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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
6章 惑星パンツ初のメイド・イン・パンツ製オートバイ爆誕
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S.M.Zのお使い 天元大陸 3 桃源郷

桃源郷なのかな?


 妊娠しているエメリーさんも参加したビンゴ大会なのだが、エメリーさんは余裕があるようだ。


「私は見たければ毎日見れるし、欲しければお願いすれば大丈夫だから、そこは皆より優遇されてるわね。」


 慈王君やモモちゃんだってそうである。


 それなのに、旅館取り潰しなんて処罰を受けた天元大陸のエルフ達にとって、聖域に行けない事は死活問題なのだ。


 因みに、旅館は取り潰しにはなっていない。

宣言されただけで、ある程度落ち着いたらエルフさん達が宿泊してもいいかな?なんてニノは考えている。


 そして、世界樹の若木が当選した者が現れた……


「ウヒョー!神様ありがとうございま……うっうっ……」


 壇上で号泣する歳若いエルフ……


 会場内のエルフ達は、それを見て。

「お前は我が家の宝だ!早く見せておくれ」

「あやつが次の世代のエルフを率いる者だ」

「アイツと共に我らの拠り所を取り戻そう」

なんて言われながら、沢山のエルフに囲まれて幸せそうに嗚咽している。


「ここまでの事なのですか?」


 モモちゃんが気になってエメリーさんに質問すると。


「私達の数世代前までは、共に生きた植物達なのよ? 生まれてから1度も会えずに死んでいく世代のエルフの手に、土や石や鉄ではない、森と生きる幸せな時代が戻って来るのですもの。あれくらいなって当然よ。」


 世界中のエルフの殆どが、したくもない仕事をしながら、日々探し続けていたエルフの桃源郷。


 それを作る事の出来る切っ掛けが、目の前のビンゴ大会に詰まっているのだから、仕方ないのだろうか?


「それもこれも、過去の勇者や聖女が悪いのよね……ラスト大陸のじゃなくて、アトラ大陸に召喚された奴らね。」


 神を追い落とそうとしたのだ、それに嫌気が差した神が、面倒くさくなって聖域に引き篭ってしまった。エルフ達には、まだ数世代前の話だ、そんな過去を事細かく知っていた。


「世界樹の若木が大木に育つまで、育ってからもだけど、エルフが自分達から望んで他の人種の文明に触れるような事は、もう無くなるわ。」


 拠り所を探す為に世界各地へと散らばったエルフ達、それを造り上げられる機会が訪れたのだ。


「世界樹を見つけたら、そんな風になると思ってたけど無理ね。」


 あれ?


「1家に1本世界樹の若木を手に入れるまで、ニノ様に詰め寄るわよきっと……」


 植物に関しては妥協しないらしい。


「それは……ニノ様だったら渡してしまいそうですね。」


「優しいから。無理して増やして渡してくれるでしょうね。」


 因みにニノは、無理などしていない。

朝のラジオ体操のついでに、神気を振り撒くだけなので。


 シメジもにゃん族もビンゴ大会に参加していた。

「どれが95にゃ?読めないにゃ。」「5までしか数えられないにゃ。」「私は15まで数えられるにゃ。」「それが95だよ。そっちが32。」

 なんて言いながら楽しそうである。


 慈王君に着いてきた蟲達は、微妙な表情をずっと浮かべていた。




 エルフさん達の暴走があと1話続きます。



読んで貰えて感謝です。

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