに果実を求めたのも、老いて旦那にオシオキ出来ない体を戻したいだけの理由なんです。白い月の中に居る子供達の話もしたいので、どうか穏便に。」


「老いてとか言うな!お前ら同い年だろ。いつまでも仲睦まじくやりやがって!キーーー!」


……………………


「ニノにい、とりあえず3個ずつ渡したら?話が進まないよ。」


「そうだね。それと鎮静作用のある薩摩芋さんから地下茎を貰って焼き芋でも作って食わせようか?」


 ニコッと笑ったカンタ君が。


「焼き芋か!オイラ大好きなんだよ。安納芋なのか?安納芋タイプの薩摩芋マンドラゴラか?」


「そうだよ。ちょっと前に日本から種芋を買ってきて、こっちでマンドラゴラさんになったやつ。」


 イザナミ様の目がキラッっと光ったのに誰も気付いていなかった。





 浮気ばっかしてる旦那が居たら、情緒不安定になるのも頷けますよ。


読んで貰えて感謝です。

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