表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
6章 惑星パンツ初のメイド・イン・パンツ製オートバイ爆誕
204/347

S.M.Zのお使い 天元大陸 1 出発前

お出かけ前です。


 蟲の魔王と樹魔族の息子の慈王君。

外見は母親似なのでシュッとして金髪イケメンなのだが、能力は父親に譲り受けたのか、蟲を受け継いでいる。


 そして、相性の良すぎる蟲神のカンタ君の絞り汁を受け入れたせいで、覚醒してしまった。


「寄るな!触るな!集るな!舐め回すな!」


 慈王君から少しだけ滲み出る蟲神の神気に、聖域中の蟲系の生き物が集まってくる。


「なんでしょうコレは……」


 モモちゃんの問い掛けに答えを知っている神が1人。


「普段だと、オイラに集まってくるのを我慢してる皆が、慈王だと舐めても大丈夫って思われたんだろ。大丈夫、危害は加えないはずだから。」


 慈王君から滲み出た神気を吸収しているだけらしい、だがしかし……


「パンツの中は止めろ! 背中の真ん中は痒くなる! 毛髪に潜り込むな!」


 さっきまで死にかけていたのに、元気な慈王君である。


「堕ちたって言っても元女神の呪いだったからな。外見は普通の治癒魔法で治るけど、オイラかニノにいか若芽彦じゃ無ければ危なかったかもな。」


 ずっとシメジはワナワナしていた。


 自分だけで癒せると思っていた。


 母親に治癒魔法を手伝って貰った。

カンタ君に呪いを癒して貰った。それもこれも、全部悪いのは自分1人で捕まえる事すら出来なかった事。

 慈王君が飛び出したのも、背中を庇って攻撃を受け続けていたのも、自分の気付かない攻撃を全部撃ち落としてくれてたのも、何回も瀕死の状態まで怪我させたのも、全て己の力量不足。

 シメジにしてみたら、そんな自分が許せなかったようだ。


「パパさんみたくなりたい……」


 ボソッと呟いた言葉は慈王君に気付かれていた。


「1度死んで魔石と死体の1部さえ回収して貰えてたら、数日もあれば、どっかのダンジョン復活するから、気にしなくて良いぞ示芽慈。」


 モモちゃんにも、シメジにも意味がわかってない。


「グランド・オブ・ダンジョンマスター・禽魔王の呪いでね。」


 慈王君の言葉に補足をしたのは、現魔王。


「ニノさんは……いや田崎さんは今頃きっと動いてますよ。魔物や魔族を解放しようとね。」


「だから、お使いをちゃんと終わらせよう。ラスト大陸はニノ様に任せて、俺たちは天元大陸に。」


 モモちゃんやシメジにカッコよく言ったつもりだが、額に沢山のバッタが止まっている慈王君。


 ちょっと気持ち悪い。


 モモちゃんだって自然溢れる森育ちで、虫などは大丈夫なのだが、その数はどうか? と思う程に全身くまなく蟲に(たか)られている。


「示芽慈、次に行こう。」


「動く虫さんに手を出しちゃダメだにゃ。」


「早く逃げるにゃ。このままだと……」


「虫さんと遊んでしまいそうにゃ!」


 本能を我慢するにゃん族3人に触発されて、4番目の大陸、天元大陸へと向かう一行。


 慈王君の体にまとわりついてた蟲達は、いつの間にか覚えていた、小さくなるスキルで微小な存在に身を変えて、慈王君の神器に潜り込んだ。


 だから虫まで数に数えたら……


 もう何人で行動してるか分からなくなっていた。



 7章に繋がる回でした。



読んで貰えて感謝です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ